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進路選択での後悔

誰もが人生において、重要な進路選択のタイミングがあるはずです。でも、何を根拠に意思決定をするべきなのでしょうか??
ここでは、私が進路選択で感じた後悔を話します。平凡な社会人の経験談に過ぎないので、もしこの記事を中学生・高校生が読んでいるならば「そういう意見もあるんだ〜」ぐらいのスタンスで読んでもらえれば嬉しいです。

憧れだけで未来を決めて大丈夫??
私の進路選択を単純に言うと「憧れだけで道を選んだ」の一言です。私は大学で化学を専攻し、仕事はWebアプリエンジニアを選びましたが、この2つは単なる憧れによる選択です。
「熱帯海洋生物から化学物質を発見して、人間に役立つ研究、面白そう」という理由で琉球大学に進学したわけですが、これは完全なる憧れに過ぎません。なんせ私の地元は海に行くまで2時間かかるほど山の中で、海を見れるのは年に1・2回程度。海洋生物に触れる機会なんて全くありません。また、高校では特に化学が得意というわけでもなく、むしろ生物学や英語の方がはるかに得意でした。そして、実際に大学で勉強を初めてみると、生物学の知識を活かせる機会はほとんどなく、物理学に近いこと(分子の動きなど)をずっと学んでいく分野でした。「こんなはずじゃなかった。。」と正直、思いました。
さて、得意ではない化学の分野で6年間(大学院含む)も過ごして、次なる進路選択の機会が訪れました。就職活動です。苦手な化学の分野以外で、就職先を探しました。ただし、過去の失敗を全く活かせずに、同じ失敗をしてしまいます。憧れベースでの就職活動です。「カッコいい仕事につきたい、イケイケな仕事がしたい」という憧れ基準で業界・職種を選びました。その当時、私にとってイケイケな仕事といえば、「コンサル、マーケティング、プログラマー」でした。ただ、コンサルは話すの苦手だし、マーケティングは学んでも学んでもさっぱり実態が掴めなかったので、面接は数社受けたのですが途中で諦めました。一方で、プログラマーは、話す機会が少ない仕事だし、スキルがあれば世界中でも働けそうかもという単純な動機で、勉強を始めました。YouTubeやUdemyの動画を見ながら、ウェブサイトやWebアプリを実際に自分で使ってみると、とてもとても楽しい。これを仕事にできれば、幸せかもと思いました。そうして、Webアプリ開発エンジニアを募集している会社に応募し、採用をもらいました。
しかし、いざ会社に入ってみると、憧れとは全く異なる世界です。スキルの無いエンジニアは朝から晩までスプレッドシートをぽちぽち触り(自分)、スキルのあるエンジニアは短い期日の中で、疲弊しながら複雑な画面をプログラミングをする。しかも、プログラミングはその案件のコーディングのルールに100%忠実でなければならず、新たな何かをつくる感覚ではなく、すでに用意された道具をルール通りに綺麗に当てはめていく作業という感じです。クリエイティビティを発揮する機会はほぼ無く、私が入社前に感じていた「つくる喜び」はいったいどこへ行ったのでしょうか。

私の2つの失敗の共通点は、「憧れ」でした。「海洋生物から化学物質発見するのはカッコいい」「Webアプリエンジニアというクリエイティブな職業はカッコいい」という憧れで進路を選んだわけです。もちろん「憧れ」は努力の原動力になります。「憧れ」があったからこそ、受験勉強も就職活動も頑張れました。しかし、「憧れ」だけじゃダメでした。
この経験から私が学んだことは「自分の得意を基準に進路を選べ」ということでした。私はこれまで自分の「なりたい姿」を設定し、それに向かって努力して、理想の姿を実現することができていた気がします、良くも悪くも。私は優秀ではないけれど、なりたい姿に近づくために、コツコツ努力はしていました。しかし、この無理な努力によって、自分の得意が活きなくなる。現在、私は大規模なプロジェクトでWebアプリエンジニアとして働いていますが、この環境では論理的思考力+ミスなく完璧に作業ができることがとても必要です。しかし、この二つは私にとって壊滅的に苦手なことなのです。私の得意は、「①質より量。②頭の中で考えてから行動ではなく、行動することによって学びを得る。③寛容力、細かいことも割と許せる大雑把な性格」です。いまの環境でどれだけ頑張っても、正直ずっと辛いままでしょう。

じゃあどうするか?
だからといって、「夢を諦めろ」「憧れを捨てろ」と言いたいわけではありません。まずは、現状の中で、自分の得意を活かせるかを試してみます。例えば、私の場合だと、「厳密さは80%で良くて、リリースしながら顧客の反応を見ながら適宜修正をしていく(アジャイル的な)案件ならどうだろうか?(そもそもアジャイルな案件は社内に存在するのかはわからないけれど)」「お客さんに近い立場で、ヒヤリングをメインとするポジションならどうだろうか?」などなど、今の会社で自分の得意を活かせそうな環境・ポジションを探し回ろうと思います。そして、もしもこの会社で自分の得意が活かせそうにないなら、退社します。。。そしてその場合、次の仕事探しでは、憧れや給料、社会的なステータス、周囲の期待は完全に無視をします。憧れよりも、自分の得意を活かせる仕事を探します。努力をして100%の価値を出せる仕事ではなく、努力をして120%の価値を出せる仕事に就きたいです。

中学生・高校生に向けて
私は、20代中盤でようやく自分の得意不得意がわかるようになりました(たぶん)。それは、憧れの姿を求めて、様々な土地に行き、様々なアルバイト、勉強、趣味、人付き合いを経験したからこそ、自分の等身大がわかるようになったと思います。中学生・高校生ぐらいの年齢だと、試したことのない経験が多すぎて、自分の得意を把握するためのデータが少なすぎます。運良く1発目で得意がわかるラッキーな人もいるかもしれませんが、ごく一部かと思います。はじめは、憧れを追いかけても良いですし、失敗してもいいから、いろんな人と話したり、普段はやらない無謀な何かに挑戦して良いと思います。そうした経験を通して、自分の得意を発見できたと思えば、それを仕事に結びつけていくと良い進路選びかできるはずです。

(補足:私の進路の失敗談において、「事前の調査が甘いのでは?」と感じた方がいるかもしれません。確かに賛成です。調査不足でした。大事な進路選択の際には、その道に進んだ経験者にお願いをして、インタビューさせて頂くことがとてもオススメです。)

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