こんなところに天国はないのである
とんでもない間違いを犯したあとなのかもしれない、と思いながら日々生活している。
むかしやり取りがあった会社の名称がふとした誤字で表示されただけでなぜか焦るし、関係を断った人の名前が出るたびに汗を数滴かく。
自転車のタイヤを交換し、友人と酒を飲み解散した。
でも飲み足りない。始まってしまう。
思えばものを書く人間、何かを作る人間は酒を飲まない人が多いなと今更思う。飲まないほうが絶対に夜が長いし、実質。でも帰り際に立ち寄ったコンビニで気づいたら焼酎ハイボールの500ml缶とかを購入している。酷い日はそういうものを2本買ったうえ、つまみとしてデカいポテトチップスやポップコーンの袋を手にしており始末に負えない。最近は小さいカバンで出かけているので、そんな荷物は絶対に入らないのに。裸でお菓子と酒を持ち歩く街のご陽気者と化している。今すれ違った人は翌日ネタにするんだろうな、と思う。思った後で、いやこんなこと話題にすらできんわと思ってかえって落ち込む。認識されてるかすら怪しい他人のエピソードトークに採用されなかったことに落ち込んでいるらしい。本当に自分はキリがないなと思う。
てか袋を買うことだってできるのに、そういう日に限って必ずレジ袋を断っている。そういえば最近割と袋を断らなくなってきた。絶対にゴミの日とかキッチン周りとかでまた使うんだし、それの単価が3円とかなら別にいいや、となってきたので。でも酒を飲むような日は罪悪感が膨らんでいるのでそういう倹約で自分を黙らせようとする。矮小。
百年の恋なんてこういう部分を見られたくらいで容易に冷める。僕の一世一代の恋なんてむき出しのポップコーンで弾ける。こう書けば幾分ぽっぷになるのではないか。生きたら生きただけ過ちが増えていく。