将来の夢がまだない子供へ②〜大学は行き先の決まっていない空港のようなもの
前回の記事に関連して、将来の目標がはっきりしない子供の、大学の学部選びについて考えてみたいと思います。
※理系には当てはまらないかもしれません。
息子が通っていた中高一貫もそうでしたが、将来なりたい職業を意識させ、その先に目標とする大学を決めたり、学部を決めたりする進路指導を行なっていることが多いと思います。
私もそれは理想だと思います。
しかし、全員が全員、理想通りに行くものではありません。
小さい時の習い事などは…
私自身、息子が小さい時から、いろいろなことに興味を持って欲しいと思い、少ないながらもさまざまなジャンルの習い事やイベントに参加してきました。
塾以外では、親子スイミングやスイミング、リトミック、英会話、サッカー、スポーツ教室、将棋、テニス、科学館のイベント、美術館や博物館、JAXAのイベントetc
細かいものまであげたらキリがありません。
それでも、熱中するほどはまり込むようなものはあまりありませんでした。それぞれを楽しんではいましたが、それぞれ何年も続いたものはありません。
(私は、子供の習い事は、興味を持ったらなるべくやらせてあげるけれど、辞めたくなった時に、無理強いしてまで続けさせない、と考えていたため。)
強い希望があったのは大学名だけ
そんなふうで、大学の学部選びも非常にふんわりとしていました。しかしなぜか、この大学に行きたい、という、大学名だけは、割と早い時期から口にしていました。
それが早稲田大学です。
おそらく、主人の学生時代の話を聞いて興味を持ったのだと思います。
問題は、何の勉強をしたいの?ということでした。
私自身が高校生の時は、勉強したいことがはっきりしていたので、有名大学でも、自分が勉強したい分野に強くなければ却下するという徹底ぶりでした。
(ただし、仕事と結びつく学部ではありませんでした。)
ですから、息子の、とにかく早稲田、という考えにはモヤモヤし、顔が曇ってしまいました。
大学名から決める受験もありかも
息子には率直に意見を述べました。
もしも早稲田に入れたとして、まったく興味のない勉強にやる気が出るのか?
大学は専門的に学ぶことがところだから、まったく興味がないとつらいだけになるのではないか?
自分がやりたいこと、少しでも興味が持てるもの勉強するために大学や学部を選ぶべきではないのか?
主人も実は息子と同じ考えで、大学名から入ってもありじゃないの?という考えです。
憧れの大学に入ることで、入ってからの意欲も違うし、なによりも、18や19ではっきり将来のことを思い描けという方が無理な話、自分もそうだった、と言います。
そこで私は考えてみました。
たしかに、私はこだわって学部選びをした割には、入ってから、思い描いていた大学の勉強とは違い、親に申し訳ないほど勉強しなくなりました。
そして、職業も、今趣味としてしていることも、全てが大学で学んだことと全く異なることをしている現実。
もしかしたら、主人や息子の考えもありなのかも…と。
実際入学したら…
浪人という期間はかかりましたが、初志貫徹、早稲田に合格した息子、先週から授業が始まりました。
将来を見据えた学部選びではないとは言え、それでも5学部受験した中ではちゃんと希望順位はありました。
残念ながら第一希望の学部には合格できませんでしたが…大学の授業は、楽しいと感じているようです。
先生の話は息子好みのブラックユーモアもあり、また求められるレベルが高く、やはり「あの」難しい入試は必要だったんだと実感したとのこと。
大学は行き先のない空港のようなもの
あるママ友いわく、
「大学は行き先のない空港のようなもの」
聞いた時、うまいこと言うなと感心したものです。
中高時代にこうなりたいと描いた夢を実現できればそれに越したことはありません。
でもそれが見えない時、学部選びは柔軟に選択していくこともじゅうぶんにありなのではないでしょうか。
彼らは若いのです。方向転換だって恐れることはないと思うのです。
おまけがついてきた
話し合った末に息子の考えに理解を示したことで、おまけがついてきた。
自分の考えを親が理解してくれた、受け入れてくれたという信頼関係という名のおまけが。
(と、母は勝手に思っている…)
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