作家が生き残る道

初めての記事から2回目の更新がかなり時間がたってしまいました。楽しみにしていたかた(いるのか?)誠に申し訳ございません。

さて、前回は私の自己紹介も兼ねて構成作家というもののあれこれを軽く説明しましたが、今回はその中でも、「演芸作家」という部分に焦点をあてて紹介したいと思います。

まず「芸人さんにネタ書いてます」なんて言うと、開口一番絶対に言われるが、「ネタって芸人自身が書いてると思ってました〜」

そうです。確かに芸人自身もネタは書きます。でもその実、作家存在は少なからずいます。ただし、ここに付け加えると今の作家事情と昔の(わかりやすく言えば漫才ブーム以前)作家事情とは少し異なります。昔は本当に漫才作家という人が存在していて、有名な方では秋田實先生、中田明成先生、本田正織先生、大池晶先生、高見孔二先生などである。秋田、中田両先生はもう鬼籍に入れているが、あとは今も第1線で活躍されており、私自身も教えを請うた。

話が逸れたが、昔と今の違うところは、作家がいてその下に芸人がいるというシステムが崩れたことにある。もっとわかりやすく言えば、作詞家先生、作曲家先生の手が離れたシンガーソングライターの台頭ということだ。

それでもやはり芸人だけで書いていても所詮は脳みそは限られている。今の作家のポジションというのは、いわゆる「ブレーン」と呼ばれる存在だ。ある程度の(だいたい80%くらい)台本を芸人に提供し、それを元に芸人自身が自分なりに完成させていく。

そうやって今の作家は芸人たちと持ちつ持たれつの関係性を保っている。しかしそれもある程度のキャリアをもった作家だけである。我々のような若手作家と呼ばれる人たちはどうやって作家として生きるのか。はっきり言おう。若手芸人たちが手弁当で作り上げている舞台などの進行をやったり、先輩作家のお尻に付いていくくらいしかできない。つまり、何が言いたいかと言えば、「作家」としては食べていけないのだ。

それでも「作家」として生きたいと思うのが心情。

ではどうするのか。結論。営業だ。

自分が「書きたい」と思った芸人のもとへ直接、台本を手渡し、営業するのだ。そうやって地道に芸人との人脈を広げるしかない。

よく芸人や作家は、社会不適合者の集まりだなんて言われるけどとんでもない。

芸人、作家、芸能に携わるものこそ、社会性がないと成り立たないと私は思っている。

もしこれから作家を目指したい人がこれを読んでいるのなら、忠告しておく。

作家は「人の話を素直に聞けること」「コミュニケーション能力が高い」こと。

これが一番必要なのである。

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