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草木染め@桜 近隣の桜の木が伐採されてしまう・・・

春になると、向かいの桜が綺麗に花を咲かせます。毎年楽しみにしている桜。
しかし、その桜の木が伐採されてしまうことになり、まずは枝が切られていました。次々に「廃棄物」のトラックに運び込まれていく桜の枝。慌てて業者の方に「その枝いただけませんか?!」と声をかけたところ、「どうせ捨てるから、いくらでも持っていっていいよ」とのことでした。
「どうせ捨てる」というその言葉に悲しくなりつつも、いそいそといくらかの枝を頂きてきました。

染め上がった絹糸
「わたし桜ですよ」という美しいピンク
写真ではうまくとらえられない・・・

桜を染めることは、小学生の頃からの憧れでした。それは「草木染め」をしたいというよりも「実験をしたい」という感覚だったのかも知れません。
「言葉の力」というエッセイが教科書にもあり、そこにも書かれていた、染織家志村ふくみさんの言葉に「花びらから美しい桜色を染めるのではなく、あのゴツゴツして皮や枝から」色をいただくのだと言われていたことを、本当かどうかをずっと試したかったのです。小学生の頃は叶いませんでしたが。

枝を入れて煮出すところ

草木染めのワークショップにいき、桜染めに出会った時には本当に「ほぉぉ・・」っとため息をつき感動したものです。
草木染めのノウハウを少しだけわかるようになったこの頃は、桜の木を見るたびにどうにかその枝をいただけないかと考えて歩いています。

1時間コトコトと煮出したもの
紅茶のような色が出てきた
このあと攪拌して空気と混ぜて赤味を出す

今回はある意味良い機会でした。
桜の花が咲く前の、蕾がまだまだ固いこの時期は、幹や枝に色を溜め込んでいるに違いありません。
この桜が育った環境や、気候、切るタイミングで、いただける色に違いは出てきます。どのような色になっても、長年楽しませてくれたこの桜の思い出が糸に集まってくれればいいなと思いました。

水洗い中

少し黄色味の強いピンクをいただきました。
本当に、可愛らしい。
そして、ここに何十年もたっていた「その桜」の色です。

織って裂にして眺めたいです。

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