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|息子|
三十九歳で娘を出産、その後、三歳違いで息子が産まれた。
四十二歳での出産はかなり壮絶だった。息子の大きな頭が骨盤につっかえて、なかなか降りてこなかった。陣痛の辛さに意識が遠のく中、もうすぐ会えるという楽しみと体のねじれるほどの痛みが混在した。そんな壮絶な出産はナースステーションでも話題となったらしい。
過酷な時間の中、気の強い私は、自然な形で息子が下りてくるのを待ち、吸引器具を使って欲しいとは自分から言えずにいた。
ところがもう我慢の限界。
とはいえ、つらいとは素直に言えず、「息子が危険なようなら、使ってもらってもいいですよ。私は平気ですが。」と、意味のわからない提案。
この場に及んで、、、、と自分にあきれた。
助産師さんから、「いや、赤ちゃんはピンピン元気です!」とにこやかな返事が聞こえ、さらに意識が遠のく気持ちがした。
そんな息子も10歳となり、毎日家族を楽しませてくれている。