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介護記録⑩ 大学病院って…

 臀部と脚に焼けるような痛みが有って眠れないと父から電話が来るようになった。徒歩圏内を休み休み整骨院へ行ったり、GKの知り合いやY子さんに車で実家から近いD病院(H病院の系列病院)へ連れて行ってもらったりしていたようだが、結局は家族でないと具体的な説明(本人はきちんと理解できていないようだった)が聞けないため、私に整形外科への通院介助も依頼をしてきた。
 この頃の父はかなりの歩行困難になっており、家の中を這うようにして移動していた。強い痛み止めを服用し、ブロック注射も行ったが、あまり効果がなかった。セカンドオピニオンとして脊柱管狭窄症治療で有名なU病院へも連れて行ったが、大学病院レベルの手術が必要で手に負えないと言われた。かかりつけ医があるのなら、U病院でまた検査をやり直すよりも、そちらで大学病院への紹介状を書いてもらった方が良いと言われた。
 後日H病院を受診する。D病院にも配属されているU医師(整形外科主治医)に手術を受けたい旨を申し出ると、「手術しても無駄。介護保険の意見書を書くから、施設入所しなさい。在宅独居なんて無理。」と言われた。高齢者にかける医療費が無駄とでも言いたいのか?
 脊柱管狭窄症手術の大学病院への紹介状を出すには、脊椎外来を受診する必要があるとのことで予約を取りなおした。最初から教えろや。
 3月下旬、H病院の脊椎外来を受診。諸々検査の結果、父の脊椎はS字かつ捻れ、重症でありH病院での手術は不可能。T大学病院への紹介状を書いてもらった。
 並行して3ヶ月に1度経過観察受診していた肝機能にも、CTとMRIの検査で異常が見つかっていた。T医師(消化器内科主治医)は癌の可能性が高いと診断、こちらもT大学病院への紹介状を書いてもらった。
 T大学病院へ受診の予約を取るため電話すると、担当科宛名が整形外科では駄目、脊椎診科だと言われ、予約が取れなかった。なぜかいつもスムーズに運ばない。H病院へ電話しその旨を伝える。紹介状を書き直してもらい、受け取りに再度病院へ出向いた。いちいち休暇を取らねばならない。こういう小さなミスに苛立った。頼むぜ。
 2019(平成31)年3月下旬にT大学病院の整形外科を3回と4月8日、丸一日かけて整形外科と消化器内科を受診。院内のフードコートで昼食を摂った。久しぶりに父と色々な話しをした。親戚の事や母との馴れ初めなどの質問をしたが、記憶が薄れてしまっていたようで根掘り葉掘り聞けなかった。超残念。
 整形外科の診察では、「命に関わる優先順位を考慮して、先に肝内胆管癌の治療を受けてから脊椎手術をしましょう。」と提案された。消化器内科で肝臓の組織検査のための入院をすることになった。
 4月12日から5月3日まで入院をした。大部屋に空きが無く、特別賞療養環境室(差額ベッド)を6日間病院都合で利用しなければならなかった。入院手続きで特別賞療養環境室(差額ベッド)入室申込書の記入を強要された。「記入を拒否した場合、入院の手続きはできません。」と担当者S氏にはっきり言われたことを録音しておくべきだったと後悔している。2度目の退院時の精算でその発言があった事を訴え調査依頼したが、シラを切られた。あの書類を記入すると損をすること、それを理由に入院できないと説明することは禁じられていることを後で学んだ。病院都合で特別賞療養環境室を利用しなければならなくなった場合、本来支払いの必要はないのだ。先に調べておくべきだったと後悔した。

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