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お茶のコトマガジン

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石川県白山市(旧松任)で茶の湯体験、茶の湯ゼミ、茶書研究をしている和雪庵の記録やメモなどです。
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2024年6月の記事一覧

水無月(和菓子)

今日、6月30日は今年の半分が過ぎる日なので、半年分のいろんな穢れを払う行事である夏越の祓が全国の社で行われたと思います。そして、そんな日には和菓子の「水無月」を食べたくなるのです。そう、三角形の外郎の上に小豆が散っているお菓子です。 「水無月」の由来については様々なWebサイトで説明されていますのでここでは割愛しますが、資料として、京都の和菓子屋「三条若狭屋」の主人だった藤本如泉の書いた書物にこのような記載があります。 "こじつけて"という言葉はなかなか厳しいですが、「

相伝の茶会

昨日、茶道教室に通う方への相伝の茶会を開催しました。稽古の一環でしたので道具は手持ちのもので設え、濃茶と薄茶、そして点心(弁当)を楽しみました。 寄付:白湯のかわりにブドウのシロップを冷水で溶いたものをいただきながら、茶会の次第を説明しました。濃茶・薄茶・点心の流れです。 濃茶:席入のあと、お菓子を出して濃茶。お一人分を点てるのは難しいですね。 薄茶:青磁の平茶碗を使いました。お客様が、手に持ったときにいつもの茶碗とは異なる感じを「たよりない」と表現されたことが印象に残

六月は甘味の月

毎年、六月という月はなんとなく「地味」に感じます。連休はないし、今年の半分を消費してしまうのが見えてくるし。でも実は六月は甘味に関連する行事が多い月なんです。 6月1日:氷室開 6月16日:嘉祥(嘉定) 6月30日:夏越の祓 6月1日:氷室開 正しくは旧暦なので今月1日ではないのですが…。江戸時代以降、この日に氷餅を食べる風習がありました。氷餅は餅を水に浸したあと冷たい空気(寒風)にさらして乾燥させます。そのため、東北地方や信州など冬の寒さが厳しく寒暖差のあるところ

立夏に風炉を準備する

今年の立夏は5月5日。連休はあと少しで終了というタイミング。この時期の茶室は忙しいのです。昨年の立冬に合わせて開いた炉を片付け、夏の風炉に替えます。 炉から灰をあげて、一先ず容器にまとめておきます。灰は夏になったら洗って干すのですが、それはまだ先の話。 風炉は灰型に押すので、ちょっと大変。まだまだの出来具合…。 炉から風炉に替わると、他の道具も替わります。菓子器は漆器から陶器へ、そして香合、柄杓、炭まで。茶碗は真夏になれば平茶碗ですが、今はまだ季節にあった絵柄にする程度です。