#9 ホールニューワールド(高齢者施設での話)
高齢者施設(入所)での話。
今回はJさん(80代/認知症なし)の話。
この日は居室の清掃日だったので、私は1部屋ずつ周りながらベッド下〜お部屋全体の掃除機がけ・水周りの清掃をしていました。
清掃することを伝えると食堂に行って待ってくださる方もいらっしゃいますが、基本的には利用者の方のペースに合わせて、お部屋が空いた時に清掃をしていました。
そして昼過ぎのこと。
陽気なJさんと廊下ですれ違うと「あら、今日お掃除の日?ご苦労さま!あとで私の部屋もお願いね、わんちゃんと待ってるから(^^)」と。
わんちゃんとは、Jさんのお部屋にいる、お孫さんからもらったという犬のぬいぐるみです。
長くお待ちいただくのも悪いなっと思い、キリの良いのところでJさんのお部屋へ行くことにしました。
トントントン
「失礼します。Jさん今からお部屋のお掃除をしてよろしいでしょうか?」
すると、ベッドサイドに座っていたJさんが明るい声で
「はいはい、よろしくね!」
と。
そのまま靴を履いて食堂に行ってくださるのがいつものパターンなのですが、この日は急にベッドの上に正座。そしてベッドの上にいたわんちゃんを抱っこしたかと思うと、そのままベッドのリモコンを片手に上昇!!
あれ…???今日はお部屋でお待ちになるのかぁ…と思ったのち、
すぐに私の頭の中は完全にアラジンのホールニューワールド。
Jさんとわんちゃんの後ろにきれいな夜空さえ見えた気がしてしまいました。
いかんいかん、仕事中に面白いことを想像しては…と口の端から笑みがこぼれそうなのを我慢。
するとJさんから衝撃の一言。
「魔法の絨毯みたいでしょ。」
狙ってたー!!!
Jさんわかってやってたんかー!!!
「ジーニーがいればさ、こんなとこ出てってハワイ行けるのにね、そしたらパーっとやろうよ!」
と、やけに楽しそうでした。
先日お孫さんがディズニーリゾートに行ったという話をしてたので、その時に話したのかな?と思ったのですが、なんでもJさん、昔からディズニー映画が好きだったそうで、1番好きなキャラクターはスティッチだそう。あのかわいさって全世代に伝わるのね!(驚)
清掃が終わると、「今日もありがとうね。」と、魔法の絨毯とともにJさんとわんちゃんが下降。
何歳になっても、想像力豊かで柔軟な頭でいたいなぁと思いました(˶ᐢωᐢ˶)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?