愛する人と愛されるものがつながるように
初めまして。OH のアートディレクター・デザイナーの わりえもん (@wariemon) こと 割石 と申します。
2018年4月に独立して以来、ありがたいことに素晴らしいクライアントのみなさんと、優しい方々に支えられ、3年目を迎えることができました。
独立時の記事では、自分が独立に至った経緯、当時の思いをまとめております。
この記事では、この2年間で見えたものと課題を通じて、これからのお話をさせていただければと思います。
自分の名を投資するということ
この2年間、OH として、多くのクライアントのみなさまと共に、ミッション・ビジョンの策定に始まり、それを体現するロゴ・ビジュアルに至るまで、ブランドのアイデンティティを確立するお手伝いをさせていただきました。
私の仕事の様子は昨年、BizReach 様にて、登壇させていただいた際の記事に詳しくまとめていただきました。
その中で、(クリエイターとして)ブランドに関わるということは、純粋にお金をいただく「生活のための仕事」という面以上に、「自らの信頼の投資」という側面が強く感じられるようになりました。
デザインをするということは、そのブランドの歴史に自分の名を残すことであり、「自分が関わってどうなったか」という視点だけではなく、そこが起点となり、「その後、広く愛される存在になったかどうか」という長期的な視点でも、責任を持つ必要があると考えています。
これは、純粋に、伸びる事業・企業かを見極める力が大事ということ以上に、その人たちと「同じ船に乗る覚悟があるか」という部分の方が大きいです。
外部の人間という立場だからこそ、社内のメンバーと同じかそれ以上の熱と愛を持てるかどうか。自分自身の名(信頼)をそのブランドに投資できるか。
人生をかけて行う仕事として、その覚悟をもてるような方たちとご一緒したいと思い、2年間駆け抜けてきました。
ただ、つくったあとも寄り添う動きが出来ていたかというと、まだまだ改善点が多く、自分自身のリソースを「新たにつくること」に多くを割き続けてしまっていたのが現状でありました。
つくって終わりではなく、つくってからが始まり。
つくったその後に寄り添う動きがあってこそ、ブランドに貢献できたと言え、責任をしっかり果たすことにつながります。
もちろんできている事例もありますし、それらにはタイミングもあります。しかし、自分の意識から変え、その支える動きの比重を高めることが強く重要だと感じ、この1年で向き合うべき課題であると強く実感しました。
永く愛されるものに寄り添い続ける
その中で、2019年4月には ブランドの成長に寄り添うクリエイターのつながり "Unthem (アンセム)" が生まれました。
Unthem に関しては2年目の記事において、立ち上げの経緯と、その思いをまとめております。
(あえて、ギルド型組織という言葉を使っていないのは、現在のギルド型組織を形作ったみなさんへの敬意と、「永く愛されるものに寄り添い続ける」という想いを除いて、より縛りや制限のない「つながり」をつくりたいという想いからです。設立直後はチームという言葉を用いておりました。)
Unthem は、私だけではなく、それぞれが応援するブランドをお互いに支援しあえるような有機的なつながり・場所を志しています。
ひとのリソースは有限です。また、得意な領域もそれぞれで、全てのフェーズに対し、ひとりのクリエイターで全てを支えることは不可能に近いでしょう。
そこで、専門領域の異なる優秀なクリエイターの方々と一緒に支えることで、それぞれはより得意領域にフォーカスしつつ、ブランドのフェーズが変わっても必要な支えができるのではと考えました。
新たなメンバーも加わり、実際、私を中心に Unthem 内でタッグを組んで取り組ませていただいた事例も出来てきており、共にブランドを支える動きもできてきました。
ブランドの成長のために、ぶつかった課題に対し、お互いにアドバイスをし、時には共に向き合い、時には仲間にバトンを渡す。
この動きを、ひとりのためではなく、関わってくれる仲間みんなに価値があるものにしたい。
1年の試運転期間を経て、Unthem があることで、お互いの応援するブランドの成長を支えることができ、私個人としての課題でもある「つくったその後」にコミットすることができると感じ、よりこの動きを活発にしていきたいと強く感じられるようになりました。
「愛する人」と「愛されるもの」がつながるように
この2年で得ることができた大きな2つの改善点をこの1年では無駄にすることなく、実践していきます。
ひとつ目は、個人として、成長していくクライアントと寄り添うことができるようになること。
より提供できる価値に磨きをかけ、新たなクライアントのみなさまはもちろん、つくったその後も支え続けられるように、ひとりのデザイナーとしても大きく成長する必要があります。
そして、つくるだけに甘えず、それと同じくらい伝えることに重きを置くこと。より想いを伝えるためのコミュニケーションを積極的にとっていき、共に課題に向き合う。つくったその後を支えられる、より強い覚悟を持った、ブランドを「愛する人」になるために必要なことです。
ふたつ目は、Unthemとして、より多くの「愛されるもの」とのつながりを生み、支えられるようにすること。
信頼できる仲間であり、尊敬するクリエイターであり、ブランドを愛する人があつまる場所であること。この軸はぶらすことなく、よりお互いの愛するブランドを支え合える仲間を増やしていきたいと思っています。
仲間が増えることで、カバーできるフェーズ・領域が増え、かつ、多くのブランドとの出会いのきっかけも増える。
このきっかけが、Unthem を通じて新たな縁を結ぶことで、「愛する人」と「愛されるもの」双方に価値をもたらすと考えています。
私個人がよりブランドを「愛する人」として成長し、同じ想いを持つひとたちと「愛されるもの」とのつながりを生み出せるように Unthem を育てていくこと。
暗中模索であった2年に比べ、やるべきことは明確に見えてきています。
OH と Unthem どちらに関しても、今年はデザイン的な意味でも大きく力を入れ、高く跳ぶための助走の1年にしていきます。
最後に
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
私自身も、より想いをオープンにし、発信もしていきますので、もし私でお手伝いできることや、Unthem に興味のある方がいらっしゃったら、気軽に Twitter や Messenger などで、ご連絡いただけますと幸いです。
最後に、今回のタイトル写真・新たなプロフィール写真を 船島慶志さん (@one.point.four) に撮影していただきました。独立以来、撮影をしてくださっていた 兵頭理奈さん (Chaime) からご紹介いただき、形にすることができました。
素晴らしい写真とご縁をありがとうございました!