イケてるゲイ、イケてないレズ

地元のLGBT団体Pと関わるようになり、自分や付き合っている相手以外のLGBT当事者と会う機会が増えた。自分がレズビアンなので友人知人の多くはレズビアンだが、ゲイやその他のセクシャリティの人とも知り合うことができた。セクシャリティはグラデーションで、レズビアンやゲイなどと一言で言ってもその中身は人それぞれ。しかし今回は敢えてザックリと「ゲイとレズ」を取り上げ、私の感じる「ゲイとレズの違い」みたいなものを書いてみる。


ゲイはイケメン?

以前によく山田詠美氏のエッセイ「ポンちゃんシリーズ」を読んでいた。彼女は外国人と結婚したり、ゲイの友人がいたりというタイプ。そんな彼女がどの本でかは覚えてないがこういうことを言っていた。

「海外(欧米)で出会うイケメンは大抵ゲイ」

…読んでいた当時、まだうら若き物知らぬ乙女だった私はゲイに対するイメージは確立しておらず、「へー、ゲイってかっこいいんだー」と単純に思った。そしてその印象は、実際に生身のゲイと接するようになった今も、それほど間違っていたとは思わない。

私が知り合ったゲイの方々、見た目の美しさは様々。筋肉たっぷりの「いかにも」な方もいるし、熊さんみたいなほんわり可愛い系、モデル系のすらっとした美形、あんまり特徴のないフツーな人。しかし共通するのは見られることを意識してか「自分なりのお洒落をきちんとしていること」だ。

ノンケ男子にもお洒落さんはいるが、それは見られるためというより自分のためのものだ。女性に見られることを意識しているノンケ男性はそれほど多くない。しかしゲイは違う。恋愛対象を選ぶ基準として、見た目を重視するのは女性より男性だ。なのでゲイが恋愛したければ、見た目を美しくせざるを得ない。ゲイのお洒落は戦略なのだ。

というわけで、ゲイはイケメンというよりはお洒落なのだと言いたい。


見られることを放棄したメンズ系レズ

ではレズビアンはどうだろうか。ゲイもレズビアンもそうだが、なんとな〜く「女性的」「男性的」なタイプがある。「ゲイで女性的→オネエっぽい」とか「レズで男性的→神取忍氏っぽい」とか。(※神取氏のセクシャリティについて私は知らないので、彼女がレズと言いたいわけではない)その「男性的な匂いのするレズ」について特に言えるのが「もう見られることを意識してないだろ!」ということ。

彼女達も自分なりに好きな格好をしているんだろうが、ノンケ女子なら絶対にしないような間違った服装をしていること多数。もう「服着てればいいんだろ」くらいな勢いを感じる人もいて、そうなってくるとおばさん通り越しておじさんにしか見えない。お洒落じゃないおじさん…もうどうしようもない。もう一つ言えるのは、メンズ系レズの多くがなぜか「ヤンキー男子っぽい」ということ。好みは人それぞれだが、お洒落…とは言い難い。私も偉そーなこと言えるほどお洒落さんじゃないけどね。あとお洒落なレズも少ないけどちゃんといるよー。


知性とアートの香り漂うゲイ

私がゲイメンと知り合う場である団体Pが映画のイベントをしているせいか、知り合いのゲイにはなんとなくアートの香りがする人が多い。芝居が好きな人、ジャズライブする人、絵を描く人等々。アート活動をしなくても、大抵のゲイは話していて知性を感じる。ノンケ男性と話す機会があまりないので、男性全体の傾向なのか、ゲイ特有のものなのかはよく分からない。でもなんとなーく「知性」「アート」の特性を持つ割合は、ノンケ男性よりゲイの方が高い気がする。

知性に裏打ちされているのか、経済的な安定感もある人ばかり。「経済的安定」と「知性」「アート」の特性が、正のスパイラル状態にあると思われる。


経済的不安感たっぷりなレズ

最近メディアに登場するようになったレズビアンの方々は、知性的で見た目も美しい人が増えた。これは本当に有り難い。そうやってレズビアンのイメージをどんどん向上させてくれ〜と思う。しかし彼女達はレズビアンとしては少数派だと感じる。私の周囲にいるレズビアン達で知性を感じる人のなんと少ないことよ。あ、また相方に「これだから○○大卒は!」って言われる。

相方やこの記事に登場するレズ友達は、私が出会った数少ない知性派レズの方々。相方以外の方の学歴は不明だが、少なくともきちんとした職業をもっている。本も読んでいると思われるし、世の中の動きにも興味がある様子。

では少数派知性的レズ以外の方々はどうか。まず仕事が安定していない人がノンケ女子と比べても多い。負の転職スパイラルを起こしている人もいる。さらに学歴の高い人が異常に少ない。学歴で知性が計れるとは思わないけど、ノンケ女子の知人には高卒の人もいれば大卒の人もいるのに、レズの知人で大卒の人がほとんどいないのはなぜか。大卒のレズはみんな都会に行ってしまうのか?


まとめ

私は決して、レズビアンである自分やレズ友の皆さんが嫌いな訳ではない!でも話していて知的刺激を与えてくれるレズ、お洒落のお手本にしたいレズが見当たらないのは悲しい。まー友人なんて、セクシャリティ関係なくいるからいいんだけど。

しかしこれから社会を生きやすく変えて行く上では、LGBT当事者が良い印象を与える人であることは大切だ。メディアで活躍するレズだけがきれいで知性的なだけではダメだ。今はまだクローゼットでも、田舎住みでも、レズビアンであることを誇れるように自分を磨こうではないか!

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ともみ
私の文章に少しでも「面白さ」「興味深さ」を感じていただけたら嬉しいです。