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【レビュー】スーパーマリオRPGリメイク


はじめに

このゲームは1996年3月9日に発売されたスーパーマリオRPGのリメイク。
始めにリメイクを聞いた時には、「任天堂、ついに攻めたな?!」だった。

というのも、最近の任天堂の「ピクミン4」「スプラトゥーン3」など……少し言い方は悪いが、耳に入る評判が迷走しているナンバリングタイトルが多く、安定しているのは「これぞ任天堂」という「ポケットモンスターSV」や「ゼルダの伝説シリーズ」だと私は思っていた。
なんならばポケットモンスターに至っては、SVこそそこそこの成功しているが、ダイアモンドパールは大失敗に終わっているのであり、SwitchにSteamゲームを輸入し、インディーズにも力を入れている事からも「任天堂自体はどこに行こうとしているんだろう……?」と思っていた所だった。

そんな中に現れた『20年ごしのフルリメイクタイトル』。
幼いころに遊んだ神ゲーが、フルリメイクされるのは正直不安だった。
しかし、プレイしてみた所、私の脳内は「やっぱ任天堂は最高だぜ!!」と手のひらを無事返したのだった。

何が最高だったの?

リメイクの物の見方によると思うが、当時リアタイでプレイした私からすれば「ほとんど変わっていないことが最高だった」という感想に至る。
全てがしっかりと現代の技術に置き換えられている中、根本的なシステムやマップ移動、会話……そのほとんどは変更が無かった。
面白かったのは、現在のピーチと過去のピーチの印象がかなり変わっている事に気が付かされた事だった。
台詞が変わっていないが故に、過去の流行がそのまま台詞に乗せられている部分が多々あり、現在のピーチ姫よりもかなりキャピキャピした昔ながらの「おてんば姫」の姿が見られた。
今もピーチはおてんばだろ!となるかと思うが、その「昔のおてんば」はかなり味わいが違う。平成初期のピーチって、こうだったか……。

戦闘について

戦闘はかなり難易度が低くなった。
SFC時代は多くのゲームが「クリアできないならさせなくてトーゼン」のような風潮があったが(もちろん容量の関係もあっただろう)、誰でもクリア出来るラフな作りになっている。
といっても一部の「隠し要素」では苦戦を強いられたし、その分、SFC時代これをどうクリアしたっけ?と思わせるようなものもあった。
ただ、フルリメイクがあまりにも過去に忠実なために、『ピーチ最強!ピーチ最強!!』の流れもほとんど変わっていない。
強いていうならクッパやマロの使い勝手が良くなっており、「いれかえ」によって全員が平等に活躍出来るゲームになったといえよう。
だが敢えていおう。最強はピーチであると。

ストーリー(本編)について

まさにここは一切変わっておらず、これが「任天堂最大の責め」と言える部分である。
一部の重要なシーンはフルムービーになっており、それもそれでまた昔プレイした人間の記憶を掻き立てる作りだった。
最序盤で例を挙げると、マロが仲間になるシーン。
SFC版ではドットが滑らかに動きどういう状況なのか、その時点で分かりやすかったのだが、今作では逆にムービーに力を入れたカメラワークをした事少々状況が分かりにくい。
しかし、この事で脳裏によみがえるのは「本当はどういう動きをしていたか分かるSFC版のムービー」だった。
これをメリットとするとリメイクから入った人には「なんのこっちゃ」となってしまうのが問題点だが、懐古厨なので許して欲しい。
そういう意味ではリメイク前のムービー再現ムービーも欲しかったが……まぁ贅沢は言うまい。

BGMについて

これについては「ネタバレすんな!」とは怒られない域だと信じるので述べてしまうが、ゲーム中にSFC版とSwitch版のBGMを並べて聞ける機能がある。
ニコニコ動画を見ていたら誰もが解るVIP先生こと「森のキノコにご用心」なども聴き比べが出来てしまうのだ。
Switch版で豪勢になったオーケストラBGMでは味わえない、bitの限られたBGM。聞き比べてみると、随分と違う。
しかしSFCでやりたかったはずの音楽がそこには再現されており、その原本ともいえるSFCのBGMを聞く事も出来る。
これは最高に熱かった。
スーパーマリオRPGがSFCで出ていて良かった。
そう想えるような古めかしさへの愛情と、その成長し変化したBGMへの思い。
それらが両方味わえる良い昨日だった。
ちなみに私はブッキー関係のBGMが好きである。


最後に

今回のフルリメイクスーパーマリオRPGだが、買って損をするゲームではないと思う。
今作から入るという人によってはボリュームに物足らなさを感じるかもしれないが、それが不安な場合はセールを待ったりニンテンドーオンラインのチケット購入をすれば損をする値段でもないはずだ。
任天堂がマリオというキャラクターにかける愛は、映画なども含めてとても深い。
そのマリオ愛を存分に感じ取るにはとても良い作品だ。
みんなもヒゲのおじさんを愛でよう!

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