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ハーフウェイラインの向こう側

もう年が暮れようって時に、悲しい知らせが届いた。

贔屓するJリーグのチームから、
推しNo.1、No.2の選手がこぞって移籍するというのだ。
(しかも、二人して同じチームに!)


彼らは、このチームが好きで、入団を決めてくれた。
いわいる、相思相愛っていうやつだ。

学生の頃から、
チーム愛を公言してくれた。

試合で、その気持ちを最大限見せてくれた。


でも。

出場機会が恵まれなかった。
今のチームの戦術や布陣が合わなかった。
試合で負傷して、リハビリの時間が長かった。

数字だけで見ると、強烈なインパクトを残すことが出来なかった。


推しだから、ゲットした得点シーンは全部覚えている。

二人ともシュートを決めた時は、
その苦労が報われるような、劇的ゴールが多かった。



数字に表れないプレーでも、チームを鼓舞した。

途中出場で、ゲームの流れを変える推進力のあるプレーが、
今でも目に焼き付いている。


だからこそ結果が伴わなくても、
フィールドで与えられた、彼らの限られた時間。
激しく沸きあがるその一挙手一投足が、見たかった。

その姿勢と気迫だけで、ずっと推しだった。


裏切られた感覚は、少しある。


しかし、
彼らはれっきとしたフットボーラーであり、そして個人事業主。

どれだけスーパーサブでも、
控え選手は控え選手。
下手すりゃ、宝の持ち腐れにもなる。


チームが好きなことと、
プレーヤーとして飛躍することは、次元の違う話。


より自分が輝ける場所へ。

彼らが理想とするサッカーを求めることは、
その立場からすると当然の決断でもあったかもしれない。

”おっかけ”として、二人の選択を尊重したい。


彼らとの蜜月の時間は、幕を閉じた。

来シーズン、
二人はハーフウェイラインを挟んだ、向こう側にいる。

背番号とネームの入ったレプリカユニフォームは、
めてたくお蔵入りとなりました。



あばよ。
達者でな。



そして来るシーズン、纏めてかかってきなさい。


でも、
律儀に恩返し弾とかは、いらへんからね。
わざわざ熨斗(のし)とかつけんで、ええからね。


外を吹く木枯らしが、余計身に染みますわ。


ご一読ありがとうございました。
今日も書けるという喜びに、感謝。

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