小説とバンダナ【星を追う日々】:0052
僕は星を追っている。
生まれてまもない、新しい銀河の星だ。
まだまだ先が見えなくて、消えてしまうかもしれない。僕はただ、視野のせまい望遠鏡でながめるだけだ。
それでも今、淡くかがやきながら、
真っ暗な空を巡っているいとおしい星々の運行を、僕は追いかけている。
少なくとも、僕が追い続けているこの時間は。
星の動きに目を見張り、どこへ向かうのか
その軌跡を追いかけているこの時間は。
幸せである事は間違いない。
朝もやがかかって、夢か幻か分からなくても。
昼間はあざやかな陽光にさえぎられているとしても。
夕べに垣間見えた色が、それまでの色と違って見えたとしても。
夜のくらやみを手探りで進んでいるとしても。
つづく
※イラストはバンダナとして4種、スズリにて販売しています。
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