生活を彩る

あの冬の夜に偶然出会った彼女に会いたくて

私は静かに夜の街路樹をすり抜けた

しかし何故だかこの冬は去年とは違って

まだ鼻が赤くなるほどではなくて

全ての風景が同じでなければ会えないのでは

何度目かの心配が私を叩く

1㎝の生姜と大匙一杯の蜂蜜を溶かした湯が

今の私を動かしている

ぜんまい仕掛けとでも言おうか

突然思い出したあの日と同じ日にちが

暖かな部屋で喉を通り過ぎた甘さが

まるで誰かに操られているような

そうとでも考えなければ可笑しい話だ

半信半疑の足取りで時々躓きながら



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