【#Real Voice 2024】 「約束」 新4年・永戸彩花
「マネージャーとしての自分に誇りを持つこと。」
これが、残された1年で達成しなければいけない私の個人ミッション。
中3、冬。
極寒の階段でこんな会話をしたのを何故か鮮明に覚えている。
「永戸は高校でサッカー部のマネージャーとかしないの?」
「いやー、絶対ないね」
サッカーは、Jリーグは、大好きだった。
大げさでもなく、私の生きる活力だった。
それでも、マネージャーなんてありえないとさえ思っていた。
理由、強烈な偏見と嫌悪感があったから。
「かわいい子がちやほやされるためにある役職」
と。
こんなことを書くと怒られてしまいそうだし、
嫉妬と言われればそれまでだけど
世間の創り上げたマネージャー像に大きな影響を受け、
少なくとも、サッカーに真摯に向き合う役職であるとはとても思えなかった。
自分とは真逆。関わることのない世界だと。
深く考えることもなく選択肢にすら入っていなかった。
人生何があるのか分からない
高校入学。
中学生の自分でも知っていた名将が自分の高校にいて担任になった。
長くなるので省略するが、この縁から色んな偶然と奇跡が重なって何故かあれほど毛嫌いしていたマネージャー人生が始まった。
入部を決めた時、自分に課した約束は一つ。
「自分が創り上げたマネージャー像を自分で壊すこと」
あれほど毛嫌いしていた役職を選択した自分を納得させるために、
夢を叶えるための手段としてだけでなく、この役職を少しでも誇りに思えるようになろう、と。
高校3年間、自分が創り上げたマネージャー像に一人で勝手に苦しみ続けた。
人としての在り方、振る舞い、コミュニケーションの取り方、仕事の質、、
部活に生活の全てを捧げ、思考と行動を反復し続け必死にもがいた3年間は本当に難しかった。
これだ、という永戸彩花のマネージャー像を構築することもできなかった。
それでも、全てを出しきることができたから後悔は残らなかったし、
マネージャーになって良かったなあと思わせてくれる瞬間に多く立ち会わせてもらうことができた。
果たすことができなかった自分との約束は、新たなステージでの4年間に託した。
夢を追い、世界で一番来たかったア式に来た。
時は経ち、マネージャー7年目。
美容室に行くと頭皮の焼け具合を見て外で何かされてるんですかー?と聞かれることが多い。
私は一瞬黙って、サッカーやってるんです、とサッカー選手の人格を憑依して会話を始める。
しょうもないことかもしれないけど、これが現実なんだと思う。
マネージャーという役割への誇りなど、微塵も持ち合わせられていない。
「ア式蹴球部のマネージャー」に抱いた幻想と現実のギャップ。
この違和感を忘れずに、自分なりの正解を求めてこの3年間進んできた。
手を抜いてきたことはないと自信を持って言える。
ただ、
「仕事をする能力」だったりは確かな成長や自信を感じることができても、
「マネージャー」としての成長なのかというと疑問符が付く。
むしろ高校時代の方がチームのためになれていたかもな、とか
ピッチ外の仕事で限界突破してしまった今年、
グラウンドの上でどれだけ貢献できただろう、とか
情けない問いが頭に浮かぶ。
こんなことを考える間に、マネージャー人生も残り1年になってしまった。
言い換えれば、自分のマネージャー像に執着できるのも、自分の約束を果たせるのも、残り1年。
もう、続きはない。
ラスト1年、
「女子マネージャー」なんていう接頭語が要らないくらい、
永戸彩花というマネージャー像を追求し、体現し、
早稲田大学ア式蹴球部のマネージャーというものを後輩たちに繋いでいく。
この姿で、
自分で創り上げたマネージャー像を自分で壊す。
憧れのア式蹴球部という組織のために、
沢山の力をくれる同期や後輩たちのために、
マネージャーとしての人生を選んだ自分のために。
泥臭く、自分らしく、ラスト1年走り切ります。
最後に、同期へ
普段あまり多くは語らないタイプかつ口下手なのでこの場を借ります。
代替わりしてからの1か月、全員が見せる一人一人の覚悟やリーダーシップ
私はまだまだみんなのことを知ってるつもりで知らないことばかりだったんだなと痛感するばかりです。
組織のためにと覚悟を決めた人、それぞれの立場で最大限の貢献をする姿を見て、上っ面の言葉ではなく本当に何度も奮い立たされました。
そして、この学年のことが大好きなみんなが好きです。
だからこそ、組織の目標だけでなく、一人一人の夢を叶える姿も見たい、そんなことも強く思っています。
1部昇格、そしてもう一度日本一を獲って、みんなと笑って引退したい。
1分1秒大切に、楽しんで、全力で、戦い抜こう。
明日の部員ブログは玲於奈(石井玲於奈・FC東京 U-18)です。
同じ商学部の彼は課題を計画的にこなすだけでなく、怠惰な我々にも共有してくれる寛大な心を持っています。学年が上がるごとに笑顔が増えていく石井くんのブログ、お楽しみに。
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