和レゲエ数珠繋ぎ-第27回- GUACO
岡山県 GUACO
アーティスト名 THE東南西北
曲名 Reggae Na Kibun
発売年 1986年
岡山県で「MEDEL MUSIC」というレコード店を営んでおります。
このKEITAさんの素晴らしいコラム企画にご参加の方たちの中にもおられましたが、私自身雑多な音楽嗜好に加えレゲエに関しての入口はNEW WAVEを経てのUKレゲエでした。
後追いの本場ジャマイカのレゲエは勿論、中南米音楽や世界中の音楽に触れていく中であの時代に産まれたフェイクな南国感と実験的な音楽が産まれた中、日本でも今では数々の和レゲエ、和ロピカル、和レアリックといわれる音楽が再評価され私自身も興味と新しい発見は今なお続いています。
ここに挙げた東南西北は広島は尾道の出身。
所有盤はプロモですがジャケットのどう見ても"COMPASS POINT"スタジオ(Island Label)具合にやられました笑
B面の"星がっちゃうねジャマイカ"もボトムの座った硬質なリディムはあらゆるコネを使ってMAD PROFESSORに狂ったDUB MIXを懇願したい一曲。
12inch盤の"ため息のマイナーコード"(B面は12inchオンリーDUB MIX)"は比較的入手しやすいので是非。
アレンジは元SHI-SHONENでテクノ歌謡の生き証人戸田誠司。レコード〇トアデイで再発すべき案件でしょう。
最後にバトンを渡して頂いたzero bunchさんが提唱する自分がとても影響受けた「reggae_not_reggae」というテーマと、音楽をこういう形で別の視点から斬り込んで行くKEITAさんに敬意を込めて、音楽を愛でる連鎖が起こっている点が線になれば良いなと思います。岡山でイベント企画できるかなー。どうかなー笑。
♨︎
バトンは香川から岡山に到着。GUACOさん、ありがとうございました!
(残念ながら今回の楽曲はYouTube等に無く貼り付けられず)
東南西北は高校の同級生4人からスタートしたバンドです。入れ替えも経て5人編成となり1984年にソニーのオーディションで優勝。翌年にデビューシングル、「ため息のマイナー・コード」をリリースしました。
和レゲエをざっくり分けると2種類あり「明らかにレゲエ色が強い和レゲエ」と「勘違いかもしれないほんのり和レゲエ」が存在します。
※かなりざっくりです。
この盤は前者でしょう。B面・星がっちゃうねジャマイカには「Sugar Minotみたいに歌いたいね」なんて歌詞が登場します。めっちゃラガ。そもそも両面とも一聴してサウンドが明らかにレゲエ、確信犯。
じゃあバックボーンにレゲエがあるんだろうと作詞作曲を担当したボーカル・久保田洋司のレゲエ好きを予想していたのですが……探検しているとその辺りがわかったので共有しますね。
結論、久保田ではなくドラム・大池茂文の影響が強いそうです。高校時代に既にレゲエにはまっていたという大池、これからはレゲエが流行ると読み久保田にレゲエの曲を書けなんて指示を出していたそう。計算すると83.4年ぐらいのお話。大池は久保田に「ボブマーリー」「ジミークリフ」「アスワド」「UB40」と、ジャマイカからイギリスのレゲエまで聴かせていたらしい。
そして生まれた楽曲が星がっちゃうねジャマイカ。Reggae na kibunについても同様の流れなのかな。その後、91年に東南西北は解散。以降の久保田の活動はジャニーズ関連の作詞が中心、ここにはそこまで強いレゲエ色はなさそうです。ならば当時作った楽曲にはまだ和レゲエがあったのではないか?とさらに進むと他にも見つかりました。
2009年に復活した東南西北、2015年にデビュー30周年を記念しアルバムをリリースしているのですが、その中にすばらしい和レゲエを発見!タイトルは純情可憐。この曲も高校生の時に作っていたそう。
アルバムに収録されているのはDubバージョン、貼り付けているオリジナルバージョンはシングルに収録されています。Dubバージョンまで作るなんてやっぱりラガ。
※7インチシングルは無い、CDでのリリース
久保田の変わらない声にグッときます。この曲もレコードストアデイ案件で良いのでは…レコードストアデイに並んでそうなタイトルですし。笑
以降も活動を続けている東南西北。他にもレゲエテイストな楽曲があるので探してみてください!フィクサー・大池のその後に関してはソニーのディレクターとして活躍されたそうです。ここにもなにかあるかもしれませんね。
というわけで、GUACOさんが書いてくれたジャケットの"COMPASS POINT"スタジオ具合も納得の1枚でした!まさに音楽をMEDEL連鎖。
まだまだ話したいですが今週はこの辺で。続きは現場でよろしくお願いします。大阪、岡山、香川に和レゲエの輪を広げれるよう精進いたします!