民俗小ネタコラム④ほぼ全裸の鳥刺し踊りが素晴らしい件

何気に結構寒い日々が続きます。
そんな寒い日にコタツで食べるアイスの美味しいことと言ったら・・・。

ミドルエッジ世代にはおなじみのアイス「パナップ」。グリコ(江崎グリコ)を代表するアイスの1つではないでしょうか。ちなみに、「パナップ」とはパフェ+カップの造語で、パフェのような美味しさを追求したようです。

さておき、そのパナップといえば、有名なCMソングが頭に浮かびます。パパパパ歌って、最後に♪パパパパパパ パナップ・・・結構口ずさみませんでしたか?私はよく歌っていました。

この♪パパパパはヴォルフガング・アマデウス・ モーツァルトが1791年に作曲したオペラ『魔笛』の中の鳥刺しパパゲーノの歌。もう少しキチンと書くと『魔笛』第2幕フィナーレ よりパパゲーノとパパゲーナの二重唱を元ネタにしたものです。お互いが♪パパパパ歌いあうシーンですが、今回のコラムで注目したいのは♪パパパパではなく、「鳥刺し」部分。鶏肉の刺身の略称ではありません(笑顔)

鳥刺しという御仕事を知っている人は、現代社会では稀だと思います。ウィキペディアには「鳥刺し(とりさし)は、鳥黐などを使用して鳥類を捕獲する行為、およびそれを生業とする人。古くから職業として成立しており、イソップ童話やモーツァルトのオペラ『魔笛』などにも登場する。また、狩猟の仕草を踊りや舞にした伝統文化が鳥刺舞、鳥刺し踊りなど各地に存在する。」と紹介されております。

そう!西洋に限らず、日本にも鳥刺しは実在しておりました。江戸時代では鷹匠に仕え、タカのエサになる鳥を捕まえていたとも。サオを持っている姿が特徴的で、浮世絵に取り上げられたりもしております。そして、このサオ持ち鳥刺し姿が地域の民俗芸能の中に残っています。

特に有名な芸能が長崎県雲仙市国見町神代(こうじろ)穂高地区に伝わっております「鳥刺し踊り」。鳥を捕まえようとする姿を踊りにしたものです。現地で伝承されているこの芸能・・・これは動画でぜひ見ていただきたい!サオを持つとかそういうレベルではなく、「どうしてこうなった」的なスタイルなんです。説明するより画像を見てほしい、もう。一回見たら忘れないから!

https://youtu.be/1HIRzlc_JDM
出典 www.youtube.com


文章で書くと、顔に白い布を巻き、裸体に9尺フンドシ(約2メートル73センチだそうです)を何と言うか微妙に「見えない」感じに体に巻きつけ、そしてサオを持つ・・・要するにほぼ裸芸です。伝承によると、延享4年(1747年)に佐賀本藩の名代として神代鍋島家の鍋島茂興さんが上洛した時に踊りを習ったのが始まりらしいのですが、そんな由来が頭から吹っ飛ぶ見栄えです。

昨今テレビなどで裸芸を見る機会が増えております。けしからんと顔をしかめる人もいらっしゃるかもしれませんが、楽しいことは楽しい・・・それで良いじゃないですか(笑顔)長崎の鳥刺しのような伝統された芸能もあるのですから(ホホエミ)。

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