和レゲエ数珠繋ぎ-第50回- FLATT THE LAIDBACK
FLATT THE LAIDBACKと申します。
同志ケイタさんによる"意義のある"このコラムに寄稿出来て非常に嬉しいです。
和レゲエ。
うん。和レゲエとひとえに言っても様々なタイプがある様に思います。
まず圧倒的に多いのは"ウンッチャカ ウンッチャカ"というリズムのやつ。
所謂歌謡レゲエ的なタイプですね。
このタイプはもうホント無限に出てきますよね 笑
日本人にこのリズムは凄く馴染み易かったのか、演歌等にもよく取り入れられていたりしていて面白いですよね。
この類の中でトップクラスに好きなのは
蒼いジャマイカ/南里紗
鷺巣詩郎が手掛けた若干冷たい音色、グレイスジョーンズ辺りがやっているニュアンスに近似でブレイクビーツとしての観点でも高水準な楽曲。
好きが高じて昨年私とHMV record shopさんのアナログ盤リイシュー共同企画
"EXHUME EXHUME"シリーズにて7inchシングルをリマスター再発致しました。
ご本人が引退されていてクリアランス関係のやり取りが大変でした。許諾が下りた時、非常に嬉しかったのを今でも覚えています。
さて、そんな歌謡レゲエ的なものは凄く魅力的ですし大好きですが、
より高濃度で尖った音色の和レゲエにヤラレる事も多いです。
荒くザックリ分けると以下の3方面からが我が国におけるレゲエを取り入れた作品のスタート地点の様な気がしますし個人的にフェイバリットな楽曲が多いです。
・加藤和彦、坂本龍一等ティンパン周辺やジャズ/クロスオーバー方面な方々による後にニューウェイブ、バレアリックに繋がっていく思想薄めのトレンド的解釈のもの。
・単身ジャマイカへ渡ってレコーディングした豊田勇三あたりが有名な、泥臭く荒く太いルーツロックに近いレベルミュージックなニュアンスも感じる関西で特に盛んだったと思われるピースなバイブスのフォーク人脈の方々によるもの。
・ジョー山中、内海利勝あたりの作品が広く知られている日本のロック黎明期から活躍されていたハードロック/ニューロック畑の人脈の方々によるもの
勿論この3方面の人脈が複雑にクロスオーバーしているものも数多く存在し、楽曲の濃淡も幅広くあり、全く括れないものも多大に存在しますが個人的な勝手なイメージとしてはこんな感じ。
今回はこれらのニュアンスを存分に味わう事が出来るマイフェイバリットな高水準自主制作盤和レゲエを6枚程アップ致します。
舞アリサ/谷茶前
南修治/河の流れに
田代友也/松陰のバラード
バナナブルー/燃えるキングストン
三文役者/メモアール 追想
LAST CONCERT(FOR YOU)/NIGHTS COMPANY
是非聴いてみて下さい。
あ、因みにNIGHTS COMPANYのこの曲収録のLPは秋頃EXHUME EXHUME×HMVでリマスター再発いたします。
どうぞヨロシクお願い致します。
♨︎
FLATT THE LAIDBACKさん、ありがとうございました!FLATTさんとは佐賀のヒップホップクルー・音蔵をきっかけにリンクし今回ご協力いただきました。それにしても凄まじい選曲、どこから触れていいのやら。
そしてFLATTさんが書いてくれた3方面がとてもわかりやすい。その辺りも意識して今回は順番に音源を聴いていきましょう。
舞アリサ/谷茶前
「谷茶前」とは沖縄の民謡のようです。リリース年は見つけられず。B面の「ディスコ安里屋ユンタ」は、先日再発されたグレート宇野のタイトルとはまた別らしく気になります。スローテンポが心地良い和レゲエ。バックトラックも絶妙に揺れてて最高です。これは3方面に分けれない作品。
南修治/河の流れに
名古屋出身のフォークシンガー。1982年リリースのLP『野良』に収録の1曲。多数の音源や著書も出ています。音楽的なバックボーンまではわかっていませんが、フォーク人脈の流れ。燻し銀のフォーク・ロック・レゲエ。
田代友也/松陰のバラード
なぎら健壱のプロデュースでデビューしたフォークシンガーのセカンドアルバム、1980年リリース『君はもう帰らない』に収録。こちらもフォーク人脈。オリジナルディランにもいた渡辺勝が編曲です。
しっかりレゲエなサウンドにのびやかな歌声、唯一無二の仕上がり。第40回のサザンレゲエなんかと同年、早いです。
バナナブルー/燃えるキングストン
1983年リリースのライブ盤『LIVE!』に収録。第3回にも登場した下村誠のバンド。
帯をよく見ると「ONE LOVE」や「CONCRETE JUNGLE」といったクレジットもあり気になります。バナナブルー時代の下村誠は、ボブマーリーの影響を強く受けていたそう。
今回の楽曲は西岡恭蔵のカバー。これも気になる流れ。1980年に西岡恭蔵がジャマイカを訪れたのは、一部のフォーク人脈にレゲエのサウンド面で、大きな影響を与えているように思います。ライターとしても活躍していた下村誠の記事を読むと、西岡恭蔵の大ファンだったそう。
ちなみに豊田勇造がジャマイカに行ったのは1979年末。フォーク人脈の流れだとボブマーリーがキーワードとしてかなり出てきます。アルバムで言うと「Redemption Song」などが収録された『Uprising』周辺の頃。ここは改めてまた。
下村誠は様々なフォークシンガーからの影響を10代の頃に受けているようですが、その後のレゲエ色が目立って強い。そんなフォーク人脈もあります。これも改めましょう。まずは主宰していたNATTYレコードの音源を集めなければ。
三文役者/メモアール 追想
1984年リリースの7インチシングル。パンタの作詞を手掛けたこともある花之木哲によるロックバンド・三文役者。去年の11月に配信が解禁されていて聴くと、他にもレゲエ調の曲がありました。この流れも掘り下げていきたい。ハードロック人脈。
LAST CONCERT(FOR YOU)/NIGHTS COMPANY
これはお手上げ、わかりません。しかし秋頃にリマスター再発予定と!楽しみ。待ちましょう。良い曲だなぁ。
以上6曲。私は残念ながら1枚も持っておらず。
しかし3方面のおかげでかなり全体像がハッキリして、より和レゲエを探しやすくなりました、これは大きい。次回以降がスムーズになります。ペース上げよう。
FLATTさん、記念すべき第50回に面白い盤をたくさん挙げていただき、本当にありがとうございました!
最後に、EXHUME EXHUME×HMV・最新作の情報を載せさせてください。こちらにもレゲエフレイバーがあるので無くならないうちに是非!
一の巻 Daikoku mai / 調草子 Kaori-ne
なんともスペシャルな第50回でした。
残り半分!よろしくお願いします♨︎
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