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UI/UXデザイン学習者が「行動を変えるデザイン」を読んでみた

はじめに

こんにちは。Yuiです。
突然ですが、「行動を変えるデザイン」をご存知でしょうか?これです。

行動経済学っぽい話とか心理学っぽい話とか、人の心と行動を動かす系が大好物な私はときめいて即買い(いえ、お値段がお値段なのでちょっと悩んだ)したのですが、まぁとてもボリューミーで、読みかけたもののいつの間にか積読してしまっていました。

しかし、せっかく名著を手に入れたのに読まないのはもったいないと思い立ち、今回再チャレンジ。本1冊に含まれる情報が盛りだくさんで、整理しながら読まないと混乱してしまいそうなので、要約をこのnoteにまとめながら読んでいきたいと思います!

第I部 心の働きと行動変容を理解する

第1章 心は次にやることをどうやって決めているのか

  • 人の心理モードには直感の心理熟慮の心理があり、自分でも気づかないうちに直感的な反応と行動が生じている。直感的な反応とは多くの場合、過去の経験の連想に過ぎない。

  • さらに私たちはしばしば習慣に基づいて行動している。習慣は意識の制御の外にある。

  • 心は、習慣や直感的な反応のように意識的な心の動きを回避しているときだけでなく、意識的に考えているときですら、手抜きをしようとする。

🤔人の心はとにかくサボりたがるんだなあ〜

第2章 なぜ他でもないその行動をするのか

「今〇〇をしよう」と思うための5つのファネル=CREATEアクションファネル。どのステージも他の選択肢との相対評価であり、人によっても異なる。また、行動するたびにファネルも変化する。

  1. キュー:考えるきっかけ。内部のキューと外部のキューがある

  2. 反応:直感的な反応。快不快に関わる感覚的なことや連想したことなど

  3. 評価:費用対効果。メリット、コスト、他の選択肢との比較での評価

  4. アビリティ:できそうか。目的を達成するためのプロセスを知っているか、資金や環境といったリソース、スキル、うまくいく確信

  5. タイミング:いつ行動するのが良いか。緊急性がある、具体的な時刻を決めている、誰かに約束している、楽しみで仕方がない

🤔5つのステージをすべて無事通過するのは難しそうだ。。。

第3章 行動を変える戦略

ユーザーの行動を変え、実行を手助けする3つの戦略。

  1. チート戦略:望ましい行動をデフォルトにする。ユーザーが同意の上で、元々やっている行動のついでに目当ての行動をしてもらう。繰り返して行う面倒なタスク部分を自動化する。

  2. 習慣をつくる、変えるキュー(きっかけ)、ルーティンリワード(報酬)の設定で習慣をつくる。また、すでにある習慣を変えるためには5つの選択肢がある。

    1. キューを避ける:環境や目に入るものを変える

    2. ルーティンを別のものに置き換える

    3. 意志の力で干渉する

    4. マインドフルネスを活用してキューに反応しないようにする

    5. 新しい行動で今までの習慣を追い出す

  3. 意識的な行動を助ける:上記2つの実行判断。また、行動が複雑で目新しいなど、上記2つの戦略が取れないとき。

🤔習慣を変えるのって難しいよね。。。

第Ⅱ部 適切な成果、行動、アクターを見つけ出す

第4章 何を達成したいのかを明らかにする
第5章 適切なターゲットアクションを選択する

実際にデザインに取りかかる前に、ターゲットアウトカム(目指すべき成果)、ターゲットアクター(誰に使ってもらいたいか)、ターゲットアクション(どのように成果を達成するのか)の3つが明らかになっている必要がある。以下の5つの段階で行動を探索する。

  1. プロダクトが実現したいビジョンを明確にする

  2. 求める成果を特定する:個人の頭の中ではなく外にあり、明確で測定可能な成果であるべき

  3. ユーザーが取りうる行動の一覧をつくる:目標を実現するための行動(自社のストライクゾーンに収まるもの)をリストアップし、それぞれの行動について「誰が」「具体的にはどのような」「どのように目指す成果につながるのか」を定義する。

  4. ユーザーを知り、彼らにできること、関心を持つことを把握する:具体的にどのようなユーザーで、日常生活及びアプリ内でどう振る舞っているか

  5. ありうる行動の一覧を精査し最適な一つを選択する:一覧にした行動を、効果の大きさ・ユーザーの動機の強さ・容易さ・コストで評価し1つに絞り込む

🤔「誰がどのように行動してどんな成果を出すのを目指すのか」を明確にすることが大事なんだなぁ〜

第Ⅲ部 適切な成果、行動、アクターを見つけ出す

第6章 行動を構造化する

行動を促す文脈を作り出すために、以下のステップでまず行動を構造化する必要がある。

  1. プロダクトの内外で必要な行動を詳細に書き出す

  2. 主要なペルソナの視点で、それを通しで確認する

  3. 行動をシンプルにする:実用最小限にまで削ぎ落とす、チートにする

  4. 行動を簡単そうに見せる

第7章 環境を構築する

ここでの「環境」には、プロダクトそのものとユーザーのローカル環境の2つの意味がある。ユーザーの行動を支援するための方法は次の5つがある。

  1. 動機を高める

  2. 行動を取るようにキュー(きっかけ)を出す:プロダクトからユーザーに依頼するなど

  3. フィードバックループを生み出す:即時にフィードバックされ、フィードバックの意味が理解でき、受け取った後どう行動すべきかがわかる必要がある

  4. 競合に打ち勝つ:競合とは、やる気を削いでいるもの、ターゲットアクションに気づくのを阻んでいるもの、簡単でシンプルな他の行動

  5. 障害を取り除くか回避する:ビヘイビアプランに目を通し、それらの障害がユーザーの行動を妨げていないか確認する

第8章 ユーザー自身を準備する

行動に必要な知識や技能、自信を与えることで、ユーザー自身を準備する。準備するには3つの戦術がとりうる。

  1. ユーザーの、今に至るまでの自分自身に対する解釈を変える

  2. ユーザーが取りたい行動と過去の経験とを関連づけ、心理的なつながりをつくる

  3. ユーザーを教育する:ユーザーのスキルを変えるのは時間がかかるが、初期のうちから、のちに必要なスキルを育てることはできる

第Ⅳ部 インターフェースをデザインし、実装する

第9章 インターフェースデザインを実装する

ここまでのコンセプトレベルのデザインをインターフェースデザインにしていくために、ビヘイビアプランからユーザーストーリーや仕様を書き出す必要がある。この時、インターフェースデザインがビヘイビアプランに強く引っ張られないように意識したい。つい、我々がユーザーにして欲しいことを、ユーザーが望む通りに実際に行うと考えてしまいがちだ。
また、行動を変えるプロダクトのデザインパターン(雛形)がいくつかあり、事業やプロダクト、カルチャーやユーザーに馴染むものを選ぶのがよい。
そして、ワイヤーフレームを描き出す。

😄ここでは詳しく触れないけれど、デザインパターンの例示は読んでいてワクワクした!

第10章 インターフェースデザインを見直す

第2章で登場したCREATEアクションファネルで課題を見つける。大きい課題は第6章〜第8章のプロセス(行動、環境、ユーザー自身)をもう一度なぞることで見直す。

第11章 デザインからコードへ

インターフェースデザインができたら実装に移る前に実地検証をする。この時、「成功」の定義を念頭に置くことと、言葉ではなくユーザーの行動に着目することが大事だ。加えて、短くて単純なインタラクションほど完了しやすいため、インタラクションの削減余地を探すのがよい。

開発においては、MVA(必要最小限のアクション)が確かに実現されているか、ユーザー体験に一時停止や非効率がないかに目を配る。また、バグはユーザーからの信用を傷つけ安心感を損ねるため、必ず取り除く。

🤔言葉でなく行動に着目すること、MVPをつくることは、本書以外でもよく言われる。きっととても大事なんだな〜

第Ⅴ部 プロダクトを改善する

第12章 効果を測定する

4章第5章で登場した「ターゲットアウトカム(目指すべき成果)」をはっきりさせ、成果指標行動指標の2つの指標を定義する。指標は、対象・測定方法・期間を明確にした方がよい。また、測定前に「成功」と「失敗」の閾値を具体的に決めておくことも必要だ。

🤔指標や定義を決めておかないとブレブレになるよね。。。

第13章 行動の障害を見つける
第14章 プロダクトを学び、改善する

プロダクトの効果改善の方法5つ。

  1. 実際のユーザーがプロダクトを使うところを見る:うまくいっていないところ、もっと自然に行動できる方法を探す

  2. データを確認する

    1. ターゲットアクションに至るまでにユーザーの比率がどう変化するか

    2. 行動と成果の関係性をあらためてチェックする

    3. ユーザーの母集団をセグメントに分ける

    4. 成果に至るまでにユーザーがたどる順路(想定順路以外も含む)を因果マップにする

  3. なぜ問題が起き、何をしたら解決できるのかを見つける:問題の箇所を除外する、ユーザーにインタビューする、CREATEアクションファネルで検証する

  4. 優先順位をつけ、プロダクト開発のプロセスにのせる

  5. 優先度の高い変更によって生じた行動への影響を検証する

🤔地道で根気強い検証が必要だな〜

第Ⅵ部 実践に投入する

第15章 ケーススタディ・よくある質問

  • なぜどのようにわたしたちは行動するのか?

    • はじめて行動する瞬間、日を追うごとの変化、ユーザー体験による使い方の変化

  • どうやってプロダクトをつくるのか?

    • 外部の研究者に手伝ってもらう方法、ユーザーとプロダクトの関わりの維持、押し付けを避けるには、行動変容とビジネスモデルとの関係

第16章 結論

これまでの振り返り。行動の実行を促すプロダクトをつくるために必要な4つのこと

  1. 心の動きを理解する

  2. プロダクトが狙うターゲットアウトカムとユーザーを明確にする

  3. プロダクトがユーザーを手助けするやり方を詳細に計画する

  4. 完璧でないことを受け入れ継続的に改善を続ける

おわりに

読み終わりました。そして本書未読の読者に全く優しくない要約まとめになってしまいました。
一読しただけで全部実践できるものではとてもないので、また何度も読み返すと思います。
生まれも育ちも環境も考えも一人ひとり全く違うからこそ、人の行動を変えるのはとても複雑で難しいことですが、自分が携わるプロダクトが人の心と行動を少しでも動かす日が来ると信じて引き続き学習に励んでいきます。

行動変容デザインについて体系的かつ実践的にまとまっている良書ですので気になった方はぜひ読んでみてください!

それでは👋

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