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#7【考察】企業研修講師デビュー戦の失敗から得た教訓。経験が浅いうちはメンター探しがマスト!

みなさん、こんにちは。
中小企業診断士の岩瀬敦智(いわせあつとも)です。

今回は、ここまで書いてきた岩瀬の講師デビュー戦の準備から当日までに至る動きの「しくじり」について考察する解説編です。まだ、読まれていない方は、以下の記事を読んでから、読んだ方が、より楽しんでいただけると思います。


これらの記事を踏まえた上で、以下の問いについて解答を見ていきましょう。

どのようなしくじりがあるか考えてみましょう

6つのしくじりポイント

(しくじり1)説明と講義を混同したこと

一つ目のしくじりは、引き受ける際に前職の朝礼や大学院のプレゼンテーションでの成功体験をイメージしたことです。説明と講義は全く別ものだからです。朝礼や大学院のプレゼンテーションは自らの考えを分かりやすく説明することが目的でしたが、研修は相手の理解を促し行動変容につなげる必要があります。その点で、求められるスキルは別物と考えるべきでした。

(しくじり2)教授にこまめに連絡をしなかったこと

多くの方が感じたと思いますが、教授にこまめに連絡をしなかったこともしくじりです。教授からもっと声掛けがあってもよかったのでは、と思った方もいるかもしれませんが、基本的に教授のスタンスが標準です。なぜなら、講師として登壇する以上はそのスピーカーの持ち時間であり、他の人が事細かに助言をしてスピーカーの組み立てを壊してしまうとかえって逆効果になるからです。プロ同士の暗黙の了解ともいえます。だからこそ、組み立てをする段階で、自信がないことを表明し、助けを求めるべきだったのです。

(しくじり3)人事担当者が考えるゴールを把握しようとしなかったこと

これは、記事からは読み取りにくかった部分かと思いますが、自分の持ち時間の内容に対して、先方の人事担当者が何をゴールに求めているかを把握しようとしませんでした。前述のしくじり1でも述べたように、基本的に研修は相手の理解を促し行動変容につなげることが求められます。ただ、受講者が置かれている状況によって、「まずは知識の全体像を捉えてほしい」「現場での活用イメージを掴ませてほしい」などゴールが変わってきます。その点を把握していれば、もっと迅速により有効なコンテンツ作成が可能になったはずです。また、結果的に把握できなくても、動こうとした姿勢が人事担当者に伝われば、若干ではあるものの研修当日の評価が変わった可能性があります。

(しじくり4)プレゼンテーションの練習の視点が欠けていたこと

準備期間は一定程度あったにも関わらず、プレゼンテーションの練習の視点が欠けていました。ここでいうプレゼンテーションとは、話し方、立ち振る舞い、表情などです。多くの人がご存知のように、相手に伝わるかどうかは、「コンテンツ×プレゼンテーション」です。いくらコンテンツが100%でも、肝心のプレゼンテーションが30%では、結局30%しか伝わりません。コンテンツの完成度を80%から100%にしたり、コンテンツ内容を覚えたりするよりも、プレゼンテーションを磨くことに時間を使っていれば結果は変わったかもしれません。

(しくじり5)リハーサルを一人でおこなったこと

リハーサルを一人でおこなったために、フィードバックを受けられなかったことも失敗要因です。リハーサルは人前でおこない、フィードバックを受けるべきでした。フィードバックから修正点が見えてくることはもちろん、人前で話すと相手の反応が見えるため、自分ひとりで組み立てた流れが伝わるかどうか、短調で退屈な内容になっていないかどうかなどを肌で感じることができたはずです。

(しじくり6)経験が浅いのに自分の力量に見合わない大きな仕事を引き受けたこと

経験が浅いうちに大きな仕事を引き受けると、それをものにして飛躍できる上振れリスクと、失敗して自信を失う下振れリスクがあります。これは賛否が分かれるところですが、私自身の経験や、他の診断士の方の経験を踏まえると、下振れリスクの方が大きいように思います。実際に、経験が浅いうちにハードルが高い企業研修の仕事を引き受けて上手くいかず、その後、講師業から撤退した人が相当な割合いました

なぜ、経験が浅い企業研修講師にはメンターの存在がマストなのか

 ここまで解説した6つが現在の私から見た当時の自分自身のしくじりです。

現在の自分から振り返ったしくじりポイント

いかがでしたでしょうか。もしかしたら、もっと他のしくじりポイントを見つけた人もいらっしゃるかもしれませんし、全ての当たり前のことじゃないかと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

大切なことは、当時の自分自身にこれらのしくじりに気づく機会があったかどうかです。中には気づけたしくじりもあったかもしれませんが、経験が浅い場合、自分では気づけない失敗要因が多数を占めます。

だからこそ、経験が浅いうちは客観的に自分の力量を俯瞰し、助言してれくれるメンターの存在が不可欠なのです。

私の場合は、幸運にも、早稲田出版代表取締役の山口先生や、今回の企業研修の機会を与えてくださった教授が、この残念な企業研修講師デビュー戦の後にメンターになってくださいました。

ぜひ、これから企業研修に本格的に進出しようと考えている方は、メンターを探すことが、遠回りのようで実は、企業研修講師として成功を掴む最短ルートになる可能性が高いと思います。

ちなみに私が考えるメンターの条件として、①企業研修講師の経験が豊富であること、②コンテンツやプレゼンテーションのスキルを言語化して説明できること、③親身になってくれること、が挙げられます。

ぜひ、メンター探しの参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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