2024.11.7
彼氏がグラタンを作ってくれた。
今期の初雪が降った。
普段自炊をしない彼が、雪の中買い物をして、慣れない手つきで料理する様を温められたこたつから眺める。愛されているな、と思った。
最近彼が優しい。元々優しい彼だけど、明らかに気を使っている。
私のあたりが強いことを、彼は気が付いているのだろうか。
生活を共にする時間が増えると、甘えが出てしまう。天邪鬼な私は、相手に自分の価値観を押し付けてしまう。
彼と比べると、こだわりが強い。もはや強迫観念の一種の感情たちを誰かと一緒に暮らしながら両立することはできるのだろうか。
自分のペースをできる限り崩したくないくせに、一緒にいたい。そのわがままが、価値観の押し付けという形になって露呈している。
誰かと付き合い続けると、自分はつくづく不出来で面倒な人間だと思う。感情を隠せないくせに、論理的でプライドが高い。素直に自分の要求を伝えたほうがよっぽど健全だとわかっていても、言葉に出来ない。察してもらって何とかなっている現状が、自分が情けない。
彼に本気で自由でいてほしいと思っている。そのままでいてほしい。私も、自立していたいし、自由でありたい。依存ではなく共生していたい。理想を自分の陰が拒む。そんな自分がなくなる日は来るのだろうか。
彼の作る料理はいつも優しくて、あったかい。
わたしは少し泣きそうになる。
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