ピュアで好き同士な2人の心が急接近した日
〇:よし、できた!
少し早起きをして、初挑戦の髪型を作ってみた。
いつもなら下ろしてる髪を上げた。
理由は簡単。
"ひかるさん"が前髪上げてる方が好きらしいから。
〇:ひかるさんに見てもらえるかな…
淡い期待をして学校に行った。
・・・
ひ:うん、いい感じ!
少し早起きをして、新しい髪型を作ってみた。
普段なら作ってる前髪を分けてみた。
理由は一つ。
"〇〇君"-がデコ出しが好きと言ってたから!
ひ:〇〇君に好きになってもらえたらいいな…
頭に〇〇君を思い浮かべながら学校に行った。
・・・
〇:おはよう…
教室を見渡してもひかるさんはいない。
まだ来てないみたいだった。
??:あれ、〇〇前髪上げてるじゃん。
幼なじみであり、隣の席でもある "理佐" は
僕がひかるさんを好きな事を知っている唯一の友達。
〇:あぁ、まぁ、うん。笑
理:めずらしいじゃん。なんかあった?
〇:いや!別に!なんも…ナイヨ…!?
理:ほんと嘘つくの下手だよね…
理:ひかるちゃん?
〇:は!?え、いや、え、なに。え、ひかるさん来たの!?え、どこどこ!?
周りを見渡しても、ひかるさんいないんだけど!
理:わかりやすっ…
〇:まさか、ひかるさん透明人間になった…?
理:意味わかんないし…
〇:あっ、騙したな?
理:よっぽどひかるちゃんが好きなんだね?笑
うるさっ…
まぁ、初めて一目惚れして好きなんだけど…
ってことで、理佐にひかるさんのことを問い詰められまくった。
・・・
ひ:〇〇君いるかな…?
あ、いた!
あっでも…隣の女の子と仲良さそうに話してる…
理佐さん、だっけ?
すごい仲良いよね…もう付き合ってたりしてるのかな…?
どんどん悪い方に考えてしまっていると、
〇:あっ…
振り返った〇〇君と目が合った。
えっ、前髪上げてる…
私が好きな髪型に…してくれてる…?
・
ふとドアの方を振り返ると
〇:あっ、ひかるさんだ…!って、えっ、
〇:ひかるさんが前髪分けてる…
なんで…僕が好きな髪型に…
いつもの可愛さもあるけど綺麗さが増してて…
ほんとに、呼吸がっ、苦しくなるぐらい、
かわいいっ…
・
ひ:前髪上げ…かっこよすぎ…
いつもは、可愛さもあるのにかっこよさ全開。
むりむり…!
かっこよすぎて、心臓が苦しい…
私の目が幸せを感じすぎて、脳まで幸せを感知しすぎてる…
胸が苦しい…でも、それほど…
ひ:やっぱ、〇〇君好きっ…
・
お互いに見つめあって、ドキドキが止まらなかった中
それを止めたのはチャイムだった。
現実に戻った2人は、ちゃんと席に座ってHRが始まった。
でも、2人の脳内はずっとお互いのことでいっっぱいで
もう、授業なんてどうでもよかった。
先生:えーっと、だからここの答えは、
〇:ひかるさんって…数学好きなのかな…?
好きだったら、教えてもらいたいなぁ…
苦手だとしても一緒に勉強できたらな…笑
"ひ:〇〇君、ここわかんない…教えて…?"
とか言われちゃって…
王道イチャイチャすぎるけど…かわいいな…
ひ:〇〇君、真面目に授業受けてる…
偉いなぁ…
私、なんにもわかんないし、つまんなくて寝ちゃいそうなのに…
〇〇君と席が隣だったらなぁ…
"〇:ひかるさん起きて…!先生に怒られるよ…!"
とか言ってもらえるのかなぁ…
それなら嘘でも寝てたいな…笑
と、お互いに妄想ばかり。
ペンは動かなくても、脳内には好きな人との妄想が沢山書きつくされている。
そしてそれを傍から眺める理佐。
理:いい加減付き合いなよ…
見えない赤い糸で繋がってる2人は
いつ、この糸の存在に気づけるのか。
私が教えてもいいんだけどねぇ…
もしかしたらここにキューピッドが…?
・・・
理:この曲、ひかるちゃんが好きらしいよ?
時間は流れて放課後。
〇〇と一緒に歩いて帰っている。
〇:どこ情報?
理:本人情報。
〇:え、どの曲!?
理:これ。
スマホで曲を見せつける。
ちなみに、ひかるちゃんにも同じ曲を
"〇〇がこの曲好きらしいよ!"
って教えた。
まぁ、お試しに曲から2人を繋げてみようかな?
〇:ありがと!家帰ったらすぐ聴く!
理:はいはい。
〇:でも、なんで教えてくれたの?
理:んー…気の迷いかな?
〇:なにそれ。笑
うるさい…
ここで、実は両想いなんだよ?って言えるわけないじゃん!
お互い、本来なら好きバレしてると思うんだけど…
〇:じゃ、また明日。この曲ありがと!
理:あっ、うん。また明日。
手を振って別れていく。
私がキューピッドかぁ…
〇〇とひかるちゃんの結婚式で色々バラしちゃおうかな…?笑
って…!私も早く彼氏作らないと…!
2人を気にしすぎて自分の事忘れてた…
・・・
22:00
奇遇に2人は窓を開けながら、イヤホンをして例の曲を聴いていた。
自然と心の中で〇〇君への想いが溢れて言った
"ひ:〇〇君こういう系が好きなんだ… "
青春っ!を歌にしたようなラブソング。
"〇:ひかるさん、こういう系統が好きなんだ…"
なんか、好きな人の好きなものを感じれているのが嬉しい。
"ひ:〇〇君もこういう青春したいのかな…?"
その青春の相手が私だったらなぁ…
"〇:ひかるさんも、この街のどこかで聴いてるのかな…?"
そうだと、なんか運命みたいで嬉しいな…笑
"ひ:私もっと〇〇君を知りたい…"
他の好きなものとか、嫌いなものも、
"〇:ひかるさんにもっと近づきたい…"
大切なものも、夢も、全部全部もっと知りたい。
もっともっと知って、そして、
"ひ:〇〇君に、私を知って欲しい…"
教えたい。
私の好きなものも、嫌いなものも、全部。
"〇:ひかるさんの全部を好きになりたい… "
好きになって、好きになって欲しい。
"そして、願いが叶うなら愛し合いたい。"
自然とこんなに気持ちが溢れちゃって、
やっぱり、自分、
"〇:ひかるさんのこと… "
"ひ:〇〇君のこと… "
" 本当に大好きになってる… "
2人は、同じ曲を聴きながらいつの間にか寝落ちしていた。
・
理:〇〇が遅い…
次の日の朝。
いつも来てる時間になっても〇〇が来ていない。
ひかるちゃんはもう来ている。
〇:おはよ…
理:あっ、おはよ。曲、どうだった?
〇:めっちゃ良かった…けど…
〇:なんか恥ずかしくてひかるさん見れない…!
…ピュアすぎない?
小学生でも、もう少し積極的だと思うんだけど…
でも、そんなところが2人らしいか…笑
理:よしっ!ほら、行くよ!
〇〇の腕を掴んで、歩き出す。
もう、私が2人を近づけてみせる!
〇:えっ、どこに!?
理:いいから!
・・・
〇:えっ、って…えぇっ!?
理佐に連れてこられたのは、な、なんと、
ひかるさんの席。
そう、今、目の前に、ひかるさんがいる。
ひ:えっ…〇〇君…?
〇: …あっ、あ、あ、えっ、理佐…!?
理:じゃ私はここら辺で〜
そう言い残し、教室から出ていく理佐。
おいおい!なにやってくれてんだよ!
でも僕も逃げる訳にも行かないし…
〇:えーっと…おはようございます…
ひ:あっ…おはよう…ございます…
…
気まずい。
僕のコミュ力がないのも問題だけど!
話したこともままならない好きな人なんだから!
理:なに挨拶交わして無言になってんの…
〇:えーっと…あのぉ…
ひ:わ、わたし!
〇:えっ!?
ひ:あっ…ちょっと伝えたいことがあって…
〇: …えっ!?
ひ:その…あの…
待って待って、これって、まさか、
え、いやいや、早くない!?
まず言うなら僕からだと思うし、いやでも…
ひ:わ、わたしっ!数学が、苦手ですっ!!
…え?
〇:えっあっ…僕も苦手です!
ひ:えっ…そうなの…?
〇:うん…ちょっと苦手で…笑
ひ:あっじゃあ…同じのが苦手だったんだね。笑
〇:うん、なんか嬉しいかも。笑
あれ、意外と自然と会話できてない?
え、すごくない!?!?
理:なんだ、いい感じじゃん。笑
ひ:あっごめん、タメ口使っちゃって…
〇:あっ、いや、大丈夫!同い年だし!うん!
ひ:そうだね…じゃあタメ口でいい…かな?
〇:うん、僕もタメ口でいくね。笑
ひ:〇〇君とタメ口で会話…やった…笑
やばい、待って、言わせて。
かわいい!!!
ひ:〇〇君は…私の事知ってた…?
〇:えっ、もちろん!もう、ずっと、見てました…あ、いや、見てましたってキモイか…
ひ:あっ、ううん!私もずっと…見てたから…//
〇:えっ…僕と同じ…
それって、僕がひかるさんを好きなように
ひかるさんも僕のことを…?
ひ:えーっと…〇、〇〇君っ!
なんとタイミングが悪いのかチャイムが鳴った。
なにを伝えようとしたのか気になったけど、一旦席に帰った。
でも、でもでも、でもでもでも!!
一気に距離が縮まったことが嬉しかった。
"〇:ひかるさんとタメ口か…笑"
"ひ:〇〇君とタメ口…それって…友達に…!"
"〇:ひかるさんの笑顔かわいかったな…"
"ひ:〇〇君、すごい優しかったな…"
"〇:てか、僕のこと見てくれてたって…"
"ひ:〇〇君が私の事見てた…?"
"〇:え、僕がひかるさんをずっと見てたのバレてたかな…!?"
"ひ:やだぁ…私ストーカーだと思われてないかな…?"
"〇:でも…ひかるさんのことが…"
"ひ:でも…〇〇君のことが… "
" もっと大好きになっちゃったじゃんっ…!"
同じことを考えて、同じように頭を抱え込んで机に伏せてる2人。
そして、またまたそれを眺める私。
理:もう2人とも…なにやってんの…!
まだこの2人が結ばれるのは遠い未来のようです。
いや、もしかしたら…意外とすぐかも…?