レズビアンカップルとして「取材」を受ける

先日私と相方は、レズビアンカップルとしてあるメディアの取材を受けた。私は顔と名前を出した。ちょっと勇気がいったけど、「悪いことしてるわけじゃないし隠す必要なんてない」と思ったし、そうすることの意義を感じたから。

私が記事をシェアすると、見てくれた友人、知人がいろんなコメントをくれた。大抵の人が記事内容のLGBT的話題に触れず、「写真の笑顔が素敵ー」とかいうコメントだったのは面白かった。普段の私を知ってる人にとっては「今更」な話題であり、遠方にいて滅多に会わない人にとっては「どう触れていいのか微妙」な話題なのかも知れない。まぁ何か凄いことをしたとかいう記事じゃないので、コメントのしようもないか。


「取材を受ける」という経験

私も相方も極々一般的な小市民なので、取材を受けるなんて初めての経験。せっかくなので、こちらも逆取材するようなつもりで質問項目なんかをメモったりしてみた。

【聞かれたこと】
・生年月日、家族構成、生い立ち、仕事
・セクシャルなアイデンティティ ←「レズビアン」とか「バイセクシャル」とかそういうこと
・カミングアウトについて ←した経緯とか、してない理由とか

・恋愛ヒストリー(幼い頃の初恋〜現在)
・同性を恋愛対象と意識した経緯、友人と何が違うのか? ←異性でも変わらんと思うよ?
・自分を受け入れたきっかけ
・セクシャリティが原因の嫌な経験 ←あんまりない…。

・2人の出会い、どこに惹かれたか?
・日常生活の様子、日常で幸せな時 ←いつでも昼飲み〜(笑)

・結婚?観
・子供を持つこと、里子、養子の制度
・将来への不安
・社会制度に求めること


【追加質問】(後日の写真撮影の際、掲載直前に電話・メールにて)
・恋愛ヒストリーの詳細

・子供を持つこと
・顔と名前を出して取材を受けた理由 ←そっちが「その方がリアリティがある」って言ったよね?
・取材を受けることが世の中に与える影響について ←取材する側に聞きたいわ!

・夕飯によく食べるもの ←酒のアテ?

変な質問も、取材者の意向でないもの(上司の指示)とか、当たり前のことでも私たちの言葉で書く必要があるとか、あちらの都合も理解はできた。いろいろ突っ込みどころはあったけど、取材のお姉さんはとっても感じの良い、信頼できる方だと思ったよ。そしていろんな意味で「若いな〜」って思った。


素朴な感想

ざーっと箇条書きにしただけでも、結構いろんなことを聞かれたことが分かる。1つの質問が次の質問を呼び、取材者のノートには無秩序にいろんなことが書き込まれていった。

こちらからすれば「そんなことを詳しく聞くの?」とか、「そこはもう少し話することあるけど次行くの?」とか、なかなかペースが掴めない。自分では話し足りないことがあっても、それを取材者が求めてるとは限らない。また、どういう風にまとめようとしているのか、記事になってみるまで分からないし。

また聞かれて初めて考えたようなこともある。当たり前すぎることだと、なかなか言語化したことがなかったり。その場で考えて答えても、後になってみたら別の言葉が浮かんできたり。聞かれた内容が「私の人生丸々」みたいな感じだったしねー。取材を受けるのって難しいんだなーと思った。


記事を読んでみて

記事が発表されて読んでみると「あらー、こんなところを切り取るのねー」って箇所がチラホラ。私からすればどうでもいいディテールを取り上げてたり、「あれは書かないのね」って話もあった。

「あんまり詳細に書くと、バレたくないこともバレる」って言ったのに、一部想定よりも詳細な情報が書かれていた……。私は別にいいけど、同じように取材を受ける方は、「流れで話したけど記事には書かないでね」ってことは、明確に指示した方がいいよ。その辺もシロウトには難しいね。

予想通りだったのは、エピソードの中でより悲劇性のあるものを取り上げていたこと。私にとってはそんなに重要な話ではなくても、書き手は読み手にアピールしやすい素材と判断するようだ。そして写真につけられたキャプションが、あまりにもアホっぽくて……辛い。

ちなみに相方は顔も名前も出さなかったので、その分情報漏洩に気を使ってくれた様子。私に関して書いてある部分より、相方のことが書いている部分の方が無難な感じだった。


そろそろ過去の自分について書く時期?

今回取材を受けたことは、自分自身の人生の棚卸的な側面があったかも。もう薄れかけてる過去の恋愛話も、改めて書くことで誰かのためになることもあるかも知れないと思った。初めて言語化して考えたこと、「人に伝える」という経験から生まれてきたものも。

たまに全然違う世界で生きている人と話すと、相方や友人たちとの会話では出てこないトピックや切り口が出てくる。今回のように「啓蒙」を意識した話をすると、「何がより読み手に響くか」ということを、普段1人で記事を書いている時より意識せざるを得ない。そこからまた新しい表現が生まれそうだ。

そして記事を読んでくれた友人から「記事には書かれていない部分にも興味ある」というお言葉をいただく。そっかー、私なんかのありふれた(そうでもないかな?)恋愛の話でも、興味持っていただけるのか。今まで過去の恋愛話は、意識的にあんまり書かないようにしていた。でも、そろそろこってり詳しく書いてみようかな?

というわけで、今後不定期で「現在レズビアンカップルをやってるアラフォー女の恋愛遍歴」シリーズが始まりそうです。良かったらお運びください。

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ともみ
私の文章に少しでも「面白さ」「興味深さ」を感じていただけたら嬉しいです。