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【後編】卒業生インタビュー スキー選手(ノルディック複合)渡部暁斗さん

前編では早稲田大学在学時を振り返り、さまざまな思い出や早稲田への想いを語ってくださいました。後編では渡部さんの夢との向き合い方について教えていただきました!

▼前編はこちらから
【前編】卒業生インタビュー スキー選手(ノルディック複合)渡部暁斗さん|早稲田祭2023 (note.com)


大学で培った探求心を現在の競技活動へ

___大学での学びが、現在の競技活動にどのように活きていると感じていますか?

大学を経てという意味で言うと、スポーツをさまざまな角度から見れたことが自分の探求心をかき立ててくれたと思っています。

スポーツに関して一面的に基礎だけ学んでもダメなんだということを感じていました。特に競技に直接関係する解剖学や栄養学などはどんどん深掘りしていかないと、真理にはたどり着かないと思います。だからこそ自分の競技を通して、人間の体だったり、真理にたどり着こうという探求心と好奇心みたいなものは、大学の4年間を経たことでより高まって今に至っています。結果としてここまで長く、競技を続けてきたという感じですかね。

渡部さんの考える「夢」とは

___早稲田祭2023のキャッチコピー「ユメヒビケ」に関連して質問させていただきます。
渡部さんは学生時代どのような夢を持っていましたか?

大きな夢の1つは、世界一の選手になるということでしたね。小学生の時に卒業文集に書いたりしていて、ずっと持ち続けていた夢でもありました。

___今もその夢は変わっていないのでしょうか?

今もまだそれについて考えている、という感じですね。

世界一というのはとても抽象的で、どうなったら世界一なのかというのを考え続けなければならないと感じています。昔は漠然と、オリンピックで金メダルを取ったらとか、ワールドカップで総合優勝したらとか、具体的なものだと思って追っていた夢だったのですが、 実は、世界一というのはとても曖昧なものだと思います。
例えば、自分の競技に取り組む姿勢だったり、発言だったり、競技スタイルだったり、そういうものが評価されて周りが決めることだという気もしていて、世界一って何なんだろうという問いかけを持ち続けて今に至るという感じです。

___夢について考え続けている姿勢が印象的です。確かに夢が叶うというのはとても曖昧な事象ですよね。

おそらく、「夢とは何かを手に入れることだ」と思ってらっしゃる方が多いと思うんです。何か目標があってそれを達成して夢が叶った、みたいな。でも、そういう瞬間って実はあまりないと思います。自分自身、夢が達成されたかというのは、いまだに分からないのですが、おそらくまだ「夢を見ている途中」なんだろうなと考えています。

夢が叶ってしまったら現実になってしまうので、追い続けている時ぐらいがちょうどいいんじゃないかな、という風に今は思いますね。本当に夢を叶えたいのなら、やはりもっと現実を見ないとだめですし。 夢とはそういうものだと思います。

___夢について改めて考えさせられる素敵なお言葉をありがとうございます。

夢を持ち続ける生き方とは

___夢を追いかけ続ける中で一つひとつ小さなステップとして心がけていることはありますか?

明日、死ぬと思って生きる」ことです。明日生きられる保証って、誰にもないですよね。夢は叶わないかもしれないけれど、それに向けて今日は全力で生きようと思います。それで今日死んでしまったらそれはそれでしかたがないけれど、後悔だけはしないようにという生き方を心がけています。もちろん四六時中考えている訳ではないですが、たまに思い出すぐらいの感じです。

___渡部さんが夢を持って日々努力し続けられる原動力は何ですか?

原動力は、単純に好奇心です。 

これをやったらどうなるんだろう、というのがいつまで経ってもなくならないんです。自分が競技を極めたと思った瞬間に、その好奇心は途切れると思うのですが、 こうしたらどうだろうというのを続けているうちに可能性がどんどん広がっていくところが面白いです。好奇心のままにしらみつぶしにやっていくことがすごく楽しくて、それが原動力ではありますね。

___やりたいという好奇心を持つことが大事なのですね。

自分の競技力が落ちるというのは、失敗することだとは思っていません。 失敗しても良いから、どうなるか見てみたいという思いの方が強いかもしれません。

___競技が一旦落ち着いてからいずれやってみたいことはありますか?

2つあります。
1つは子どもたちとたくさん遊ぶことです。
やはり今離れている時間が多く、寂しい思いをさせていると思うので。自分自身も少し寂しかったりするので、一緒にたくさん遊びたいなと思っています。

もう1つは、引退したらしばらく仕事をせずに、 世界一周したいという夢があります。単純にただ世界一周するだけではなくて、競技を通してたくさんの友人が世界各国にできたので、友人たちを尋ねながら、自分の行ったことのある場所を回りたいです。
試合の時の風景と、それが一旦落ち着いてから見える風景はまた違うなと思っていて、そこが楽しみではあります。競技の道具は持たずに、家族を連れて友人を訪ねる旅行を長めにやるというのが大きな夢です。

早大生へのメッセージ

___最後に早大生へ向けてメッセージをお願いいたします!

失敗を恐れずに。今日を全力で。今生きているその瞬間というものを、全力で生きてください。

 そして夢を見続けてください。夢を達成して何かを得ようというよりは、常に夢を見続けてください。同じ夢でなくてもいいです。とにかく夢中になりましょう!

早稲田祭が盛り上がるのを楽しみにしています!

___本当に素敵なメッセージをありがとうございました!


写真提供:ファーストトラック株式会社

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渡部暁斗さん
スキー選手(ノルディック複合)。1988年長野県白馬村生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒。北野建設所属。オリンピックでは3大会連続でメダルを獲得し、2017-2018シーズンにはワールドカップ総合優勝を果たすなど、長きにわたり世界の舞台で活躍し続けている。


〈早稲田祭2023概要〉
 【名称】早稲田祭2023
 【主催】早稲田祭2023運営スタッフ
 【日時】11月4日(土)、5日(日)
 【開催場所】早稲田大学 早稲田キャンパス・戸山キャンパス・周辺地域
 【早稲田祭2023公式サイト】https://wasedasai.net/
 【公式X(旧Twitter)】@wasedasai
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