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引き出しにしまった話

引き出しにしまい込んだ話がある。ごく短い漫画に仕立てようと思っていたんだけど。文才無いので色々ご勘弁。

舞台は田舎町。不定期な便りが届いた。主人公の娘が誰からだと尋ねる。

「父さんの大事な友達だよ」

20年以上昔のこと。主人公の親友は街を出て行く。高校三年生。親友の家の事情はややこしくて、彼が家を出ると同時に一家は解散することになっていた。親友は実家さえなくなる。帰ってくる場所はないと笑う親友に主人公は自分の家に来れば良いと笑う。それは出来ないと親友は言う。できるだけ遠くに行きたいと。

それから彼は故郷に帰ることなく、主人公の元に葉書や手紙が不定期に届く。カメラマンになった親友は世界中飛び回っている。主人公は故郷の街に帰り就職して家庭を持つ。自由な身分に微に憧れつつも自分の幸せを噛み締めている。親友はどんどん遠くへ遠くへ旅をする。

ある日、最果ての地で行方不明になったと主人公は知らせを受ける

ふと思い出す。あの時、あの日、自分が聞いたあの言葉。それにうまく答えていればこうならなかっただろうか?別れの日に彼が口にした「本当はお前のこと好きだったんだ」驚いて咄嗟に言葉も出なかった。その顔を見つめて悲しそうに笑って旅立った彼になんて言葉をかければよかったのか。違う選択はあったろうか。言われてはじめて自覚した思いをずっとしまい込んでいた。常識とか世間体とかそう言うことから逃れられず仕舞い込んだ想いが溢れ出す。

涙する主人公に娘が問いかける「どうしたの」

「父さんの大事な友達が死んだ」

主人公は手紙の束を引き出しにしまう。

で終わり。

何も始まらないはなしでありました。 

オマケに絵面はおっさんですよ。需要ないでしょw

プロット晒して供養です。 ではでは。





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