マラソン全国制覇への道1/47(北海道) 2015北海道マラソン
ランニングを始めた経緯
2015年3月、ランニングを始めることにした。
不規則な生活と暴飲暴食により、初めて体重が70kgの大台にのったことに危機感を覚えたことがきっかけだった。
そう、ありきたりだがダイエット目的だ。
三日坊主で終わらないように大会に申し込むことにした。
3か月の練習期間を考慮して幾つかの大会を検討した結果、初マラソンは北海道マラソンに決めた。旅行も兼ねて楽しそうだし。クリック合戦のすえ無事エントリーできた。
大会の目標を
①最後まで歩かないこと
②サブ4
に決めて練習を積んだ。
主な練習
・10km~35kmのロング走(歩きも交えて)
・小出義雄監督の著書「マラソンは毎日走っても完走できない」で紹介されていた「1km全力+ジョグ」×数セット
レース
真夏に行われる北海道マラソンで、一番の懸念材料はやはり気温。
北海道マラソンの過去の最低完走率は、スタート時に既に気温が30℃に達していた2006年大会の52.4%。
当時の制限時間が4時間だったとはいえ(※2009年に5時間に緩和)、2人に1人しかゴールできない真夏のフルマラソン、過酷すぎる。
気温が上がったらマラソンではなくサバイバルレースになるかも、とビビり倒していた。
しかしその心配は杞憂に終わり、レース当日のスタート前の気温は19℃くらいだった。胸をなでおろした。
ボッチで練習し、ネットの情報を漁るという当たり前のことすら当時はしていなかったので、真夏の練習のセオリーとして「涼しい早朝のうちに走る」ことなど知る由もなく、30℃を超える日中に走り込んでいた。それに比べれば涼しくて走りやすいくらいだった。
Fブロックからスタート。スタートロスは7分30秒。
札幌中心部のビルの間を走ることができてテンションが嫌が応にも上がる。ビルの合間からときおり吹き込む風が冷気をはらんでいて心地よかった。
当時はGPSウォッチは持っていなかったので、ランニングアプリ「RUNTASTIC」の1km毎に読み上げられる音声を片耳イヤホンで聞きながら走った。
19km過ぎから始まる往復13kmの新川通。
「新川通はひたすら単調な直線が続くので苦行」というレポをよく見かける。とにかく脚が最後まで持つか、30kmの壁で撃沈しないか、不安を抱えながらもくもくと走り続けた。
全部の給水ポイントで少しずつ水を飲みながら、たまに頭と足に水をかけながら進む。
そして懺悔。
紙コップぽい捨て問題。
道路に散乱しまくり、周囲のランナーもぽい捨てしまくり、私もそういうものかと何の疑問も抱かずにぽい捨てしまくった。
紙コップのポイ捨ての多さが、北海道マラソンにおける大きな問題点の一つだとレース後に知る。
反省した私は、以降の大会では必ずゴミ箱に捨てる、タイミングが合わずに捨てられなかった場合でも、次の給水所まで持って走るようにしている。申し訳なかった。この場を借りて懺悔。
大通りの折り返し地点を通過し後は戻るだけ。
折り返した途端、強めの向かい風が。
集団の後ろについて風よけにして走る。耐える時間が続く。
そうこうするうちに32km経過。足は残っている。心肺もまだ余裕あり。30kmの壁は無事乗り越えて、このまま歩かずに完走できそうと安堵。
タイムを見ると、サブ4ペースからは遅れている。しかし、ここから頑張って頑張って超頑張れば、ぎりぎりでサブ4狙える微妙なタイム。
どうする?
①このままイーブンペースを刻み、無難に歩かずに完走
②途中で潰れてしまうリスクはあるけど、ここからサブ4を狙うためにスピードアップ
少し考えて出した結論は
②ここからサブ4を狙うためにスピードアップ。
当初の目的の一つである「歩かずに完走」が達成できなくなる可能性もあるけど、もう一つの目的「サブ4」の可能性が残されているならそれに賭けても面白いと思ったから。ただし、いきなりスピードを上げて潰れるのは避けたいので、様子を見ながら徐々にビルドアップすることに。
1~30km の平均ペース5:56/1km から、
31~40の1km毎のラップ
6:00-5:49-5:34-5:17-5:04ー
5:06-4:51-4:51-4:51-4:35-
と徐々にビルドアップ。
とにかく前へ前へ、潰れるか潰れないかのギリギリのペースで、それでもサブ4を達成するためにペースを上げながら走り続ける。
北大キャンパスに入る。
ここが大好きな小説「七帝柔道記」の舞台となった北海道大学かーとか、大学構内の緑が綺麗だなーとか、
考える余裕は一切なく、ぜーぜー息を切らしながら、とにかく必死に走る。
無茶なペースで走り続けてきた反動で、41km目のラップは4:47。
少しペースダウン。
残り1km。
しんどい!
ゴールはまだか!
ここまできたらサブ4を達成したい!
と考えながら走るうちに、
有名な北海道庁赤レンガはいつの間にか通り過ぎていた。
遠くにゴールゲートがうっすら見えてきた。
時計を確認。
残り時間は1分を切っている。
遠い。遠すぎる。
サブ4は厳しいかもしれないと心が折れかけるも、
最後まで何が起こるか分からない。
1秒でも早くゴールするために更にペースアップ。
42km目のラップは4:14/kmで
本日のファステストラップ
そして全部出し切りゴール。
1,000円くらいで購入したスポーツウォッチで時間を確認。
あああ、多分ぎりぎり切れていない。
念のため記録証を発行してもらい確認
4時間00分15秒(ネットタイム)
あと16秒
サブ4はほんの16秒で零れ落ちた。
たったの16秒。
少しぼーっとしていただけで
あっというまに過ぎる16秒。
給水を2か所ほど飛ばしていたら・・・
あと1km早くペースアップしていれば・・・
前日にあんなに観光気分で歩き回らなければ・・・
たらればと考えても仕方がないことを考えてしまう。
でもそれは結果論だ。
あれもこれもと欲をかくのは良くない。
ベストは尽くしたし、少なくとも最後まで歩かなかったのだから。
とりあえずはこの結果に満足した。
その時は。
振り返ってみれば、ここで満足できていれば、マラソン全国制覇というバカなことを目指すことはなかったのだろう。
マラソンを続ける中で大きな岐路が幾つかあった。その一つがここでサブ4を達成できなかったこと。
その時々で、悔しかったことや悲しかったこと、辛かったこと、色々あったけど、そのどれもに今では感謝している。
マラソン全国制覇への道 2/47「2016年 いわきサンシャインマラソン」につづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?