佐原四郎
本を書いてみたいと思うようになった頃、父方の祖父の事を思い出しました。名前は佐原四郎。
明治生まれの祖父は、90歳を過ぎた頃にワープロを習い、2冊の本を自費出版しました。
1冊は自伝のようなもの。もう1冊は地域の歴史や生活、方言などをまとめたものです。自分が書き残さなければ、この文化は消えてしまうという思いだったようです。ワープロに向かうその姿は、とても充実し楽しそうに見えました。
3男だった父が後継となり、私はおじいちゃん、おばあちゃんがいる家庭で育ちました。13人いる孫たちの中で、おじいちゃん、おばあちゃんにいちばん可愛がられていたとの自負もあります。
私にとって父方は守り。本を書いていたような父方の祖父の才能、歌を歌いながら畑に通っていた祖母の気質、受け継いだ人生の課題は血筋である母方の祖母と同じだし、母方の祖父は私の夫と似た気質。
全ては繋がり繰り返し、次の命を紡いでいる。
本を書いていたおじいちゃんも、喜んでくれているかな。
そう。今生きていない先祖にも、感謝や喜びの気持ち、自分たちが幸せに生きている事は届いていて、たくさんのパワーを送ってくれているはずなのです。(大切に受け止めよう)
90歳を過ぎて本を書いていたおじいちゃんの事を思い出したことで、いつまでも好奇心を忘れずに自分の力を信じ、時にはわがままを通し(ここの事情は家族だけの秘密にしておきます)いろいろなことにチャレンジしようと改めて心に刻みました。