相続の現場から 資産家高齢女性Aさんのお話
Aさんが肌身離さずにいた巾着の中にあった「黒革の手帖」
介護付き有料老人ホームで生活してはいましたが
入居前から最期まで色々な面倒を見たのは長男のお嫁さん。
お嫁さんが本人から常々言われていたことが
「自分が万が一のときにはこの手帳を見てね」
でした。
亡くなった後、その手帳の中に書かれていたことは
明らかに大きな文字で見開き2ページに渡って
「死んだあとのことは知ったこっちゃない」
でした。
確かに、考え方によってはそのとおりなのかもしれません。
遺言書はなく、粛々と遺産分割協議が行われ、財産は分けられました。
この方の場合は遺産分割協議ができる状態
つまり法定相続人が揃い、話し合いができる状態でしたので相続手続きは無事に終了しました。
当然ですが、お嫁さんは法定相続人ではありません。
遺産を手にすることができません。
民法が変わり、貢献した嫁からの請求云々とありますが
実際に請求する場合は、なかなか勇気が要ります。
お嫁さんも、
遺産目当てで介護をしていたわけではないので、そこまではしたくない。
とのご意向でした。
ただね…労いの言葉があっても良いよね…。
(強く同感)
ご主人である長男または他の兄弟から、
お嫁さんの貢献が報われるような対応を取る流れがあれば、お嫁さんも心が晴れたのかもしれません。
しかしその後、お嫁さんから体調を崩した…と連絡が入りました。
非常に残念だと思うと同時に、熟年離婚原因の一つが見えた気がしました。
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