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めめの目から〜アダプト雑感〜

本文に織り込まなかった雑感です。
レポートとかではなくあとがき的な。
長い長い独り言もといツイートみたいな。                 何も有益さがないのでこれは本当の蛇足です。

不特定多数の目に入るTwitterではあんまりネガティブなことを思ったとて発言しないようにしているので、今回はマイナス部分も書いたつもりだったのだけど、結局結構なベタ褒めレポートになってしまいました。好きはとことん甘やかしてしまうタイプなので仕方ないのだけど……。その分ここでは最後に忖度なく我儘に綴ってみます。


さて、その最後が「834.194光」の京都2日目だったので、今回は自身にとっても約2年ぶりのサカナクションによる生音だった。ONLINEを高く評価する一方、やっぱり生音っていいなあっていうのが正直な感想。

音と言えば、speaker+のリベンジが果たせてよかったなあ、と。どこも音が良かった。個人的には大阪2日目が1番かな。AとSSの体験だったので、また同じような機会があった際にはSもどこかで入れたいなあと思う次第。ただ、これを言うのは酷というか比較対象が違うのは重々承知しているのだけど、やっぱり6.1chには敵わないのでまたやってほしいなあって思っちゃう。6.1chの『壁』で押し潰してほしい。ただ、禍の中で予算もないだろうに(それでもふんだんに使ってたけど……笑)あそこまで音にこだわってくれるのはさすがだと恐れ入る。

リベンジと言えば、来るアダプトのホールツアーは暗い中で音に注力するって言ってたから……なんとなく準暗闇に近づけた形でリベンジしようとしてんのかなあって思ったり思わなかったり。

あと席。今回は先行順で前からどんどん詰めていった印象。なのでSSは深海先行勢が前方席多発みたいな感じだった。以前はPA前がホットスポットだったわけでSSシートの中でも動きがあったら嬉しいなあと思ったり……(とは言え前に行きたい!メンバー見たい!近ければ近い方が嬉しい!って人もいるだろうからこれは難しいなあ〜)

そして、これは本当に仕方のないことなのだけど。禍のせいで声が出せないの、意外と辛い。これは他のミュージシャンのライブに行った時も思ったのだけど、思ったより辛い。スタンディングOKだったのは救いだったけれど、これがシートに座って観てねーみたいなライブの時はさらに辛い。もちろん、この状況下でライブやってくれてありがとー!を大前提として。早く以前と同じようなライブが帰ってきてほしい……と切に願ってしまう。シンガロングも合いの手も歓声も上げたい。サカナじゃ当然しないけれど、モッシュもダイブもウォールオブデスも恋しい。というか早く何も気にせずに、罪悪感にも自己嫌悪にも苛まれずライブにもフェスにも行きたいね。


ここからは自分語り。いつもそうなんだけど。サカナクションのライブがメインではあるのだけど、その周りに集まる仲の良い魚民さんと会えることが本当に嬉しくって。僕はもともと邦ロ垢にいて、その垢を消して、この禍を機に魚民垢としてTwitterに帰ってきた。それから本当にいろんな出会いがあって、それまでの繋がりを含め、本当にいい仲間たちに恵まれたなあ、と思う。久しぶりと初めまして、やっと会えたね、がたくさんあった。上で我儘をたくさん書いたけれど、サカナクションがライブをやってくれなかったら、というかそもそもその活動をしてくれていなかったら、絶対に出会えていないのだ。変な話だよなあ、と思いつつ、凄い時代だなあ、とも思う。現代だからこそ繋がることのできる縁。ここ2年間ずっと求めていた夜があって、今こうやって綴りながら思い出しても幸せな気分になれるほどだ。各方面に感謝しかない。本当にいつもよくしてくれておおきにです(ここで?)

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(写真:頂いたお土産の数々)


それと。今回引き篭もっていた部屋から出る際に、自身にも意味を付加したくってプリュスのショーピースに袖を通すことにした。

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( 写真:著者近影 )

ショーの名は「DARK ROOM」

選んだ品はインサイドアウトになっているジャケット。禍中に披露された21AWの物だ。川久保玲はこのコレクションに際してこう語る。

「暗闇の中にこそ立ち上がる。私たちは今、闇に包まれたこの世界で、新しいものを見つけ出さねばなりません。しかし、例えば、暗室の中で像を結ぶ写真のように、創造や発展、進歩も暗闇の中から生まれることが出来るのです」

今も自分の居場所で耐えている方々がいることを思うと、胸が苦しくなる。だけど、今ここで外へ出る決断をした自分の答えにも理由があったりする。


個人的に去年は自己実現の年で、実際無事に終えることができた。自分の10代、20代にピリオドを打てたような気持ちでいる。ゆえにもう30代のつもりで生きていて、今年から次の10年を作っていくんだろうなあ、とぼんやりそんな予感めいたものを感じている。ここ2年の空白を埋めていく、繋ぎ直していく作業。約束を果たしていく。そんなテーマがあって。それらは図らずとも、自分的には適応と応用に近しい気がしている(言いながら次年度はまた生活が変わりそうで、困ったなあ弱ったなあところころしているところなのだけど……)。


結局、合計で35,883字も綴ってしまった。
400字詰め原稿用紙換算で90枚。
書いた本人ながらどうかしてると思う。                     アプライではもう絶対にやらない。                                と言うか、やらないで済む状態になっててほしい。


最後に。もう取り壊され破棄されてしまった、遺跡然としながらも各会場に悠然と建っていたアダプトタワーへ想いを馳せてこの長い長いツイートを終わりにしたい。あれはきっと、100年前は偉大で画期的だったのだと思う。しかしそれも流行り廃りの波に揉まれ、荒れ果て朽ちてしまったのだろう。ただそれは、当時も本質的には美しかったのだろうか?時代を経て炙り出されただけなのだろうか?どうなのだろう?そんな風に今も考える。サカナクションの音楽は、新宝島にたどり着いて、100年後も聴かれているだろうか。聴かれているといいなあ、といちファンとしては思う。

ともかく、今はもう無いその姿に手を合わせながら、安らかに休んでくりゃれ……と祈るほかない。

ああ、そうか。あれにはそういう機能もあったのかもしれない。

またいつか。
何度だって。

あんな夜に帰れますように──。


「アダプト」のリリースを楽しみにしながら。



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