明日へ向かう言葉　2025.2.16

鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。 卵は世界だ。生まれようと欲するものは、 一つの世界を破壊しなければならない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヘルマン・ヘッセ（作家）

私たちは誰もが、自分だけの「殻」の中で生きている部分がある。
その殻は、日常で私たちを守り、安全な場所を提供してくれている。

しかし、真の成長のため、その殻を破ることが必要になる時がある。

殻を破るということ。
そこには確かに”恐れ””不安”が生じる。

今の自分、今の環境、今の考え方—。

それらは既に見慣れ親しんだ「世界」となっているから。

鳥の雛が、殻を破って初めて空を飛べるように、新たな可能性を見出したいのであれば、今の環境を一歩踏み出す必要がある。

殻を破ることは、必ずしも「今の自分を否定すること」ではない。
より自分らしくなるための必然的なプロセス。
雛鳥が殻の中で、十分に成長してからこそ殻を破れるように、今の自分を受け入れ、少しずつ変化していくこと。

殻を破ることへの”恐れ””不安”。
それは決して不自然なものではない。

なぜなら、まだ景色を見たことのない、未知の可能性へと飛び込むことを意味するから。
失敗するかもしれない。傷つくかもしれない。
そんな不安が押し寄せてくるのは当然のこと。

殻を破ることは、一度きりの出来事ではない。人生のあらゆる局面で、私たちは「新たな殻」に出会い、それを破っていく必要がある。

しかし、そのことこそが「その人らしさ」を形作るプロセスでの「定め」であり、それを超越した時こそ、より豊かな人生への扉を開く鍵になる。

新しい世界は、あなた、そして私を待っている。