ドラえもん のび太の恐竜
【ドラえもん/のび太の恐竜記】
静岡市は私の家からは電車でも車でもなかなかに遠い場所なんですが、そんな場所によく私を連れていってくれました。
どらえもんの映画を見に連れていってもらったことをよく覚えているんですが、その記憶の中の私もどうしようもなく腹が立つ。両頬を力の限りぶん殴りたい。
映画を見たまではいいんです。
ものすごく感動し、泣いた記憶も残っています。
きっと一緒に見ていた祖母も感動していたはず。
孫と一緒に静岡まで遠出し、良い映画を見てとても温かく良い気持ちでシアターから出たはず。
それからですよ。
ロビーというか、映画館にはパンフレットやグッズが置いてあるコーナーがあるじゃないですか。
そこにね、とびっきり大きなドラえもんのぬいぐるみが置いてあったんです。
普通に抱えては帰れないくらいの大きさ。今考えれば非売品に違いない大きさなんですが、それを欲しがったんです。しかも、ギャーギャー泣きわめいての大騒ぎ。
恥ですよ恥。みっともない。
「これは買えないよ。」と言われた私の口からでた言葉は
「おばあちゃんなんかだいっきらい」
どうしようもなくわがままで最低な発言です。
祖母は何も悪くなく間違ってもいない。
普通の子ならば気持ちをグッと堪え諦めるでしょう。買うことも、祖母にその様な悪い言葉を発する事も。
しかし私は出来なかったのです。どうしようもなく我が強い。
「そんな性格だから未だに結婚できないんだ」
そうです、やっとわかりました、そりゃあできないわけですこの歳になっても。
それを今どうこうあがいても仕方がないのでその件は置いといて、私が映画館でどのくらい泣きわめいたかというのは記憶にないのですが、私の姪の様子を見て想像するに、それはもうとんでもない騒ぎっぷりだっただろうと。
姪は良い子ですよ。私とは違い、人の気持ちを考えられる優しい子。
ですが、一度納得できないことがあるとそれはもう周囲に響き渡るほどの大きな声で叫び散らします。離れで暮らしてはいますが、その叫び声で飛び起きてしまったことが何度も。
田舎なので大丈夫ですが、町中だったら近所の人から虐待を疑われるんじゃないかとヒヤヒヤするくらいの泣きわめきようなんです。(重ね重ねになりますが、元々はとても優しい子なんです。普段色々と我慢していてストレスが爆発しちゃうんじゃないかな?)
で、「元々何もストレスなんかためてないし少しの我慢もしてないくせにただただワガママでわめきちらしてたであろう方」の私ですが、きっと静岡の映画館で回りの人たちが耳を塞ぐほどの大声でわめきちらしていたんじゃないかと想像してしまうのです。
今の姪の様子を見ながら、その姿を幼い私の記憶に重ね、祖母はそれはそれは恥ずかしい思いをしたんだろうと思わざるを得ません。
恐らく非売品であろう規模の巨大ドラえもんを欲しがり泣き叫ぶ女児、自分のワガママを通そうとするばかりでなく祖母に「大嫌い」と暴言を吐く女児。最低で最悪です。本当に今タイムマシーンで行ってぶん殴りたい。
こんなどうしようもないワガママな孫に、帰る時には持てるサイズの可愛いドラえもんのぬいぐるみを買ってくれたんですから、祖母の心の広さといったら図り知れません。
なんで私はあんなに(未だに)どうしようもなかった(どうしようもない)のだろう。
優しく愛情を山ほど注いでくれた祖母に、孝行するまでいかずとも、せめて迷惑をかけず辛い思いをさせないように過ごせたら良かったのにと後悔しか出てこない。
まだまだあるんです、私のどうしようもない話。
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