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制作部週間04を終えて〜その1

こんばんは。どらま館制作部のにいづまです。こちらの記事では、1月に行われた制作部週間の中の『どらま館読書会』『本気の広報ワークショップ』について振り返ります。

どらま館読書会

コースマイヤーの『美学:ジェンダーの視点から』を読みました。私は、趣味のクラシックバレエの振付家がほとんど男性であること、ゲイの人が多いことに興味があり、参加しました。

最初にどらま館読書会の運営方法についての説明があります。その後、興味を持った理由を共有し、序章を読み進めました。

序章では導入としてジェンダーの視点から美学を論じる上での前提などについて書かれていますが、その中でも、私はこれからたくさん出てくるであろう「ジェンダー化」という言葉がよくわかりませんでした。主催者の浜田さん含め参加者の皆さんに、「ここにはこう書いてあった」などと教えてもらいながらゆっくり理解していきました。

どらま館読書会は、専門書を読むことに不安がある人でも全く問題ありません。私は、以前の読書会で、大学の授業で使われていた教科書を読んだことがありました。一人で読んだ際は、うまく言語化できない疑問点などが、参加者の方と話す中で明確になるなど、一人で読む時とは違った世界を体験できるような感覚になりました。気になっている本があったらぜひ参加してみてください。

企画者の浜田さんからのコメントです。

どらま館読書会は読みたい本を読みたい人で集まって読んでいます。今回扱った本はコースマイヤーの『美学:ジェンダーの視点から』です。初回のため本の概要と照らして各自の関心などを伺いました。次回から実際に読み始めます。
「美学」という名前からなにか説教臭いイメージを抱く方もいるかもしれませんが、「美や芸術にまつわるものの考えかた(のいろいろ)」とひとまず考えていただくとわかりやすいかもしれません。そしてそれが、セックスやジェンダーと密接に関係しているだろうということは想像に難くないでしょう。運動を盛り上げたり、鬱憤をすぐに晴らしてくれるようなタイプのテキストではありませんが、「芸術」と「ジェンダー」にまつわる基礎知識を整理・発展させてくれるような内容です。これからゆっくり味わっていきたいです。(浜田)

学生演劇サークルのための『本気の広報ワークショップ』

次に「本気の広報ワークショップ」について振り返ります。講師には、フリーの制作として活躍する黒澤たけるさんをお招きしました。定員が7人という少ない人数ならではの、密度の高い充実した3時間のワークショップになりました。

広報WS 写真

まずは、制作とはどのような仕事なのかという説明を受けた後、自分が好きなものの広報について調べて紹介するというワークを行いました。近くのケーキ屋やバナナマンのライブなどさまざまな分野の広報について発表する中でそれぞれの広報戦略にどのような狙いがあったのかを考察しました。

考察した中で「回転率と価格のバランス」「場所の求心力」「中の人のプライベートを透かす」などの広報・マーケティング戦略が出てきました。学生演劇にも活かせるアイディアが多く、参加者の発表を聴きながら、次の公演にどのように活かそうかと頭の中で考えるのが楽しかったです。演劇公演の広報だけでなく、他分野の広報にも目を向ける重要性を実感しました。

そして、ペアを作り、それぞれが持ち寄った企画書について、講義を生かしながらアイディアを出し合いました。事前に様々な分野の広報戦略を学んでいたため、初対面ではありながら、時間が足りなくなるほど白熱したセッションになりました。

「学生演劇の広報は自分が思っていたよりも幅があって楽しい」というのが私が終わってから持った感想です。演劇の広報だけでなくさまざまな分野の広報戦略を知って、これからの制作に活かしていきたいと思います。

講師の黒澤さんと、参加者の横山智咲さんから感想をいただいたので紹介します。

黒澤たけるさん

学生たちが何故この時代に演劇を選んでいるんだろうと不思議だったのですが、皆さんの興味のある物事を聞いているうちに様々な理由で演劇を選びとっているのが分かり、ちゃんと能動的に生きているなあと感心しました。
自分達が選び取っている商品や作品は誰かの戦略の上で選ばされているかもしれなくて、そこに意識を向けて生活をすることが演劇の広報も例外じゃないこと、その上で閉鎖的になってしまいがちな演劇をどうやって社会に接続させていくか、様々な事例を通じて皆さんと考えていきました。
初めてのワークショップに反省も多々あります。また機会があったら、もう少し上手にやってみたいです。素敵な時間をありがとうございました。

横山智咲さん

制作のワークショップということで少し堅いのかと勝手に思っていたのですが、好きなものや気になるものなどから資本主義との折り合いの付け方や戦略などを考えるという作業はとても身近で楽しかったです。黒澤さんの知識の幅の広さに驚かされると同時に、日常の中で好奇心を持つことが黒澤さんの制作のお仕事に繋がっているんだろうなと感じました。正直、最近、制作の仕事は大変だなと関わる中で感じていたり、演劇は不要不急なのでは、需要なんかないのでは、など後ろ向きに考えていたりした部分があったのですが、そういう気持ちがワークショップを通して少し前向きになったと思います。制作に関しては、色々な方法があるけれど、一番大事なところは作品の魅力や、やりたいことを理解して、本気度を見せながらそれを届けていくことなのだなと思い、制作の仕事も魅力的だなと改めて思いました。制作に大事な考え方や物の見方を知ることができると同時に、演劇や制作について考え直すことができる良い機会でした。ありがとうございました。

企画者として、講師の黒澤さんが持ってきてくださる情報と参加者が聞きたいことがマッチするかが、私の中の一つのミッションでした。お二人のコメントや、講義中に参加者の皆さんが熱心にメモを取る姿を見て、WSを開催できて良かったと心から思いました。

次は、「うらかたり」「稽古場の再演」について振り返ります。お楽しみに!!



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