エッセイ【謎のおみやげ】0075
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よく分からん思い出の記事などにお使いいただければと思います。
【掌編エッセイ】
旅行好きだった祖父母は、行く先々でおみやげを買い込んでは飾っていた。
壁にはご当地の名前ちょうちんが隙間なく並べられ、ちょっと怖かったな。
おみやげを置く大きな飾り棚にも、レトロで趣旨の分からん…なんでこれを作ったんですか?と心の中でそっと問いかけたくなる人形たちが並んでいた。
祖父母のよくないところは、掃除ができなかったところだ。おかげさまでよく分からんお土産は埃をかぶりすすけて、ますます正体の知れない、不気味なものになっていった。
祖父母の死後、もうこれはあかんと家の大掃除をして、(なにせ壁掛けのちょうちんには厚さ3cmの埃が真っ黒に張り付いているのだ。)おみやげは手を合わせながらすべて処分した。
なぜかこの謎の人形だけは、描いて残そうと思ったのだろう。
子どもの頃、祖父母の家に遊びに行くたびに、飾り棚の向こうからじっと見つめてきていた。
つぶらな瞳が逆に怖かった。
海の側のおみやげなのか、あるいは湖か河川にでも行ったのだろうか。あれこれ思索に耽るが、答えは出ないままだ。
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