油断できないビーズ戦…元ニューカッスルFWが最大の脅威に?
ニューカッスルは22日、カラバオカップ準々決勝でブレントフォードと対戦する。
チームは先週、ミッドウィークのリーズ戦で2-5と大敗を喫し、週末には退場により1人少ないフラムと1-1の引き分け。昇格組2チームに僅か1ポイントのみ、リトリート中心の消極的な戦術をとったことで、サポーターのブルース批判は一層強まっている状況だ。
そんな中、チームはカップ戦の準々決勝まで駒を進めている。そして22日のビーズ(ブレントフォードの愛称)戦に勝利すれば、ベスト4進出となる。
だが、状況は決してポジティブとは言えない。マグパイズは今季のカラバオカップで、ブラックバーンに1-0、モアカムに7-0、ニューポート・カウンティに1-1(PK 5-4)と、全て下部リーグのチームと対戦。相手に退場者が出たモアカム戦を除けば、いずれも格下相手に苦戦を強いられていることは否めない。
また、リーグ直近2試合のパフォーマンスは非常に低調なものだった。守備に重きを置いた戦術を採用しているにもかかわらず、失点を防ぐことができていない。危険な位置でのボールロスト、ミスが多いのは気になるところだ。コロナウイルス感染拡大により約1週間チーム練習ができなかったのは事実だが、過密日程に苦しむチームが多いこの年末、むしろコンディションに難を抱えるのは相手チームであり、言い訳にはできない。
カラバオカップのベスト8の内、チャンピオンシップからは2クラブしか残っていないことを考えれば、ブルースはいい対戦相手を引いたと感じているかもしれない。ニューカッスルは過去、ブレントフォードと11度対戦し、8勝3敗と大きく勝ち越している。最後に負けたのは1948年であり、近年は全て勝利を収めている。サポーターが期待するのは勝利のみ、というシチュエーションだが、このカードを”ラッキー”と感じているのはコチラだけではないだろう。
今シーズンのブレントフォードは、ニューカッスルとは対照的にオフェンシブなスタイルを好むチームだ。10月24日以来公式戦負けなしで、チャンピオンシップでは4位と昇格争いに絡んでいる。
攻撃を牽引するのは、ストライカーのアイヴァン・トネイ。かつてニューカッスルでもプレーした選手だ。セント・ジェームズパークでは出場機会に恵まれず、ローンを繰り返していたが、2年前の完全移籍を機に才能を開花させた。過去2シーズン、リーグ1のピーターバラで公式戦94試合49ゴールと頭角を表すと、今季はビーズに引き抜かれ、すぐにスタメンに定着。開幕4試合こそネットを揺らすことができなかったが、それ以降はまさに”ケチャドバ”状態で、16ゴールで2部の得点王となっている。
ブルースも、先日の記者会見で「彼はとてもよくやっている。我々が間違っていたと証明するために情熱を持ってプレーしているように見える。Well doneと言わなければ。自信を持ってプレーされれば、彼は脅威となるだろう」と賞賛した。
ニューカッスルにとって脅威となるのはトネイだけではない。フォワードのマルクス・フォルス、ブライアン・ムベウモ、ジョシュ・ダシウヴァは合わせて13ゴール9アシストを記録、チャンスクリエイト数は64回と、4人の破壊力は抜群。ゴールキーパーにとっては忙しい夜となりそうだ。
前節では4部のニューポート・カウンティにPK戦まで持ち込まれるなど苦戦したマグパイズ。リーグでの不調、そして消極的なフットボールがサポーターの不満を高めている中で、チャンピオンシップのチームに敗れることは致命傷となるため、指揮官にかかるプレッシャーは大きいだろう。
期待と不安が入り混じるブレントフォード戦は22日26時30分キックオフ。年内にはリヴァプール、マンチェスター・シティ、レスターとリーグ上位勢の対戦を控えており、厳しい戦いが予想される中でカップ戦だけでもしっかりと勝ち進まなければ、解任論も浮上してくるだろう。
攻撃の切り札であるアラン・サン=マクシマンはコロナウイルスの療養中でまだ起用することができない状況。過去1年半、攻撃面で彼に頼りきりだったブルースは、この難局を乗り切ることができるのだろうか。まずは、ビーズ戦での”トネイ封じ”を期待したいところだ。
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