短編小説 | 好きな人の好きな人 #3
カフェイン中毒のわたしがアイスコーヒーではなくホットコーヒーを飲みたくなる季節の変わり目がある。世間ではやれ、紅葉狩りだ、京都に行こうなどと騒ぎ始め、CMではメルティーキッスが流れ始めるちょうどその頃である。
そうこうしているうちに、あっという間に歴代のクリスマス定番ソングがあちこちで聞こえはじめ、恋人と見ないとキュンキュンしないような煌びやかでカラフルなイルミネーションが咲き誇るんだろう。
何がウィッシュアメリクリスマスだ、恋人はサンタクロースなわけないだろうと思いなが