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【場面緘黙症】病院に行くまで(小学校入学を嫌がる)


小学校入学の半年以上前から入学を嫌がる

これから始まる小学校生活を楽しんでもらおうと、「小学校、ママもパパも楽しかったよ」「カレーが給食で出たら嬉しかった!余りのデザートも早い者勝ちでね」等と素朴ですがポジティブな声かけを入学の半年以上前からしていました。

息子はそう言った声かけに全て「小学生なんかになりたくない」と返していました。環境が変わることがただ恐怖だったのだと思います。

ランドセル購入の日も、やっつけ仕事のようにランドセルを選び、試しに背負って写真を撮る際も、目に輝きは一切ありませんでした。

本人なりの気持ちの準備

入学式が近づくにつれて、恐怖心は益々募っていきました。
私たち両親は、息子の不安を軽んじるようなことはせず、気持ちに寄り添いつつ、親の期待が負担にならないように日々気をつけていました。

また、恐怖心が少しでも減るようにと、小学校で使う筆箱やえんぴつ等を家族で買い行き、息子が気に入ったものを「すごく素敵だね」「使うのが楽しみだね」と盛りあげたり、通学路を一緒に往復して通学の練習をしたり、学校の中を少し覗いて学校生活について話したりといったことをしました。
けれども、相変わらず小学校を楽しみにする素振りは見られませんでした。

一方で、新しく買った文房具に 自分から進んで丁寧に名前シールを貼ったり、ランドセルに入れて登校の準備をしたりと、本人なりに恐怖に立ち向かう準備を少しずつしているようにも見えました。

入学式の朝

入学式の朝、従兄弟からもらったスーツを出し着替えを試みました。
息子は感覚過敏もあるのか、いつもと違う服を着ることを非常に嫌がる(というかいつもと同じ服しか着ない)ことはわかっていたため、そのスーツをなんとか着てもらおうと、入学式の日に着ることについて事前に何度も説明はしていました。

しかし、事前説明も虚しくスーツの着用は拒否されました。そして、やはり式に出席することを絶望的に嫌がっていました。

それでもなんとか励まし説得し、渋る息子にシャツとネクタイ飾りは身につけさせました。スーツのパンツとジャケット・革靴は断固拒否されたため、普段着のズボンにスニーカーを履いて家を出ました。
シャツの裾をズボンの中にしまうことも許されず、裾は出たままでした。

また、着替え等で揉め出発が大いに遅れたため、家を出た時にはすでに式開始の10分前でした。

出たくもなかった入学式

集合時間より15分ほど遅れて学校に到着。既に体育館で全員着席している中、裏口からこっそり入ってなんとか息子と両親は離れて着席しました。

式の最中、息子は大人しくしていましたが
実際のところ、もちろん息子は納得などしていませんでした。

式が終わり、にこやかに手を振りつつきれいに列を作って退場する新一年生の列になんとか並んで息子は退場しました。
退場中、息子は目に涙を溜め、1人地団駄を踏み激しく怒っていました。

会場の外で息子と落ち合うと、息子はシャツとネクタイをすぐに身体からむしり取るように脱ぎ捨てました。
激しい怒りと恐怖で、息子は泣いていました。
「入学式」の看板前での写真も息子の怒りのために叶わず、足早に帰宅しました。

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