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布であることに変わりない

koginabnkの投稿が珍しく沢山の人に見てもらえて、こっそり喜んでいる。

昨年末、日本民藝館展への出品を目指して作家さんに作ってもらった。
サイズは畳1枚程。総刺しのこぎん刺し。

織物のようだと褒められるのは、ちょっと心境が複雑。針を片手に1目1目模様を作ってきた。だから織物と一緒にされては困る。でも、布であることに変わりはない。

こぎん刺しが、何かの製品として世に流通したら、ライバルはこぎん刺しだけではない。織物も、型染めもハイテックな素材、革とも競い合うことになる。こぎん刺しが選ばれる魅力や特徴はなんだろう?歴史や文化は魅力に奥行きを持たせる要素でしかない。そんなことを使いながら探求したくてつくってもらった逸品。

しかし、とんでもないクレイジーなことを作家さんにお願いしてしまいました。こちらで指定したのは材料とサイズだけ。図案からここまでの制作を引き受けてくれる作家さんの存在はとても希少。ここに命を費やしてもらった分、私はそれ以上にこの作品の魅力を引き出していかなくてはいけない。この撮影はまだ序の口。

本藍染めとコットンのコントラストの柔らかな気品には、見ている者の背筋をただすような。今はどんな様にも魅了されている。布は平面に出来上がるが立体になる。せっかく創った模様がちゃんと見えないと勿体ない?そんなけち臭いこと言うなかれ。ドレープで平面にはない表情が見えてくる。リバーシブルを使って不思議なコントラストが生まれる。とても豊かに演出してくれること、どうして誰にも気づかれなかったんだろう。


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