
和レゲエ数珠繋ぎ-第57回-ケイタ

アーティスト名 加川良
曲名 誕生日
発売年 1981年
70年代の関西フォーク・ロックに注目する中で外せないアーティストがもう1人、名前は加川良。URCの版権管理会社であるアート音楽出版の社員でありながら、1970年の「第2回中津川フォークジャンボリー」に飛び入り参加しキャリアをスタートさせました。
アルバム「教訓I」を皮切りにコンスタントにリリースを続け、多くのアーティスト・リスナーに影響を与えたであろうシーンのキーマンです。1度聴けば印象に残る独特の切り口と力強い歌声。加えてメッセージ性の強さはレゲエとも相性が良さそう。というわけで早速探してみると見つかりました。
1981年、アルバム『プロポーズ』からの1曲、7インチでシングルカットもされています。タイトルは「誕生日」ええ温度感。編曲は井上ケン一。
井上ケン一といえば、またの名をケニー井上と言い…久保田麻琴と夕焼け楽団、サンディー&ザ・サンセッツのギタリストです。彼らの楽曲にはたくさんレゲエがあり納得の人選。この辺りは今後登場しそうなのであまり触れずに進めましょう。
1976年の春一番には久保田麻琴と夕焼け楽団が出演しているので、おそらく井上ケン一も参加しているはず。95年の春一番の復活の際にもソロでクレジットされていました。となると加川良をはじめとした関西フォーク・ロック勢との交流も、自然な事と予想できます。
もっとレゲエが出てきそうな流れなんですが、現時点で見つかったのはこの曲だけ。しかしレゲエを匂わす楽曲は他にも見つかりました。1991年にリリースされたミニアルバム『ONE』に収録の2曲。

1曲目の「アイ&アイ」はボブマーリーについて歌った曲。タイトルからレゲエですが、残念ながら曲調はレゲエではありません。さらには6曲目「贈り物」ここにもレゲエというワードが何度も出てきますが、曲調は同様に。
和レゲエとは言い難いかもしれませんが、ここまで辿り着いついてくれている皆さまには聴いていただきたいアルバム。加川良にとってレゲエは外せないジャンルなんだろうと伝わります。ちなみにアルバムトータルのプロデュースとしてチト河内が参加、和レゲエに多く関わっているプロデューサーです。気になる方はCDを探してみてください。
加川良にはまだレゲエがありそうな気がします。情報あればお待ちしております。
泉佐野にあるレコード屋・スーパースターのおっちゃん曰く、当時のNHKの特番かなにかで加川良は「日本のボブマーリー」と言われていたとのことでした。長渕剛や松山千春にも大きな影響を与えたそう。前述の7インチは、松山千春、清須邦義とスタートさせたレーベル・NEWSからのリリースです。

最後にオマケとしてNEWSメンバーの和レゲエで終了しましょう。清須邦義でスペシャルズなイントロの和レゲエ。編曲は瀬尾一三、これはまだまだ続きそうです。
今週もありがとうございました!