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NVIDIAと日本の関係とは?②ソブリンAI

ソブリンAIとは?


各国が自国の命運をかけ、投資を加速し開発を急いでいるソブリンAI。これを各国が主権を持つ「国家的AI技術」と考えてよいかと思います。

ソブリンAIに関してはOXFOD ACADEMIC(オンライン)に掲載中の論文(Data Sovereignty: From the Digital Silk Road to the Return of the State)で中国、欧州、米国におけるAI政策の違いがまとめられています。

この論文によれば、中国は他国に先んじてサイバー戦略を構築してきたようです。2010年、サイバー主権の概念を発表し、2017年、習近平国家主席はオンライン主権に関する国家ビジョン「サイバースペースにおける国際協力戦略」を発表。AI技術者の数は不明ながら中国の論文数は突出しています。

※Copilotによれば、AI関連の論文数(2016-2020)は以下の通り:

  1. 中国:76,300

  2. 米国:44,400

  3. インド:27,000

民主主義的なスマートシティとは?


国民の完全監視体制を誇示する中国。個人のプライバシーを重視する欧州。アメリカはグーグル、Facebook、アマゾンといったIT大手によるデータ技術の覇者に主権を委ね、ならず者国家に対抗できるのでしょうか。

そして日本は欧米のAI規制を手本に、どこまで民主主義的にスマートシティ(監視体制)を構築するのでしょうか。

今後、日本ではNVIDIAのAI技術を活用した創薬や災害対策、交通インフラ、過疎化対策、金融教育、自動車などの分野で人々の生活を豊かに安全にする事例が発表されていくことでしょう。

※以下はNVIDIAのブログからの抜粋です:

NVIDIAの目指すソブリン AI とは?

ソブリン AI とは、国が自国のインフラ、データ、労働力、ビジネス ネットワークを用いて人工知能を生み出すことができる能力を指します。
  
各国は、経済を発展させ、自国のデータを管理し、そして交通、通信、商業、エンターテインメント、ヘルスケアといった分野でテクノロジの機会を活用するために、長年にわたり国内のインフラに投資してきました。
現代の最も重要なテクノロジである AI は、社会のあらゆる面でイノベーションを加速させています。AI が生み出す経済的利益と生産性向上は、数兆ドル規模に達すると見込まれています。

各国は、そうした便益を自国で生み出し自国のために利用できるよう、ソブリン AI に投資しています。ソブリン AI とは、国が自国のインフラ、データ、労働力、ビジネス ネットワークを用いて人工知能を生み出すことができる能力を指します。

NVIDIA BLOG「ソブリン AI とは?」

日本におけるソブリンAI

日本もソブリン AI に大いに注力しており、NVIDIA との協業のもと、人材のスキル向上や日本語モデル開発の支援のほか、自然災害対応や気候レジリエンスを実現する AI の導入拡大などに取り組んでいます。こうした取り組みには、ソフトバンク株式会社のような大手企業が NVIDIA と協業して 5G / 6G アプリケーション用の生成 AI プラットフォームや分散型 AI ファクトリーのネットワークを構築できるよう奨励する官民パートナーシップも含まれています。

NVIDIAの強みは[AIクラウド]

NVIDIAは「半導体+ソフトウェア」の開発やAIの基盤となるアプリケーション・フレームワークの開発に加え、AIをクラウドで利用するプラットフォームを提供できることが他社にはない強みとなっています。

国内の創薬を加速させるAIプロジェクト「Tokyo-1」

※以下はHBR(ハーバードビジネスレヴュー)広告頁「AIで社会を切り拓くカギは、“つながる”データとエコシステム」からの抜粋です。

大崎真孝(エヌビディア 日本代表兼米国本社副社長)

私たちが開発しているのは、エヌビディアのハードウェア上でアプリケーションを動かすためのシステムソフトウェアや、よりスムーズなAI開発を支えるアプリケーション・フレームワークなどですが、そのソフトとハードをオンプレミス環境だけでなくクラウドでも同一のアーキテクチャーで活用いただけるプラットフォームを提供していることが、他社にはない大きな差別化要因になっていると思います。

AIを効果的に開発・活用するにはエコシステムやアライアンスの形成が重要なカギになります。三井物産と当社が協業し、国内の創薬研究の加速を目指すプロジェクト「Tokyo-1」が2024年から本格的に始動しました。

アステラス製薬、第一三共、小野薬品工業の3社がこのプロジェクトに参加していますが、参加企業はエヌビディアのスーパーコンピュータや創薬用の生成AIプラットフォームを利用できるほか、非競争領域において定期的な情報交換や知見共有を行います。高解像度分子動力学シミュレーションや生成AIモデルなどの開発・活用を促進し、日本の創薬力を高めるプロジェクトとして期待されています。

日本発のユースケースを世界に発信
私はここ5年ほど、ずっと悔しい思いをしてきました。というのも、AIの先進的なユースケースが海外発のものばかりだからです。日本のポテンシャルを確信しているだけに、世界に通用する日本発のユースケースを発信していきたいと思っています。

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