思いがけずは宇宙の采配
市販のオレンジティーを買ってきて、たまたま家に桃やキウイフルーツなど果物がいろいろあることに気づいた。
「これにフルーツを入れたら、本気のフルーツティーじゃない♪」
いいことを思いついた!と、まず桃を入れてみたら、どうも自分がイメージした喫茶店で出てくるアイスティーにフルーツが入っている感じにならない。
プカプカと浮かんでいる桃を見て、
「もっと桃を入れたらいいのかな?」
と次々に桃を投入してみた。
すると、後から入れた桃も浮いてしまう。
桃だから浮いてしまうのだろうか?と、キウイフルーツやグレープフルーツも入れてみるが、全部プカプカと浮いてくる。
氷をいっぱい入れたらいいのだろうか?
と、氷をどんどん追加していくうちに、コップの中はフルーツティというより
「フルーツポンチ?」
コップの形も何か違うのかなあ、ストローを差せば良かったのかなあ、と思いながら、桃をパクリ、と口にすると
「美味しい!」
あれこれしているうちにオレンジティーが染みて、美味しいデザートになっていた。
美味しくなったフルーツを、オレンジティーごと頂いた。
自分はこうしたい、と思って向かって行ったものの、思ってもみなかった方向に転じて、それが後から振り返ると、なるほど、と思う出来事が現れることがある。
意識の上では思いがけない出来事も、見えないどこかで、宇宙の采配のようなものが動いていていい感じに納まるようになっているのかもしれない、と思う。
だから、なぜ?という時、思い通りにならない、望んでいた通りにならない時にも、なぜ?と自分や何かを責めるより、その采配を思い切って受け取ってみると、知らなかった意外な味わいに出会えるかもしれない。