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ハイコストパフォーマンスマイク特集(音楽用 加筆中)



色んなマイクがあるんで「何買ったらいいんですか?」てよく聞かれる。

ので、「ノイマンU87Ai買えば間違いありません。ただし30万円超え」と答えることにしている(笑)

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本当に素晴らしいマイクで非の打ち所がない。ホール収録によしオンマイクによし。ホワイトノイズも少ないらしい。レコーディングスタジオにこのマイクが無いところなんて無いんじゃないかな?

でも個人で、ましてや宅録で揃えるにはあまりにも高価。頑張って一本買うのもいいけれど・・・

音楽系生配信スタジオとして稼働し始めたWAO亭 Studioだけど、言うても個人で趣味で始めたものなんで、そうそう高価なマイクを一気に10本単位で揃えられる訳もなく、とにかくコスパを追い求めてセレクト。

で、ここでは個人的に「お、これええやん!」てなったマイクを備忘録的に書き連ねます。時間が出来たら比較動画も撮ります(いつになるんだかw)

周波数特性とか指向性とかSN比とか、その辺はまた別ページにまとめます。多分。


■ Shure SM57 10000円

50年以上の長きにわたりスタンダードマイクとして君臨。そこに異論を挟む人はいないでしょう。

「悩んだら57行っとけ」と言われるくらい無難でスタンダード。

「じゃぁ素晴らしい周波数特性なのですか?」と聞かれたらNO。

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クラシック音楽をホールで収録するには不向き(それでもオモチャみたいなマイクよりは全然いいけれど)。

近接効果を見込んで200Hzから急降下。これをホール収録で使ったら低域がバッサリ落ちた音にしかならない。

楽器に近いところでの収録に本領発揮。SM57のボーカル仕様でSM58があるけれど、SM57用のウィンドスクリーンが売ってるので、屋外で使いたい or ボーカルで使いたい時は装着すればオケ。

小さいけれどスポンジ内蔵されてるので案外吹かれに強いし、ポップガードつければアナウンスやヴォーカルにも非常にいい。

グリル付きのSM58はSM57にグリルつけたものと言っていいので(厳密には色々ある)、SM57買ってポップガードやウィンドスクリーン付ければコスパ良し。

アメリカの大統領演説では長きにわたってSM57にウィンドスクリーンを付けたものが二つ使われているのは有名な話。

なぜ二本なのかは知らん(笑)

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上も下も伸びきっていないけれど、自然で扱いやすい音で収録できる。近接効果をあらかじめ見込んであるから、200Hz以下が急降下しているから楽器に近づけても自然な感じになる。

この特性を把握しないで「このマイクはダメだ」と言う人もいるけれど、そこは使い所を間違ってるかなー?と。


■ AKG D5 5800円

超単一指向性

何故かサウンドハウスでだけ5800円で売っている。販売拡大戦略かな?生産中止らしいんで、気になる人は急げ!

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超単一指向性で下がかなり伸びている。上も15kHzちょいまでは十分に担保されている。

また、低域はSM57と似たようなもんに見えるけれど、これがかなり盛大にローを拾う。まぁ拾うっても100Hzくらいだけど、近接させるともっと伸びる。

ちょっとしたコンデンサーマイクのような繊細さとダイナミックマイクの力強さ、低域の伸びと量、が合間って、非常に気に入っている。

ダイナミックマイクを一本でも多く揃えたい場合の第一候補。

歌によし金管楽器によしサックスによしで、10本揃えたけど、もっと欲しい(笑)

タムに使うとビックリするようなドスの効いた音が録れるし、超単一指向性なので比較的被りも少ない。

ただし、ピアノなんかで使うと、どこか「ガムを噛んだような音」になりがち。恐らく近接効果で200Hz辺りが持ち上がっていて、その辺をEQで落とすとスッキリする。

あと、ごついグリルがあるけれど、ポップノイズには意外に弱い。この動画のヴォーカルがD5なんだけどポップガード付けて収録。



↓タムにD5 「ドゥーン!」ってドスの効いたタム


■ AKG P220 13000円

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単一指向性

これがまた非常にいい。いわゆるAKGサウンド、C414系の音がちゃんとしてて、繊細で「音源との距離が近い」感じで録りたい場合にも非常にいい。

AKGサウンドって勝手に命名してるだけなんだけど、C414系の「高域がちょっと煌びやかで繊細、低域もブーミーにならずキチンと録れる万能型」みたいな感じ。

これで13000円は、とってもとってもお買い得。ホワイトノイズも十分に少ない。

なんて言えばいいんだろうか?「ちゃんとしたラージダイアフラムの音がして、その楽器らしい、その場(マイクの位置)で聞いた感じに非常に近い」と言えばいいかな?

ただし、10kHz辺りの軽いピークと50Hz辺りの5dBくらいのピークは覚えていたほうがいい。

例えばピアノの中に突っ込んで使うとかなり低域が「ドーン」て録れる。それはそれでいいんだけど、結構ローカットした方がいいかなー?て思うときも多い。

このマイクに限らず、周波数特性と指向性くらいは大体頭に入れておけば大失敗は免れる。

「安価にラージダイアフラムコンデンサーマイクの音が欲しかったら、これ一択」と言っていい。

ちょびっとだけでムサイWAOさんですが(笑)、どうぞー


■ AKG P420 22000円

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単一指向性(カーディオイド)・無指向性・双指向性 切り替え可能

「デュアルダイアフラム構成を採用し、近接効果の影響を大幅に抑制」

ここちょっとポイントかも?デュアルダイアフラムの構造は良く分からないんだけど、確かに楽器に近づけて行っても低域が「ドワー!」っと増えていく感じが少ない。

ので、人によっては「甲高いじゃん」とかってレビューがあるんだけど、それはその辺を理解してないからかな?

指向性を切り替えて行った時の周波数特性の変化は、一般的なラージダイアフラムの物理的性質で、かなり違うのは仕方ない。聴感上はここまでの差はない。

とにかく「指向性の切り替えが出来るラージダイアフラムコンデンサーマイクで信頼できるマイクの最安値」と言える。

P220との比較だけれども、質感はほぼ同じで、周波数特性通りというか、P220の若干高域のピーク、が感じにくくなって、より自然な質感になったと言えばいいだろうか?

ブラインドテストで超高級マイクと比較しても、恐らく分からないくらいになっている。

ただし、等価雑音レベルは 15dB -A と優秀でローノイズと言っていいレベルだけれども、超高級マイクの倍くらいあるので、その辺で聴き比べられたら分かっちゃうなぁ。

これがピアノとバンドネオンにP420を2本ずつ、ヴァイオリンにP220、アンビエンスに仁詩君が持ち込んだDPA4090を薄くかけたもの。

曲はマイクの特性が分かりやすく、個人的に大好きな「悪魔のロマンス」

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指向性切り替え時の周波数特性はAKG C414は物凄くコントロールされていて変化が少ない。実際聴感上も変化を殆ど感じない。

ただし、一本80000円もする。とてもじゃないけど買えない(笑) 「この周波数特性が欲しかったら414買ってね」ということなんだろうと思う。

参考 AKG C414 XLS

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■ MXL CR21 ペアで12000円

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単一指向性

いわゆるペンシル型のスモールダイアフラムコンデンサーマイク。

5kHzから12kHz辺りまで結構盛り上がっていて、この通りの音がする。低域は目を見張るような伸びを見せているが、Overheadに使うとフロアタムがペナーンて音になりがち。

EQで何とかなるが、そういうマイクだと割り切るといい。

音はこの手のペンシル型の典型的な「めっちゃくちゃ繊細な高域が録れる」マイク。指向性広目。

例えばホール収録でエアーというかアンビというか、暗騒音を積極的に拾いたい、とかそういう用途なんかにはピッタリで雰囲気たっぷりに録れる。

クラシック音楽のホール収録なんかはマイキングさえ間違えなければ、かなり行けそうな予感。

低域も十分に伸びていて、大太鼓のアタック感は弱いものの、テューバの最低音まで十分に収録可能。

カメラに付けて収録とかも良さそうだけど、吹かれにはめっちゃくちゃ弱いんで、ウィンドスクリーン(もふもふ)は必須と思う。

ただし、ピアノにオフ気味に使ってもかなり高域がギランギランに目立ってEQ必須な感じがする。

1mくらい離れていてもナレーションのポップノイズが入りまくるので、軸上を外すかポップガード必須。

このドラムのオーバーヘッドに使った時の音↓


■ Behringer ECM8000 6000円

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無指向性 測定用マイク

本来、部屋の周波数特性などを測定するためのもので楽器用ではない。

が、15年以上前から「下手なマイクよりいい感じじゃん!」と言われていて秋葉原のトモカで音聞かせてもらって以来、買い足しながら愛用。

かなり活躍してくれている。

周波数特性は若干の凸凹があるけれども、十分平坦で、指向性も16kHzの記載がないけれど、十分な無指向性を持っている。

トランペットのオンマイクで使っても大丈夫なくらいの耐入力もある。

アンビとしても周囲の音を緻密に拾ってくれるし、他に楽器がないならピアノのいい感じで録れる。手頃な無指向性マイクを探しているならこれ一択と言っていい。

ちなみに、クラシックのピアニストである嫁はこのマイクを二本、ややオフ気味に録った音を一番気に入っている。

ただし、SNは悪くホワイトノイズ多めなので、弦楽器などにはややホワイトノイズが目立つ。そこは織り込み済みで使うが吉。

これが基本ECM8000 x2をメインにピアノに補助的にAKG P420を使った音。演者の希望により距離感を持たせ、ホールっぽく加工している。

トランペットは音量があるのでホワイトノイズは目立た無い。


■ TASCAM TM-90BM 10000円

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バウンダリーマイク 半球型(?)指向性

某放送局のエンジニアさんの入れ知恵で「奏者の足元に置くだけでストリングスがめっちゃ綺麗に録れましたよ、WAO亭だったら特にいいんじゃないですかね?」で購入。

本来、舞台で役者さんのセリフを捉えたり会議やトークの声を収録するもので↓こんな風に仕込む。

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有名なのはCrown PCC-160なんだけど36000円もする。形と周波数特性似てるからいっかな?と2つ買ってみて大正解。今は7個装備。

アンビエンスとして、場合によっちゃ楽器のベルの真下に置いて使うと、若干オフな、とてもいい感じで収録可能。

ピアノの下に仕込んで響板の裏からの音を録ってみたり、底面に低域の「Boost, Flat, Cut」があるので、例えばドラムの後ろなんかにBoostさせたコレを置くとエゲツナイ低域を拾えて面白い効果が得られる。

ちなみに、ざっくり言うと壁や天井や床は低域が多く集まる。簡単な音響学の思考実験ができると、とても面白い音が収録可能。

殆どの収録、配信などで複数本使っている。

ECM8000を3本と、バウンダリーを5本くらい仕込んだ音はこちら↓ 事務所の希望でリバーブ控えめ。EQはローカットくらいで殆どマイキングだけで挑戦してみた。


ドラム用マイク

TASCAM TM-DRUMS

生産完了品

コロナ禍真っ只中で買ったからか、オーバーヘッドの片方が死亡。まだ直してない。

バスドラム用 TM-50DBと、スネア用 TM-50DS、オーバーヘッド用ペンシル TM-50C が2本。

特にこのバスドラム用が好みで、ローとハイの両端が持ち上がった特性。

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「100Hz以下無いじゃん!」て思われるけど、あんまり100Hz以下が盛大に録れちゃうと逆に扱いにくいことも。

実際使ってみると100Hzも十分録れているし、マイキングで「皮」の音も録れる。後述するけど、AKG Drum Mic Set Session I のバスドラ用より多く使っている。

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