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【行ってみた】 太田記念美術館の「江戸メシ」展をのぞいてみたら、庶民の食文化がめちゃくちゃ豊かだった件
こんにちは。
本日は、ただいま絶賛開催中の「江戸メシ」展へ行ってきました。
浮世絵から江戸時代の食を紐解くという、昔ながらの和食好きにはたまらない内容。
お写真がなくて恐縮なのですが、見所や感想をサクッとまとめましたので、ぜひ参考になさってください。
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江戸ってどんな時代?
260年も続いた江戸時代は、まさに太平の世。
町民文化が花開いた時代でもあります。
食の分野でみると…
◎流通網が発達したことで、各地から豊かな食材が集まるようになった
◎醤油や味噌、酢、砂糖など、調味料が庶民にも広まった
◎屋台や料亭など、外食文化が発達した
食材が揃い、調味料が発達すれば、手の込んだ料理がつくれるようになります。
お寿司や天ぷら、うなぎなど、日本食のルーツとも呼べる料理が誕生したのが、江戸時代なのです。
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日本食のルールは、江戸時代にあり!
おカタイ美術展とは異なり、浮世絵には江戸時代の人々の暮らしが生き生きと描かれていました。
これは面白い!と思ったポイントをいくつかご紹介しましょう。
◎お寿司や天ぷらは、江戸時代のファストフード
今や高級店の代名詞ともいえる天ぷらやお寿司ですが、江戸時代は屋台で、しかも立ち食いで食べられていたというから驚きです。
江戸の街を築くため、全国から大工や商人などが集められたといいます。
そのため、さくっと小腹を満たせる屋台が流行ったそうなんです。
コハダ?の天ぷらに楊枝を指して食べている人や、仕事の合間に立ち食いでお寿司を放り込む職人さんなど、実に楽しそう。
この時代のお寿司はこぶしくらいのサイズ。
今よりも大きかったといいますから、コンビニのおにぎりのような感覚なのかもしれません。
◎江戸っ子は、行楽好きの遊び好き
男性は職人さん、女性は遊女など商売女が多かったという江戸時代。
みなさん、生粋の遊び人なのでしょうか。
お花見や、船を出しての隅田川の花火大会、芝居見物など、実に行楽好きなご様子。
その度に、美味しそうな行楽弁当を持参されます。
塗りのお重には伊達巻でしょうか。
木桶には、エビや青魚などの握り寿司、美しい染付のお皿にはマグロやタイのお刺身まであるという豪華さ!
そして、現代でいうバーベキューでしょうか。
行楽地では切った豆腐を炭火で焼き、味噌をつけて食べる「田楽」も人気だったそうですよ。
◎いつの世も、女性はスイーツに首ったけ
輸入だよりだった高価なお砂糖も、江戸時代の後期にはやっと国内で製造できるようになります。
そのため、江戸時代はスイーツ天国だったんです。
屋台をみると、素朴な焼き芋屋からお団子屋にお汁粉屋、端午の節句に食べる柏餅、春は桜餅なんかもありました。
ちょっとめずらしいところでは、金魚の形をした砂糖菓子「金花糖」。
そして今で言うタピオカでしょうか?
冷たい水に砂糖と白玉粉でつくった団子を入れた「白玉水」なんてものもあったそうですよ。
◎ご当時グルメもおまかせあれ!
交通網も発達した江戸時代。
特に、江戸と京都を結ぶ東海道や木曽街道は交通量も多かったといいます。
そのため、宿場町ではその土地の有名な料理、いわゆるご当時グルメを食べることが流行ったそう。
例えば、静岡県は丸子宿の名物、とろろ汁。
すりおろした自然薯に味噌やお出汁で味をつけ、麦飯にかけていただきます。
他にも、現在の静岡県湖西市・新居宿のうなぎの蒲焼。
静岡県掛川市・日坂宿のわらび餅など、旅の疲れを癒やし、英気を養ってくれそうなものばかり。実に美味しそうです。
また、細部まで楽しめるのも江戸メシ展のいいところ。
大根おろしが描かれていたり、伊万里でしょうか。染付の大皿やとっくり、お重などの絵柄もきれいです。
そして”江戸メシ”以外の見所としては、やはり遊女や相撲取りが羽織る衣装や日本髪などのファッション。
まるでアートのような色や柄合わせは見事です。外国人が浮世絵に夢中になったというのも納得ですね。
ぜひ、江戸時代にタイムスリップしたような気持ちで楽しんでみましょう。
ちなみに、私が伺った1月17日(金)は学芸員の方によるスライドトークもあったせいか、平日にもかかわらずとても混雑していました。
10時ごろに伺ったのですが、すでに50名ほどの列が!
余裕をもって行かれることをおすすめします。
「江戸メシ」展
場所:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
会期:〜2025年1月26日(日)まで
会館時間:10:30〜17:30(入館は17:00まで)
入場料:1000円/一般、700円/大学・高校生(現金のみ)
※中学生(15歳)以下は無料!
2025年1月21日(火)は、11時より学芸員によるスライドトークあり
※30分程度、定員50名