主計将校 各国の基本戦術

ボードゲーム『主計将校』についての攻略記事です。
第二版、総力戦拡張を含んだ内容となっております。
この記事では各国の基本的な方針を主要カードを紹介しながら解説していこうと思います。初心者から中級者向けの内容です。

ドイツ

枢軸側ヨーロッパ戦線の主力です
主にソ連への侵攻や西ヨーロッパの攻防を担当します

主要カード


イベント 生産構想 バルジの戦い 白作戦 強制徴兵
情勢 行動志向 電撃戦 急降下爆撃
増強 降下猟兵 Ju-87シュトゥーカ 雲量

プレイ指針

 強力な情勢を持つ国です。情勢による追加アクションを発生させ、有利な手番交換を行っていくことで連合に負担をかけていきましょう。
優先順位としては西ヨーロッパの確保→ソ連の本拠地奪取が主となります。西ヨーロッパは短期的にはイギリス対ドイツ、イタリアとなり確保が非常にしやすいので真っ先に枢軸側のものにして点数面での不利を覆すのが定石となります。逆に言えば西ヨーロッパを落とすまでは連合側に点数で常に差をつけられてしまう状況であり、アメリカが到着してしまうと西ヨーロッパを落とすのが困難になるので早期に落としきることが重要です。
 西ヨーロッパを制圧した後はソ連の本拠地奪取が主な目標となります。基本行動だけではまず落とせずイタリアからの支援も望みにくいので情勢や増強を用いて攻め込む必要があります。行動志向、電撃戦は置いたターンこそ無防備になりますがそれ以降は暴力的な手数差で制圧することができます。シュトゥーカ、降下猟兵は普通に使っても十分強いですが情勢を置いた隙を潰す使い方も強力です。
 素直にソ連を落とすことができれば勝利は目前ですがソ連の対応やイベント、情勢などにより妨害が入ることが予想され、落としきる前にイギリス、アメリカによる反撃が始まる可能性があります。イギリスとアメリカに上陸されてしまうと空軍や対応、フランス軍などにより西ヨーロッパの奪還が難しくなる恐れがあるためソ連との手番交換に固執過ぎないようにしましょう。



イギリス

連合側ヨーロッパ戦線序盤戦の要ですが、中盤以降は西ヨーロッパ奪還の補助もしくはオーストラリアやインドを確保して日本の妨害と連合の点数源としての役割を行います。陸戦カードが4枚しかなく、使う機会も多いので出来るだけ捨て札にしないようにしましょう。
また豊富な妨害カードを有しており、適切なタイミングで使うことでドイツの進行を止めることができます。

主要カード

イベント 連邦支持の増加
対応 エニグマ暗号の解読 フランスの愛国者が連合国側に加わる
情勢 レジスタンス
増強 平静を保ち、普段の生活を続けよ フレッチリーパーク マジノ戦

プレイ指針

 最序盤は西ヨーロッパの防衛を行います。西ヨーロッパを確保している時間が長いほど点数差を付けられ、アメリカやソ連が準備する時間を稼げます。マジノ戦やフランス軍の設立などを駆使して少しでも多くのターンを稼ぎましょう。ライン川とドナウ川によりイタリア本土の陸軍を取り除くことも効果的です。
 大半のゲームでは西ヨーロッパは早期に落ちてしまうので、中盤戦以降は引いたカードや盤面状況によってプレイが変化していきます。
 一つ目は西ヨーロッパ奪還ルートです。西ヨーロッパを奪還し、点数面でのリードとドイツイタリア本土の占領を最終目標とします。枢軸側の西ヨーロッパ防衛が弱い、もしくはインドやオーストラリアへ干渉できない場合に取るルートとなります。基本的には陸戦を西ヨーロッパに使い続けるだけですが、イギリスの陸戦は4枚しかないため枯渇しやすいです。陸軍の設立を多く持つドイツよりも、少ないイタリアを基本的には狙うべきでしょう。レジスタンスを貼れた場合は陸戦が無限となるため、イタリアが次の手番で西ヨーロッパに陸軍の設立を行えないように攻撃するとよいです。
 二つ目はインド、オーストラリアルートです。インドもしくはオーストラリアを確保出来るカードをプレイしたときに可能となるルートです。このルートの場合は日本の妨害を行うことができます。インドとオーストラリアを確保してしまえば日本の点数を大きく削り枢軸との点数差を付けることに繋がります。
  増強、情勢を防ぐ二種の増強についてはいつ使っても強力ですが、主にドイツに対して使うことになるでしょう。情勢によるコンボを防いだり、補給地に対する攻防に対して使うとより効果的です。


日本

唯一アジアスタートの国であり、主要な戦線であるヨーロッパから最も遠いのが特徴です。
主にオーストラリアやインドを確保しての点数源、北海、西ヨーロッパへの支援を担当します。

主要カード

対応 各種戦闘や設立誘発の対応 特に強力なものは下記 奇襲 特別陸戦隊 日本海軍空挺部隊 駆逐艦輸送 
情勢 各種点数系カード
増強 大日本帝国海軍 南雲機動部隊

プレイ指針

 最初の数ターンは中国を占領することを目的としましょう。対応2種で中国軍除去→中国招集と動くこともできますが、そのまま東南アジアに進んだ場合は毛沢東や民衆の同情などで補給が絶たれすべてを失う可能性もあることも頭に入れておきましょう。
 中国占領後は基本的に東南アジア→インド→南シナ海→オーストラリアと進んでいくことになります。どちらかをイギリスが占領している場合は片方だけでも大丈夫です。
 その後は地中海や北アフリカに軍を置いて北海や西ヨーロッパへ支援を行うプラン、インドやオーストラリアを奪還するプラン、点数系情勢を置いていくプランのいずれかを選択することがおすすめです。アメリカ本土への攻撃は必要な手番のわりに対応されやすく、割に合わないことが多いのであまりお勧めできません。
 地中海プランの場合はジブラルタル海峡とスエズ運河の支配が重要になります。インド→インド洋→地中海と動いて地中海から北海を攻撃することが理想ですがこの場合は中東と北アフリカの両方を枢軸が確保している必要があります。イタリアやドイツが確保してくれていることが一番手っ取り早いですが、自分で確保しなければならない場合もあります。支援にはかなりの手番がかかるので、先に点数差がついてしまわないようにしましょう。
 インド、オーストラリア奪還プランの場合はイギリスに手番を渡さずに確保することが重要になります。イベントで置かれた場合を除き、陸戦を行っただけだと次のターンで立て直されるだけなので陸戦の少ない日本が不利です。海軍設立→陸戦の対応と海軍設立→陸軍設立の対応や五十六→南雲を組み合わせたり、イギリスが西ヨーロッパに手番を使いたい時に攻めるなど工夫してみましょう。陸戦→陸軍設立の対応は残念ながらありません。
 点数系情勢を使っていく場合は手番に見合った成果を上げられるか、陸軍の設立はデッキに十分残っているかなどを考えておきましょう。また日本は陸軍コマが不足しがちなので注意しましょう。
 点数系情勢の条件は下記のとおりです。
ウラジオストク、シベリア(北進論)
東南アジア、インドネシア、ニューギニア(大東亜共栄圏)(それぞれ1点)
硫黄島、フィリピン(帝国の意図)
太平洋岸北西部、ハワイ、ニュージーランド(前線基地)(2点)
中央太平洋(日本委任統治領南洋諸島)
海軍が3つ以上(絶対国防圏)
ハワイに連合国の陸軍がない(妨害のない商船輸送)

ソ連

連合国のユーラシア大陸側戦力でありドイツからの猛攻にさらされやすい国です。主にウクライナとモスクワの防衛やヨーロッパへの反攻作戦、中国への干渉を担当します

主要カード

イベント 毛沢東、ドイツソビエト不可侵条約、冬将軍
対応 モスクワ、スターリングラード、泥の海
情勢 量は質を兼ねる、 焦土作戦、クィビシェフがシベリアに遷都する

プレイ指針

 モスクワ、ウクライナを守り切ることが第一目標です。ドイツには強力な情勢がありソ連のみの力で盤面を返すのは厳しいので、ソ連はイギリス、アメリカが西ヨーロッパに到着するまでの時間稼ぎを行うという意識でプレイしましょう。
 ドイツは情勢を用いて複数回の行動を行うので、ソ連側は対応を上手く使い行動の起点を防ぐことで五分の交換に持ち込むことが出来ます。どれだけ努力しても奪われるときは奪われますが、そのときは焦土作戦やシベリア避難などを用いて枢軸に点数を与えないようにすることが有効です。
 ドイツが情勢を貼らなかった場合や枢軸が西ヨーロッパ攻略に手間取った場合、エニグマによりドイツが複数回行動を行いにくくなった場合などにはソ連からヨーロッパに攻め込むことも可能です。ドイツイタリアの本土を占領して勝利に大きく近づくことが出来ます。量は質を兼ねるをプレイできてる場合はインドを確保したり日本に干渉することもできます。
 ソ連は中国に干渉することも可能です。日本は陸軍の設立の数が四枚と少ないため、中国の軍を複数回失うと立て直せなくなる場合があります。モンゴル、ウラジオストクに招集してから中国に戦闘するイベントがあるときに狙ってみましょう。

イタリア

ドイツと隣接しており、主に西ヨーロッパの防衛とドイツや点数のサポートを行います。

主要カード 

イベント スペイン
対応 ドイツによる反攻勢力の増強、ルーマニアによる増援、アルピーニ
情勢 各種点数系カード
増強 黄金方陣のクーデター、イタリアが空母を完成させる

プレイ指針

 西ヨーロッパを枢軸のものにすることを最優先としてプレイします。最序盤はフランス軍の撃破、中終盤は西ヨーロッパの維持を行います。アメリカ、イギリスは戦闘を仕掛けることが不得手なので、西ヨーロッパを防衛するための戦いは陸戦と陸軍設立の交換になりがちです。よってデッキ内の陸軍設立と連合の陸戦の枚数勝負になるので陸軍設立はできるだけ捨てないこと、また対応を用いて実質的な陸軍設立の水増しをすることも重要です。
 ドイツは情勢を用いて複数回行動を行えるので、イタリアはドイツが手番を有効に使えるようにプレイすることを意識するとよいでしょう。点数系カードや対応をプレイする場合は盤面に余裕があるのかどうか、ドイツに手番を肩代わりさせてよいかの検討を行ってみましょう。
 点数系情勢の条件は下記のとおりです。
未回収のイタリア(西ヨーロッパで1点)
我らが海(海軍1つにつき1点)
イタリア植民地帝国(北アフリカアフリカ中東にある枢軸軍1つにつき1点)
バルカン半島の資源(バルカン半島で1点)
反共産主義感情(ロシアウクライナ1つにつき1点)

アメリカ 

 アメリカ本土スタートで各戦線から遠いのが特徴です。他国に手番を譲るカードや複数回の行動を行うカードが多いことが特徴です。西ヨーロッパへの反抗作戦のサポートを主に担います。

主要カード 

イベント パットン将軍の進軍、アメリカの大衆が中国人に同情する、現金引換え政策が中立法に置き換わる、民主主義の兵器廠、ムルマンスクの輸送船団、ガダルカナル島、武器貸与、柔軟な資源、戦区の移動
情勢 上陸作戦 優れた造船所
増強 我々の政治哲学 レンジャー部隊 絨毯爆撃 イーグル飛行隊

プレイ指針

 基本的にアメリカ西部に陸軍を置いてから他の戦線に干渉します。他国に手番を渡すカードがない場合は基本的には西ヨーロッパへ干渉しに行くとよいでしょう。日本はヨーロッパ戦線に干渉することが難しいため、連合対独伊の3対2とすることで有利に戦うことが可能になります。上陸作戦やレンジャー部隊、絨毯爆撃は助けになるでしょう。アメリカに限った話ではないですが、西ヨーロッパを落としきるという意識でなく、陣営全体で戦線を押し返すという意識が大切です。地中海やバルト海からイタリア本土やドイツ本土を直接狙えることも覚えておきましょう。
 序盤に他国に手番を渡すカードを持っている場合は優先的にプレイしましょう。アメリカは他国と遠く離れているため干渉まで時間がかかります。枢軸の序盤をうまくいなすことができればゲームを楽に進行することができます。中盤以降はアメリカと他国のどちらが行動したほうが強いかを考えてプレイしましょう。また、他国に手番を渡すカードは相手に何をしてほしいかをイメージしてプレイしましょう。
 太平洋戦線に関しては複数のイベントや情勢、増強を持っていた場合オーストラリアを異常な速度で確保することが可能になります。イギリスがオーストラリアをとれない場合に有効です。日本の点数に干渉できますが西ヨーロッパ戦線への到着が遅れたり不利になる点がネックです。西ヨーロッパの奪還に時間がかかりそうな場合や西ヨーロッパへの到着時間に特に影響がない場合におすすめです。日本本土はまず落ちないので狙わないのが無難でしょう。戦区の移動はオーストラリアからヨーロッパに転進するときに有効に使えます。

枢軸側要注意カード

ドイツ
イベント 戦線の拡大 白作戦 バルジの戦い
情勢 電撃戦 行動志向 急降下爆撃
合成燃料
増強 降下猟兵 Ju-87シュトゥーカ 雲量

日本
対応 奇襲 特別陸戦隊 日本海軍空挺部隊 駆逐艦輸送 
増強 南雲機動部隊 大日本帝国海軍 武士道

イタリア
イベント スペイン
対応 アルピーニ モンテ・カッシーノ ルーマニアによる増援、ドイツによる反攻勢力の増強
増強 黄金の方陣クーデター

連合側要注意カード

イギリス
イベント 連邦指示の増加
対応 エニグマ暗号の解読 フランスの愛国者が合衆国側に加わる 
増強 平静を保ち、普段の生活を続けよ フレッチリーパーク マジノ線

ソ連 
イベント 冬将軍 毛沢東
対応 モスクワ スターリングラード 泥の海
情勢 クイビシェフがシベリアに避難する 焦土作戦

アメリカ 
イベント パットン将軍の進軍 武器貸与 民主主義の兵器廠 ムルマンスクの輸送船団 大衆が中国に同情する
情勢 上陸作戦 
増強 レンジャー部隊 絨毯爆撃 我々の政治哲学

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