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【#Real Voice 2024】 「フィジコ」 新4年・中根大晴


1月16日、締め切り前日。木枠の窓から西武新宿線が通り過ぎるのを横目に、いつものホットを。座っているのはもちろんカウンター。

緩やかな曲調のBGMに包まれた空間で、表面のこんがり焼けたアップルパイを食べながらア式で過ごした3年間を振り返る。




2022年4月ア式蹴球部の門をたたいた。そこから始まったトレーナー人生。

みんなから慕われている江田君(江田裕基トレーナー)を見て、私もあんなトレーナーになりたいと憧れた。

江田君みたいになるために、まずは入部しなければ。しかしなかなか入部できなかった。どうして入部できないのか。ベクトルを自分に向けられなかったことも多々。あまり落ち込むことはない私だが、この期間は結構悩み、落ち込んだ。

一日がなかなか終わらない。寝ている時間が一番幸せだった。

こんな長く感じていたこの仮入部期ももう3年前の事。


2年生ではトップチームの帯同や選抜活動の参加もさせてもらえるようになった。外部のチームの練習を見学させてもらったりもした。新人戦では人生初の日本一をとった。私のフィジカルコーチとしての幅を広げてくれた秋本さん(秋本真吾スプリントコーチ)とも出会った。この年は刺激と学びを非常に多く得た1年となった。


そして昨シーズン、1つ上の学年にトレーナーがいなかったため、私が最高学年となった。1年間通してトップチームに関わらせてもらった。後期城西大の敗戦後から、連勝を重ね、1部昇格の光が見えた。今年はいけると思った。

迎えた11月16日、関東リーグ最終節。結果は1-1。1部昇格の光が消えた。私はア式に来て初めて涙を流した。もしかすると、人生で一番泣いたかもしれない。朝から晩までグラウンドにいた日も多く、ア式に自分の多くを捧げていたこの1年、たくさんのことにチャレンジした。しかし、最終的に目標には結びつかなかった。まだ甘かった。チャレンジに満足をしていた。来年は今年以上にやらなければならない。そう誓った。


年が明け、ア式蹴球部学生トレーナーとして私に残された期間はあと1年。

100周年という節目の年に達成できなかった1部昇格、日本一を成し遂げるために、サッカーの土台となるフィジカルを担う存在として、4年生として、責任と覚悟を持って、今シーズンをやり抜く。


“ア式にすべてを捧げる”

私にできることは何か。常に考え、行動に移す。


“フィジカルコーチ”

先ほど挙げたようにこれが今シーズンの私の役割。

土台作りは軸を定めそれを中心に周りを囲う。様々な材料をミックスし、どんなに大きな地震が来ても崩れない強固な石垣を築く。

“プロで活躍できるフィジカルの習得”

私が定めた軸、2025シーズンのフィジカルコンセプト。

1月14日の始動ミーティングで時間をいただきこれについて話させてもらった。

プレシーズンはきついトレーニングを行う期間であり選手にとってはとても嫌な期間。しかし、これは試合期で最高のパフォーマンスを出すためのベース作りとしてやらなくてはならないこと。

こんなことは既に選手もわかっていると思う。

そこで私は、より選手に理解し・前向きに取り組んでもらうためには、コンセプトと具体的な取り組み・指標を明確にすること、そしてそれをトレーニング実施前に説明することが重要だと思った。

これが始動日に話した理由。

口下手で話が長くなり申し訳なかったが、それでも伝えたかった。

以下が実際に取り上げた具体的な取り組み・指標。

1 “HIR(20km/h以上の割合)が10%以上の高強度の試合ができる体力ベース”

大学サッカーは強度の高さが求められる。2部で圧倒的な強度を誇り、1部のチームやJクラブに勝る強度を出す。チーム平均どのくらいの数値を指標とするかを示した。

2 “チームでのストレングストレーニングの実施”

今シーズンから新人を対象に授業期間中も練習後にストレングストレーニングを導入することにした。まずは大学で活躍できるフィジカルベースを夏までに習得してもらう。1年かけてコンセプトに近づけていく。

今まではこのアプローチができていなかったが、今シーズンはここも拘りたい。

長期休業期間中はチーム全体で行う。

正しいフォームで、より効果的に、怪我をしないために、レベルアップするために。

選手全員に指導をするためには指導者のマンパワーも必要。学生トレーナー全員が選手にアプローチできるように、私は後輩トレーナーにもアプローチしていかなければならい。時間を取ってしまうことになり申し訳ないが、チームの目標達成のために協力してほしい。

ほかにもあるが長くなってしまうため挙げるのは2つにしておく。

上記のような軸・それを囲う石垣を築くために私はアプローチしていきたい。


“主語はチーム・選手、ベクトルは自分”

これは私が常に意識していること。自分がではなく、チームが、選手が成長するために行動する。振り返るときにはまずは自分の行動から振り返り改善点を抽出する。完璧なことはほとんどない。常に新たな問題を見つけて改善策を考える。

私は、支える者として、常に支える対象を主語にすることが最も重要な事だと思っている。これが私の行動軸。







毎年のことながら、文章がまとまっていないが、これが私のラストシーズンに向けた思い。

木枠の窓と落ち着くカウンター。目の前には何も包み隠さず話せる東京のオハナ。

昨年2月に初めて行って以来、通い続けている、家のように落ち着く場所。

常連さんが来るとその人たちに自分のことを紹介してくれて、たくさん話をする。そのおかげで新たなコミュニティがたくさんできた。

いつも私のことを気にかけてくれてア式に経口補水液も送ってくれる東京のおじいちゃん、三輪(新2年・三輪一晴)が紹介していた世界を知っている教養のあるご婦人、乗り物が大好きでチェキを連写しすぎてしまう少年とパパ・ママ、絵本が好きで帰る前に毎回ハイタッチをしてくれる少女とママ、ケーキみたいなキッシュを作っちゃう海外在住経験のある奥様、私を友達だと言ってくれたお兄さん、ア式の話をして実際にア式の試合を観に来てくれた人も。

彼らみんなから私はたくさんの活力をもらった。

次は私が活力を。





次はケーブルプレスがハルクぐらい迫力のある佐久間君(佐久間真寛・藤枝東高等学校)です。
今年はATとしてア式の戦術を担う男に。
そんな佐久間だが実は股関節が非常に硬い。
今年の私のひそかな目標は佐久間を膝人間から股関節人間にすることです。
学年ミーティングでも意見を積極的に出してくれるア式思いの佐久間は今年のブログで何を書いてくれるのか、非常に楽しみです。


◇中根大晴(なかねたいせい)◇
学年:新4年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:豊田北高等学校

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