|はじまり|
あの子はどうしているだろう。
その思いが今も私を追いかけてくる。
薄曇ったある日の夕方。
小さな手の中に秘めた黄色い炎が、私の目を凍らせた。
あの人はどうしているだろう。
白い紙で包まれた四角いキャラメルは、
しわがれた大きな手の中で柔らかく優しくなっていた。
50年生きてきた中で、ふとよみがえる記憶がある。
ひとつひとつ、ここに置いて、
これから先を歩もうと思う。
あの子はどうしているだろう。
その思いが今も私を追いかけてくる。
薄曇ったある日の夕方。
小さな手の中に秘めた黄色い炎が、私の目を凍らせた。
あの人はどうしているだろう。
白い紙で包まれた四角いキャラメルは、
しわがれた大きな手の中で柔らかく優しくなっていた。
50年生きてきた中で、ふとよみがえる記憶がある。
ひとつひとつ、ここに置いて、
これから先を歩もうと思う。