見出し画像

マラソン全国制覇への道4/47(石川県)2016金沢マラソン

サブ3を目指すことに



幸運にも1シーズン目でサブ3.5を達成できた。

これでランネットのマラソン大会ランキング1位の愛媛マラソンにアスリート枠で参加できる。

ぜーはー言いながらキツい練習をして、ぜーはー言いながら一分一秒を削るために、美味しそうな給食を全スルーでゴールをひたすら目指すなんてどうかしている。

愛媛マラソンでは思いっきりファンランした後は、週末にダイエット目的でゆっくり走って、レースも楽しんで走ろう。それが良い。

愛媛マラソンの下調べとして、YouTubeで愛媛マラソンの公式動画を見てみると、全ランナーのフィニッシュ動画を公開していた。

なんとなく、3時間の数分前から、サブ3を達成した人達を見てみようと思った。

そこには喜びを爆発させる人達がいた。

渾身のガッツポーズをする人、

天を仰いで雄たけびを上げる人、

仲間達と強く抱き合う人。

・・・

まぶしかった。

残りの人生で、こんなに感情を爆発させることが果たしてあるのだろうか。

この動画を見た後、しばらく考え、サブ3を目指すことにした。

政治や椅子取りゲームに向いていない、興味も持てない私でも、サブ3は目指す価値のあるものだと思えたからだ。


愛媛マラソンはサブ3を達成したご褒美にとっておいて、まずは出られる大会にどんどん出て、サブ3を達成するために経験値を積むことに。

10月開催のフルマラソンの中から抽選の金沢マラソンに申し込みをしたら、ありがたいことに当選。

まずはサブ3の最低限の挑戦権と言われる、3時間一桁を目指すことに。

練習

・ジム通い開始

昨年の夏は日中30℃を超える中での30km走で熱中症になりかけたりしたので、夏の間はジムのトレッドミルを中心に練習することにした。

・Ave.4′00″~5′00″/kmのビルドアップ走を30~90分。

・たまにロードでAve.5′00″/kmで10~20kmのEペース走。3週間前に30km走。

レース

コースをざっくりと分析すると、10km上って、13km下って、あとは平坦というもの。

3時間一桁の平均ペースはAve.4′30″/kmなので、上りはやや遅く、下りはやや速く、平坦をイーブンで走る、というざっくりとしたレースプランをたてた。

そして号砲。

兼六園のそばから、ずらりと並んだ着物姿の女性たちに見送られてスタート。

沿道でハイタッチを求める子供がいたらハイタッチしながら走る。まだまだ序盤なので余裕がある。

上りということもあり、ときどきAve.4′30″/kmをオーバーするも、ほぼイーブンペースで上り基調の10kmを通過、ここまでは順調。

そして下り。

スピードを上げすぎないように慎重に下る。そろそろ20kmにさしかかろうかというところで異変が。

左足のふくらはぎが控えめに主張しはじめる。

(;´Д`)「・・・サーセン、自分、今日もう無理かもしれないっス」

\(^o^)/「えっ!?左ふくらはぎ君、早いよ!まだ半分も走ってないよ。頑張ろうよ!」

(;´Д`)「頑張りたいのはやまやまなんスけど、きついっス」

\(^o^)/「今、君に抜けられると困るんだよ、何とかならない?」

(;´Д`)「何とかならないス。


    あああ、

  

    自分もう無理っス!

    

    限界っス!


    サーセン!」


\(^o^)/「ちょ、待っ」

ぴきっ

【悲報】半分も行かないうちに左ふくらはぎ、攣る


えええ、

まだ半分以上残っているのに。

この先どうなるんだ。

と軽くパニック。

それでも立ち止まらず、ふくらはぎにあまり負担をかけないように探り探り走っていると攣りの症状は落ち着いてきた。

しかし、無理をするとまた攣りそうな張りがある。考えたくないが、もう脚は終わってしまったみたい。

しんどい展開になったなー、と思いながらも何とか落ち込みを最低限に抑えながら走り続け、ようやく28km地点へ。

ここから同じ感覚で走っていても少しずつペースが落ちてくる。

息苦しくなり、ますますペースが落ちてくる。

えー

【悲報】30km手前で心肺が終わる

脚も心肺も限界、まだ30kmも通過していないのに、まだまだ走らないといけないのに、この先どうすれば良いんだと途方に暮れる。


母親に抱きかかえられた子供が小さな手を精一杯沿道に向かって伸ばして
ハイタッチを求めている。

私はそれに応じる余裕がなくパス。

後ろを走るランナーはハイタッチに応じたのだろうか。

後ろから聞こえてくる母親の嬉しそうな声。

「優しいおじちゃんで良かったね!」

含むところがないのは分かっている。

それでも地味にメンタルにくる。

走りながらあれこれ考える。

どうしてこうなった。

前日の観光で歩き倒したからなのか。

トレッドミルばかりの練習で脚が作れていなかったからなのか。

呑まず食わずの減量で体重を落としすぎてスタミナが持たなかったからなのか。

どうしてこうなった。

ペースはどんどん落ちてくる。

完全に消化試合。

修行。

30km過ぎのスライドで先行するランナー達とすれ違う。

しばらく走っていると前から大きな集団がどんどんと近づいてくる。

集団の先頭には頭に風船を付け、3時間と書かれたビブスを着たランナーが。

サブ3を目指す集団だ。

すれ違う際に横目で集団を見ると、

視線の先には、

必死の形相でぺーサーにくらいついて走っているランナー達。


まぶしい。


羨望の眼差しで見る。


ああ、かっこいいなあ。


自分もいつかきっと、あのランナーたちのようにサブ3をこの手でつかむために必死に走ると心に誓った。

撃沈してふがいない走りをしている時だからこそ、よりそう思ったかもしれない。

そこからは、ただただ脚が攣らないように気を付けながら、終わった脚と心肺をごまかしながら、ゴールを目指して走り続けた。

ようやくゴール。心底安堵した。

3時間17分17秒(ネットタイム)

金沢マラソン



目標の3時間10分には遠く及ばない、ふがいないタイム。

ぐうの音も出ない程の完敗。

しかしタイムだけみれば一応8分ほどPB更新。

目標には近づいている!

少なくともやってきたことは無駄ではない!

そう必死に自分自身に言い聞かせ、無理矢理納得させようとした。

ゴール後

とぼとぼ歩いていると、2人組のスタッフの方々がカメラを私に向けながら
、満面の笑みで「お疲れ様です!」と近づいてきた。

力なく笑うだけで精一杯だった。

笑えていたのか?

引きつっていたかもしれない。

記録証を発行して貰って導線に沿って進む。

メダルとフィニッシャータオルをもらって先へ進むと、ボランティアの方々が左右にずらりと並んで笑顔でハイタッチを求めている。

精一杯の笑顔を作り、「ありがとうございます!ありがとうございます!」と言いながら通り過ぎる。

複雑な思いをしながら。

撃沈した後だと、普段なら嬉しいサービスが、辛い。

サブ3を目指すと決めた2シーズン目の初戦は、大撃沈という苦い結果に終わった。

3時間1桁を達成してサブ3の挑戦権を得ようという青写真はもろくも崩れた。

今回の失敗を糧にどう成長するか。

あれこれ考えながら北陸新幹線「かがやき」で帰路に着いた・・・


全国制覇への道5/47(茨城県)2017勝田全国マラソン へ続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?