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子供の病と向き合う Part2

小学1年生の一人息子を育てる母の徒然日記です。息子は昨年夏に限局性強皮症という免疫不全の病を患っていることが分かり、毎月3日間の入院治療で関節リウマチの治療に使われている「アクテムラ」という生物学的製剤を投与してきました。今年3月に行った経過観察のMRIでは残念ながら病が更に進行していることが分かり、治療方針が変更されることになりました。そして6月から、全国で3例目という新しい治療対象患者になりました。

通院治療のメリット

東大病院で半年間続いた毎月の入院治療にやっと慣れてきたところで急な方針変更となり少し戸惑いましたが、新しい治療方法でどうにか病の進行が止まり、内服している相当量のステロイド剤が減らせることをただただ祈るばかりです。病の進行が進んでしまったことで、4mg/日まで減ったステロイドの服用量がが11mg/日まで増えることになってガックリしてしまいましたが、医療費の負担面では良いこともありました。

これまで県外の病院で受診した医療費は一旦3割負担を行い、その領収書を添付して市役所で医療費の助成申請を行ってきました。通常は申請してから3ヶ月程度で指定口座へ振り込まれるのですが、入院治療の場合の領収書となるとスムーズにはいきません。加入している健康保険協会から「高額医療費に該当しない」という証明書の提出が併せて必要となり、その証明書の発行には3-4ヶ月の日数がかかるため、最終的に医療費が払い戻されるまでに6-7か月も待たなければなりませんでした。

息子の場合、3日間入院の負担額は毎回約5万円、検査で入院が1週間になると10万円、2週間入院した時は20万円近くの医療費を支払いました。入院中は私も24時間付添いをしていたので、その間は働くこともできず、寝具のレンタル代に3度の食費もかかりました。予想以上の持ち出しが必要だったので、入院治療から外来通院に変わったことによって、窓口での負担額が大幅に減ったのは大きなメリットでした。

がんばっていること

新しい治療では、小児の乾癬(かんせん)という難病治療に使う「コセンテイクス」というお薬を皮下注射で投与していきます。はじめは5週間続けて投与し、その後は4週間に一度の間隔で投与します。初回は主治医の先生に注射してもらいましたが、2回目からは先生の前で私が見習い看護師のようになって、息子のお腹の脂肪をつまんでブスっとさしていきます。

注射する15分前に冷蔵庫から取出して室温に戻す。

お薬の説明書には「針が細い」と書かれていますが、普通の縫い針ぐらいある針なので決して細くはありません。そして、皮膚に刺すと冗談じゃなくて「ブスっ」と音がします。針を入れる角度が悪い時は「ブスっ」と音もしないし、なかなか刺さらないので焦ります。なんとか上手く刺せたら、そこからがまた一勝負。少しずつ指で注射器を押しながらお薬を入れていくのですが、この時間が意外に長くて、何とか耐えている息子は本当に立派です。「お母さんに任せておけば大丈夫!」なんて大見得切っても、内心はハラハラなので、毎回終わると緊張がどどっと抜けて疲れ果ててしまいます。

がんばらなくてもいいこと

毎朝、重いランドセルを背負って片道25分の道のりを登校しています。私もキャップを目深に被ってノーメークにマスク姿で息子に付添い、毎朝欠かすことなく一緒に学校の門をくぐるまで見届けています!過保護かもしれませんが、重いランドセルに加えて水筒を下げ、学童用の勉強道具が入った手提げも別に持たせて登校させるだけで疲れさせてしまうのも可哀想なので、時折途中までママチャリに乗せたり、悪天候の日は学校近くまで車で送って行ったりして、適当に力を抜きながらやり過ごしています。治療においては何としても頑張ってもらわねばならず、泣こうが喚こうが容赦はできませんので、無理しなくてもいいところは大目にみています。

これからのこと

半年後にまたMRI検査をして病変の経過観察をします。この治療法が上手くいかなかった場合、次に打つ手がないのでどうなってしまうのか不安は尽きません。もともと「アクテムラ」の投与が始まったときに、少なくとも小学校高学年までは入院治療が続きますと言われて覚悟したので、まだ治療は始まったばかりと思って、「いま」を楽しく幸せに過ごすために、あまり先のことは深く考えないようにしています。ちょっと先の楽しみなことを考えながら毎日平穏に過ごしていけたら、それはとても幸せなことだと思います。

息子の病と向き合う逞しい同志たち!!

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