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申し訳なかったと思っています。地獄

隣の揺り篭で寝ていた、俺と生まれた日がほとんど変わらない赤子とは、もう当時から迷惑を掛けた回数が圧倒的に違ったんだと思う。

たぶん、この世界は、俺が思ってるより考えなきゃいけないことが多いし、俺がそう意識する所に限ってはそんなこともないんだろうなって思う。

「死にたい」と口をついて出ても、いつもの俺みたいな無計画な死に方で頭の中が埋め尽くされる。
この窓からいっそ降りてみるもいい。もしかしたらそんな事しなくても肺が爆発して死ぬかもしれないし、目の前の猫に噛み殺されるかもしれない。

本気でも冗談でも(本気のときも大抵冗談だけど)今の状況を地獄って言ったりする。俺たちは、少なくとも俺にとっては、同じ地獄に属する死人たちでしかない。だから、俺が死んだら、別の新しい、知らない誰かの地獄に飛ばされる。それはあなたも同じ。その証明はできないし、しなければならない事もない。100パーセントその未来が待ってるという事だけがこの地獄で確かなきまりだ。あなたの地獄の状況を聞くとき、何か年に合わない大人びた綺麗さで上塗りされたその地獄は直ぐに終わりを迎えそうな気がして怖い。

申し訳なかったと思っています。全てに関して。

「後輩力が高いね」ってよく言われる。俺に後輩力がなかったら、ただ愛想のない迷惑ばかり掛ける屑でしかない。まだ愛嬌のおかげで、人に迷惑を掛けても許してもらう立場にいれる。

それがおこがましくも、俺にとっては苦痛だ。いや、地獄だ。

俺のせいで、人に気を遣わせてる、また迷惑を掛けてる。ならいっそ、人に嫌われて誰とも関わらない方がマシだって思うときもある(現実的には、俺にはそんな勇気もないが)常に依存できる誰かがいないと不安だし、人と関わろうとする事は俺にとって生きようとする事のはずなのに、なぜ人と関わるたび自分に「死にたい」って言わせるのか、自分でも分からない。自分でも分からない話を相談して来るなって言われたりとか、迷惑なんかじゃないよって嘘をつかれたりとか、俺は被害者みたいに辛いと思ってしまうけど、いや、思ってしまうので、申し訳なかったと思っています。

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