ピンチはチャンス!人生に無駄なことなどひとつもない。
「東京オリンピックは夢物語に終わっていいのだろうか?」という前回の記事では、たとえ開催が叶わなかったとしても・・・という否定的な結果を想定して、感情的な締め方になってしまった。未来を悲観視していては建設的な考えは生まれない。開催が難しい現状でも、なんとか開催するためにはどうしたらいいのか、あらゆる可能性を前向きに検討していくことで、明るい未来へ変革していけるように思う。
1.原点に戻って振り返ってみる
2013年9月7日、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、東京が2020年夏季五輪開催都市に決定した。当時、私は通訳案内士の国家資格取得を目指して勉強をする傍ら、近所の公民館で英会話サークルの講師をしていた。生徒さんは大半が敗戦からの復興を華々しくアピールした1964年の東京五輪を経験している団塊の世代で、このニュースをとても喜ばしく受け止めた。
最終プレゼンで感動的なスピーチをされた高円宮妃久子様のYouTube動画をサークルメンバー全員でうっとりしながら視聴して、記念すべき2度目の東京五輪開催の決定を祝福した。
2.自分にできることは何か?
私は念願だった通訳案内士の国家資格を得て、2014年から有償で通訳案内業を行っている。2018年には無資格でも有償で通訳案内業が行えるように法律改正されたが、通訳案内士は我が国の魅力について理解を深めてもらう「民間外交官」のような重要な役割を担っていると私は思う。その上で、滝川クリステルさんのフランス語による五輪招致の最終プレゼンで日本の強みとしてアピールされた「お・も・て・な・し」の心について再度考えてみた。「それは見返りを求めないホスピタリティの精神、それは先祖代々受け継がれながら、日本の超現代的な文化にも深く根付いています。」という日本語訳で紹介されたが、見返りを求めないという部分に少し違和感を感じた。
そもそも狭い島国の農耕民族であった日本人は、和を貴ぶことで平和を保ってきた。それは「おたがいさま」とか「おかげさまで」といった助け合いに感謝する言葉にも表れている通り、相手を自分ごとのように考えて行動する「おもてなし」の心が浸透していった。言われずとも「察する」心遣い、思いやり、これは仕事に限らず日頃から心がけていきたい振る舞いである。
3.ありのままの自分を認めよう
昨年末、千葉県八千代市のコミュニティラジオ「ふくろうエフエム」の整理収納アドバイザー Tamamiさんがパーソナリティを務める番組収録に呼んでもらい、私は「パラ大会のボランティアとして世界中からいらっしゃるゲストを笑顔でおもてなししたい!!」と意気揚々と熱い想いを語っていた。そして、同じ想いを共にする仲間と一緒に、希望に満ちた新しい年明けを迎えた。それから間もなくして延期が発表された。私はそれまでの浮ついた気持ちを封印し、私の時間はそこで止まってしまった。そこから抜け出すには、ありのままの自分と向き合う必要があった。これまで熱意を注いで挑んできた自分の行いを否定するのでなく、よくやった!と自分を認めることで次のステップに進めるように思う。人生に無駄なことなど一つもない!のだから。